日活100周年記念手型モニュメント完成、裕次郎さんら64人が一堂に
2012年9月10日 19:03
[映画.com ニュース] 日活の創立100周年にあたる9月10日、記念の手型モニュメントの除幕式が東京・調布市の日活撮影所で行われた。
日本最古の映画会社として1912年(大正元年)に日本活動写真株式会社として発足した日活。これまでに6000本以上の作品を生み出し、故石原裕次郎さんら多くのスターを生み出してきた。その記念の手型モニュメントには吉永小百合、三國連太郎、浅丘ルリ子ら64人が協力。裕次郎さんの手型も、石原プロモーションと新東宝ニューフェイス第4期の同期生で東京・下北沢の本多劇場のオーナー・本多一夫氏の協力で、同劇場に展示されているもののレプリカがモニュメントに飾られた。
除幕を行ったのは日活の佐藤直樹社長と宍戸錠、浜田光夫、松原智恵子、和泉雅子という面々。宍戸は、「私はこの撮影所で58年働いている。何でやっているのかといえば、面白いから。やりたいことがどんどんできる映画作りほど面白いことはない」と感慨深げ。自身の半生と日活の歴史を重ね合わせた原稿を書き上げ、11月から売り込み始めることも明かした。
浜田は10年間の在籍で88本の映画に出演し、うち44本が吉永との共演で青春スターとして一時代を築いた。「今年の4月8日に川口市に呼ばれ植樹をしてきました。その日は50年前に『キューポラのある街』が全国一斉公開された日。裕次郎さんや小林旭さんのアクションものの一方で、青春・純愛ものを柱のひとつとしてやっていこうということで我々のコンビが生まれた。そのすべてが私の宝です」と話した。
「日活には先輩、後輩の垣根がない。16歳で門をくぐった素人の私をスタッフ、共演者の方が優しく見守ってくれたおかげで今がある。恩人であり、懐かしい場所です」としみじみ語ったのは松原。すると、懇親会で酒が入り気分の良くなった宍戸が「それは他の会社みたいに御大がいなかったから。でも、一番威張っていたのは(小林)旭。裕次郎とはどっちが客が入るかで競争していた」と暴露。その後も宍戸流“錠ク”を連発し、浜田をはじめ中尾彬、藤竜也らを慌てさせていた。
16代目となる佐藤社長は、「本日、100歳の誕生日を迎えることができた。これまで生み出してきたどの作品も誇りであり、決して色あせるものではない。モニュメントは日本映画をけん引した64人に後輩が敬意をもって作製した」と説明。そして、鈴木清順監督、宍戸主演の「野獣の青春」(1963)の香港のジョン・ウー監督によるリメイクなどを挙げながら、「先人たちの技術、プライド、情熱をしっかり受け継いで作り続けていきたい。積極的に海外とも協力し、新しい黄金期を向かえたと言われるよう、次なる100年に向け挑戦していきます」と抱負を語った。
手型モニュメントは同撮影所内に掲出されるが、最寄りの京王線・飛田給駅のコンコースで年内に一般公開を予定している。また、100周年記念事業としての特集上映が昨年10月からニューヨークを皮切りにパリやローマの欧州各国で行われている(現在は日本全国で順次公開中)ほか、日活が運営するCS「チャンネルNECO」でも特集放送が継続的にオンエアされている。