「ディクテーター」のサシャ・バロン・コーエンにLAで直撃!
2012年8月23日 18:30

[映画.com ニュース] 「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」「ブルーノ」を企画し、自ら主人公を演じてきた英のお騒がせコメディアン、サシャ・バロン・コーエンに、最新作「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」についてロサンゼルスで聞いた。
「ディクテーター」は、中東にある架空の国ワディヤ共和国の独裁者アラジーン将軍(コーエン)が陰謀に巻き込まれ、身元不明のままニューヨークの街に放り出されるコメディだ。ボラットのように極端な人物に魅力を感じるというコーエンは、残虐さと滑稽さをあわせもった世界の独裁者に注目。民主化運動をはばもうとあくせくするおバカな独裁者のストーリーを思いつく。当時はコメディの中でしかあり得ない非現実的な設定に思えたものの、製作開始後に中東で相次いで革命が起きたために、偶然にもタイムリーな作品になってしまったという。
「現実が芸術を模倣する事態が起きたんだ」とコーエンは当時を振り返る。「民主化運動が起きて、モデルとしていた独裁者たちがどんどん殺されていった。おまけに、金正日まで死んでしまった。こりゃなんなんだ、と(笑)」
現在のコーエンは世界で最も成功しているコメディアンのひとりだが、本人によれば、今のような立場になるとは夢にも思っていなかったという。モンティ・パイソンにあこがれてコメディアンを目指したコーエンにとって、唯一の目標は「面白いことをする」ことであり、テレビのコメディ番組でレギュラー出演できるようになれば御の字だと考えていた。
独特の個性を持ったコーエンは映画界でも引っ張りだこで、「マダガスカル」シリーズの声優を皮切りに、「ヒューゴの不思議な発明」などのドラマ映画にも進出。演技に磨きをかけたいという動機のほかに、「最高の映画監督のもとで仕事をして、技術を盗むという目的もあるんだ」と、コーエンは告白する。
「スコセッシ監督のもとで仕事をしようと思ったのは、当時、すでに『ディクテーター』をやることが決まっていたからだ。それまでの僕は、リアルな映画を一度も作ったことがなかった。それで、スコセッシ監督に、『ヒューゴ』の撮影中、隣に座ってあれこれ質問してもいいですか、って聞いたんだ。『もちろん』と言ってくれたので、カメラ位置とか、役者の演出法とか、ありとあらゆることについて質問させてもらった。そうやって盗んだ技術が、『ディクテーター』に生きているんだ」
コーエンが同作から盗んだのは、撮影技術だけではない。共演した名優ベン・キングズレーまで、ちゃっかり拝借している。面白いことをするなら貪欲に利用してしまうハングリーさこそが、人気の秘密かもしれない。
「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」は、9月7日から全国で順次公開。
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