「桐島」佐藤貴博プロデューサー、テレビ局の映画製作について語る
2012年8月4日 22:50
[映画.com ニュース] 「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督、佐藤貴博プロデューサー、渡辺尊俊宣伝プロデューサーが8月4日、東京・東放学園映画専門学校のオープンキャンパスで行われた同作の特別試写会に出席し、ティーチインイベントに参加した。3人は、映画業界を志す高校生たち約50人に、それぞれの役割や立場を通しての今作への思いを語った。
「GANTZ」シリーズや「君に届け」など、これまでに12本の映画を手がけてきた佐藤プロデューサーは、日本テレビの映画事業部所属。「映画のプロデューサーになりたいのになぜテレビ局に入ったのか?」という高校生からの質問に、佐藤プロデューサーは「映画と遊園地の仕事がしたかったんです(笑)。某テーマパークの会社は、入社試験の最終審査で落とされましたが……」と告白。そして、逆に「皆さん、テレビ局映画にどういう印象を持っていますか? テレビ局で映画を作っていると、いろいろ言われるんです」と高校生たちに問いかける。
さらに、「ドラマを映画化したり、バラエティで宣伝してお手軽に公開しやがってと。そういう論調があるのは確か。そういう宣伝的優位があるからヒットしていると思われがちですが、僕たちテレビ局の社員も毎日必死になってどうやってお客さんを喜ばせようか全力で考えているんです」と本音を語る。今作についても、「“桐島”はテーマや構成などが、これまでのテレビ局映画と比べると異質な印象を持たれるかもしれませんが、根本の思いは他の映画と変わりません」と熱く説いた。
メガホンをとった吉田監督は、オファーを受ける条件としてオーディションをワークショップ形式で行ったといい「ゲームをやってもらったり、ただ遊んだり寸劇をやったり、いろいろなことをやりました。大人と向かい合っている時とは全然表情が違うし、そういうのを見ながら決めていったんです」と述懐。渡辺宣伝プロデューサーは、「この映画は見てくれた人が体感できる映画。若い人たちに見てもらって、皆に参加して楽しんでもらいたいという思いで“全員、桐島に振り回される。”というキャッチコピーを考えたんです」と話した。
第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウ氏の原作を映画化する今作は、田舎の高校を舞台に、バレー部のキャプテン・桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、校内の人間関係が微妙に変化していくさまを、時間軸や視点を転換しながら大胆に描く。主演を神木隆之介が務めるほか、橋本愛、大後寿々花、東出昌大ら人気若手俳優が顔をそろえる。
「桐島、部活やめるってよ」は、8月11日から全国で公開。
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