I・バーグマン×巨匠ベルイマンの名作「秋のソナタ」を映画館で 予告編公開
2012年11月2日 17:00
[映画.com ニュース] 20世紀最高の女優と称されるイングリット・バーグマンの没後30年を記念し、黒澤明、フェデリコ・フェリーニと並び「20世紀最大の巨匠」と呼ばれるイングマール・ベルイマン監督による、バーグマン女優人生最後の作品「秋のソナタ」のデジタル・リマスター版が12月8日公開される。このほど本作予告編と、来夏公開予定の「イングマール・ベルイマン特集」の予告編が同時公開された。
国際的なピアニストで、恋愛経験もきらびやかな母親シャルロッテ(バーグマン)に抑圧されて育った娘エヴァ(リヴ・ウルマン)の、壮絶な母娘の確執を描いた人間ドラマ。共演はベルイマン映画のミューズ、ウルマンをはじめ、レーナ・ニイマン、エルランド・ヨセフソンら。
我が子を犠牲に自らの芸術に打ち込む母親という役柄は、バーグマン自身の実生活を重ねるかのような設定だった。バーグマンは抵抗し、ベルイマンと衝突を繰り返したという。しかし、そんな労苦を乗り越えて見せた熱演はバーグマンの人生で最高の演技と絶賛され、本作を最後にバーグマンは映画界引退を宣言したという伝説的な作品だ。公開から4年後の1982年、バーグマンは67歳で生涯を閉じた。
予告編では、ショパンのピアノ曲をバックに、母娘の会話の応酬が展開される。ふたりの愛憎の入り混じった緊張感あふれる展開、生々しい感情をぶつけるバーグマンを、ベルイマンのカメラが容赦なく映し出している。バーグマンとベルイマンという20世紀を代表する偉大な才能が真正面から対じしている様がこの短い映像からも見て取れる。
来夏公開予定の「イングマール・ベルイマン特集」は、ベルイマンの初期代表作「第七の封印」「野いちご」「処女の泉」をデジタル・リマスター版で一挙公開。ウッディ・アレン、ジャン=リュック・ゴダール、デヴィッド・リンチ、スタンリー・キューブリックら後世の映画監督に多大な影響を与えたという巨匠の代表作をスクリーンで堪能できる、またとない機会だ。
「秋のソナタ」デジタル・リマスター版は、12月8日からユーロスペースほかで全国順次公開。