陸軍
劇場公開日:1944年12月7日
劇場公開日:1944年12月7日
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2023年8月30日2度目の鑑賞
原作未読
原作は『ダイナマイトどんどん』の火野葦平
監督は『カルメン、故郷に帰る』『衝動殺人、息子よ』の木下恵介
脚本は『一人息子』『父ありき』『長屋紳士録』の池田忠雄
昭和19年当時の陸軍省から命令され作ることになった国威発揚映画
親子4代の物語
江戸時代末期から遡る
幕末に長州軍が小倉藩に攻めてきた
傷を負った藩士は友助が営む質屋で手当てを受け再び戦いに
これからの時代は藩より大きいものを守る時代になるというニュアンスの言葉を言い残し
先祖代々小倉で質屋を営んでいたが経営難のため友彦の代で店をたたみ福岡に引っ越し雑貨屋を始めた
友彦はかつて父友之丞に期待され兵隊になったが病気で戦地に出ることはできず帰国した苦い記憶ある
それもあってか長男伸太郎には立派な兵隊になってもらいたいと願う友彦だった
自分は皇室制度廃止論に賛成の立場のせいか「男の子は天子様から授かり物で返さなければいけない」という思想には反吐が出る
友彦と櫻木の口論はまさにコメディー
有名なラストシーン
大東亜戦争を扱った日本映画のなかで一番グサリとくるシーンである
これを持って反戦映画と解釈するレビュアーや知識人が多い
だが自分はそうは思わない
たしかに母が息子の無事を祈っていることは間違いない
木下監督もおそらく「お国のために死んでこい」という言葉に対する反発ではないかと
「武士道と云うは死ぬ事と見付けたり」解釈は様々だ
親が子の無事を祈ってなにが悪い
なぜそれが反戦になるのか
母は息子の晴れ姿を見て立派になったと笑顔になったではないか
あのシーンはどういった意図があったのか本人の口から聞きたいがとっくの昔に他界してる
あの時代正直にモノも言えなかったが戦後も左翼にとって気に食わないことを言えばバッシングを浴びる
実際に火野葦平は戦犯作家などとレッテルを貼られ散々叩かれたそうだ
左翼が火野葦平を殺したようなものだ
配役
伸太郎の父の高木友彦に笠智衆
友彦の祖父高木友助に笠智衆
伸太郎の母の高木わかに田中絹代
友彦とわかの長男の高木伸太郎に星野和正
友助の息子で友彦の父の高木友之丞に三津田健
友之丞の妻の高木せつに杉村春子
友彦の戦友の仁科大尉に上原謙
軍需工場を営む櫻木常三郎に東野英治郎
太平洋戦争末期に製作された国策映画。徳川光圀の『大日本史』を家宝のごとく奉る模範的愛国一家の辿る運命が、祖父、父、息子の三世代を跨いで描き出されている。
死に際の祖父から愛国精神を受け継いだ父は、日露戦争に参加したものの生来の病弱によって無念にも途中帰還を果たす。そうした悔恨から息子には常日頃から軍人として生きること、そして天皇陛下のために命を散らすことの意義や誇りを語って聞かせる。大日本帝国の掲げる「愛国」なるものの欺瞞や不条理が、ここでは親子三代という時間的な厚みによって巧みに韜晦されているわけだ。
しかしながら本作の監督は木下恵介。一見して平凡な物語の中にも無数の仕掛けや裏切りを凝らす物語映画のトリックスターが、ひたすら愚直で味気のない国策映画を撮るはずもない。
本作の山場は、というか見せ場は、ラストの数分に集約されているといっていいだろう。それまで祖父→父→息子の感傷的ホモソーシャルの中で「愛国」なるフィクションが醸成されていたところに、突として母が現れる。
母ははじめこそ戦争や父たちの語り継ぐ「愛国」の物語に同調しており、二人の息子がいずれ兵士として戦地に送り込まれることにも疑問を持っていなかった。しかし長男坊出征の朝、彼女はふと我に返ったように家を飛び出す。
母は軍歌の音を頼りに路地裏を駆ける。ようやく大通りに出ると、出征兵の隊列とそれを見送る無数の群衆。「愛国」というフィクションに憑り付かれた観衆が隊列に向かって狂ったように喝采を送り続ける。その波の中を、母ただ一人が逆行している。彼女は軍服によって匿名化させられてしまった隊列の中から必死に我が子を探す。そしてようやく息子を見つけ出し、彼の手を握る。しかし隊列は進み続ける。母はそれを追ってどこまでも観衆の波に、「愛国」に呑まれた世情に逆らい続ける。
それまで祖父や父が紡ぎ上げてきた「愛国」神話は、母の闖入によって完膚なきまでに破壊される。国とか天皇とかいった非人格的なものにばかり入れ込んでいるうちに、我々はもっと近いところにある大切なものを失いかけているのではないか。去り行く息子を見つめる母の佇まいにはそうした悔恨の念が色濃く浮かび上がっている。
あるいは誰もが本当は「大切なもの」の正体に気が付いていたのかもしれない。
