村上隆、初の監督作「めめめのくらげ」2013年4月公開、すでに続編も始動
2012年11月16日 05:00
村上自身が10年以上温め続けた原案をベースに、“くらげ坊”と名付けられた不思議な生物と少年の交流と冒険を、ファンタジックに描いた本作。村上監督は「子どものころ夢中で見ていたゴジラ、ウルトラマンなどの特撮の世界。そして大人になっても『スター・ウォーズ』やスピルバーグ、宮崎駿など熱は冷めなかった。この作品はそれらの要素と、今の日本の混沌をまぜこぜにした新しいSFファンタジーです」と語る。すでに続編「めめめのくらげ2」も始動しており、その独創的なイマジネーションがいかにスクリーンで花開くか、映画&アート業界双方から熱い注目を集めそうだ。
主人公の小学生・正志(まさし)は、引っ越した新しい家で見慣れない段ボールを発見。その中から出てきたクラゲのような不思議な生き物をくらげ坊と名付け、次第に仲良くなっていく。不思議なことに転校先では、ほかの子どもたちも大人に見えない生物“ふれんど”を連れていた。一体、ふれんどとは何者なのか……。製作は村上率いる「カイカイキキ」。実写とCGを融合させた本編は、CGカットだけで900強を数え、編集作業に1年以上を費やす壮大なスケールで「きっと驚いてもらえるはず。国内でもSF映画が作れるんだと証明し、成功させたい」(村上監督)。自信あふれる発言は、長年、世界のアートシーンを席巻し続けた実績に裏打ちされている。
正志とヒロインの少女・咲を演じるのは、実力派子役の末岡拓人(「荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE」「おかえり、はやぶさ」)と浅見姫香(「きいろいゾウ」)。また、子どもたちの前に現れる正体不明の男たちを窪田正孝、染谷将太、正志が慕う叔父で物語の重要人物を斎藤工が演じ、鶴田真由、津田寛治らベテラン勢が脇を固める。
今夏には続編「めめめのくらげ2」の撮影現場が公開され、村上ワールド広がる本作の一端が明らかになった。物語の舞台は原発事故が起こった後の日本という設定で、末岡と浅見が熱演を繰り広げるセットは「原発の地下にある、エネルギーを再生させる謎の施設」(村上監督)。CGを駆使した作品らしく、施設の外部がグリーンバックになっている一方、色つきのセロファンで照明を調整するなどアナログな手法も用いられる。
また、セット中央にはロシアの建築家であるウラジーミル・タトリンが手がけたことで知られる第三インターナショナル記念塔(通称タトリンタワー)を逆さにしたかのような装置が鎮座しており、「人類の欲望の象徴であるバベルの塔がひっくり返った感覚」(村上監督)と意味深な発言だ。謎の生物“ふれんど”は、「新しいエネルギー研究の過程で生まれた副産物」だといい、「今の日本は、『ゴジラ』が生まれた戦後のような終末観が漂っている」と本作の背景となった時代性にも言及。「今後も映画をつくっていくとしたら、子どもを主役にした作品になるはず」と今後の展望について語った。
「めめめのくらげ」は、2013年4月26日から全国で公開。
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