綾野剛&黒木華、石井岳龍監督「シャニダールの花」にW主演
2012年11月3日 06:00

[映画.com ニュース] 綾野剛と黒木華という実力派俳優の2人が、石井岳龍監督の最新作「シャニダールの花」でダブル主演を務めていることがわかった。石井監督が改名前の石井聰亙として活動をしていた頃から温め続けた入魂の企画で、オリジナル脚本によるリアルファンタジー作品を撮り上げた。
今作は、選ばれた女性の体に見たこともない美しい花が咲くという、不思議な現象が起こる世の中が舞台。“シャニダールの花”と呼ばれるその花は、満開に咲くと画期的な新薬の開発につながるため高額で取引される。物語は、花の成長を全面的にケアする特殊な施設「シャニダール」の研究者である大瀧賢治(綾野)、新人の響子(黒木)、所長の吉崎(古舘寛治)、提供者のユリエ(伊藤歩)、ミク(山下リオ)、ハルカ(刈谷友衣子)らの姿を通して、「花」と「人間」の関係を問いかける、美しくも恐ろしい現代のおとぎ話として描かれる。
「この映画を体験した後には、いつもの花がまったく違うものに見えてくる。そんな映画にしたい。そして、この映画は愛についてのささやかな問いかけでもあります」と語る石井監督が、主演に起用したのが綾野と黒木だ。
「ヘルタースケルター」「るろうに剣心」といった話題作に立て続けに出演し、「ガッチャマン」で“コンドルのジョー”を演じることも決まっている綾野は、今作の撮影を「ただただ忘れもしません。『始動、怖い、不安、それでも懸命に挑み続けよう』。クランクアップした瞬間、脳裏にあふれたのは初日の監督の言葉でした」と述懐。そして、「黒木華さんをはじめ女性キャストの瑞々しい確かな力に、各部署のただならぬ集中力と緊張感に支えられ、最後まで大瀧賢治で立ち続けることができました。参加できたこと、大変興奮し感謝しています。石井岳龍組。静かな狂気」と充実した毎日だったことをにじませている。
一方の黒木は昨年、「東京オアシス」で銀幕デビュー。今年はNHK連続テレビ小説「純と愛」に出演するほか、松田龍平主演作「舟を編む」にも名を連ねている若手ホープだ。綾野との共演を「すごく感覚的な方だと思いました。反射的というか、瞬時にリアクションを返してくださって、綾野さんのおかげで楽しみながら安心して現場にいられたのだと思います」と振り返った。
石井監督は、引っ張りだこの存在である2人の演技に手ごたえを感じている様子で「綾野君は、エッジの効いた独特の存在感や役への没入感の深さに感心していて、以前からとても気になっていた俳優さんなので、今回がっつり組んで良い仕事ができたと思うのでうれしいです」。さらに、「黒木さんは素朴な天然さが今回の役にぴったりだと感じ、お願いしました。今の日本にもこんなに古典的な女優さんがいるとは驚きです」とコメントを寄せている。
「シャニダールの花」は、2013年に全国で公開。
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