出征の前日、二人の息子がそれぞれ父と母の肩を叩く。4人は他愛もない会話を交わしながらしばしの団欒を楽しむ。このまま時間が止まってしまえばいいのに、という切実な、しかし決して言葉にしてはいけない想いを代弁するかのように、カメラは固定ショットのまま4人の団欒を映し出し続ける。しかし最後には壁掛け時計の鐘が鳴り、4人は元の時間の流れに引き戻される。
愛国を大義名分に戦争という不条理に向かって無意味な行進を強いられていた人々の無言の苦しみを、国策映画という局限的フォーマットの中で見事に描き切った反戦映画の傑作だ。
本作によって完全に軍部から睨まれてしまった木下恵介は、それからしばらく映画の製作をさせてもらえなかったという。その反動か、復帰後の第1作目である『大曾根家の朝』では本作以上に彼の反戦意識が強く反映されていた。
昭和19年、1944年12月7日の公開
つまり戦争中です
それもいよいよ末期に突入する頃の
サイパン陥落は同年7月9日でした
8月には米軍はマリアナ諸島の占領を完了し、11月には超大型爆撃機B-29が発進できる滑走路も完成させていたのです
それまでとは次元の違う大規模な本土空襲が始まろうとしていました
3月10日の東京大空襲まで、あと4ヵ月のタイミングです
主な舞台となる小倉への空襲は、それよりも早く本作公開の年の6月に日本最大を誇った小倉陸軍造兵廠が爆撃され死者80名以上を出す損害を受けていました
つまり本作が公開されたとき観客はみな、その事実を知っているのです
冒頭に「陸軍省後援 情報局國民映画」とでます
つまり戦意高揚を目的に作られた映画です
なのに本作は明らかに反戦映画なのです
外見は間違いなく戦意高揚映画です
しかし反戦の思いが胸に届くのです
これから何が起こるのか?
どうなってしまうのか?
監督もスタッフも役者も予感しているのです
観客すら分かっていたのだとおもいます
そして検閲する陸軍すらも
何故こうなってしまったのか
世界を敵に回すような無謀な戦争に突入してしまったのか
それの理由を幕末の奇兵隊の小倉城攻め、いや水戸光圀の大日本史まで遡って説明しようとするのです
まるで遺書のようです
日本陸軍は奇兵隊を源流として、攘夷を行う組織であると説明しているように自分には思えました
攘夷が敗れ去ったときどうなるのか
その覚悟をもて、その死に向かう美学を共有しろということが、本作で陸軍の目的とするメッセージだったのでしょう
しかし、それは反戦メッセージと紙一重の差のように見えるのです
ウクライナの戦争に動員される、ロシアの青年達
余りに戦死者が多すぎて、中高年まで動員を始めているそうです
ロシアのどこかの地方都市で、本作と同じような光景があるのだろうと思いました
戦争は日本人だけが起こすものではありません
どこの国でも、かって平和勢力と呼ばれた共産主義国でも起こすのです
だから本作にある反戦メッセージは人類普遍のものです
しかし本作には戦前の日本がなぜ無謀であっても戦争を起こしたのか
遺書にして残そうとした点で唯一無二の映画のように思います
ロシアにだって戦争をおこした張本人には理由があるのでしょう
それを大真面目に信じているのでしょう
本作に登場する戦前の日本人のように
私達は幸いにしてそこから目が覚めて、そのように戦争を相対的に見ることが出来るようになったのです
明らかに進歩したのだと思います
ロシアの人々も負けて初めて目が覚めるのかも知れません
田中絹代のクライマックスでの演技は語り草の名シーンです
木下恵介の映画では必見の映画だと思います
国策映画として作られた軍人一家の内容。西南戦争から、日清、日露、大東亜戦争に至る富国強兵の時代。軍人はお国のために死すことが本分だと忠君愛国の頑固一徹な持ち主の祖父。
「男の子は天子様からの預かりもの」。軍人になることでお返しすることができるとういう妻の弁。。高木は「神風が吹かんでも元に勝っていた」などと皇国日本を信じきっていた。川に飛びこむこともできなかった伸太郎が立派な上等兵となったが、戦地に行けなかった。やがて桜木のところで息子の出兵の報を受ける高木。思わず受話器を置いてしまうユーモラスな一面も見せるテクニック。
そして出陣式。涙が出るからと見送りに行かない母親田中絹代であったが、もう2度と会えないことを思うと居た堪れなくなって駆け出して往く。出征の行進を続ける軍隊の中に息子の姿を見つけ、みつめあう母息子。
何度も頷きあって別れを悲しむ母親のシーンは何とか軍の検閲をくぐり抜けるが、木下監督は軍に睨まれることとなった・・・立派な軍人に育てあげ天子様に子をお返しすると言っても、心の中では息子を死なせたくないという母親本来の気持ちを如実に表している。評価は平凡になるが、木下監督の強い思いを感じる作品だ。
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