細田監督&宮崎あおい渡仏 「おおかみこども」プレミアにパリが沸く
2012年6月29日 21:00
[映画.com ニュース] 細田守監督最新作「おおかみこどもの雨と雪」のワールドプレミアが現地時間6月25日、仏パリで行われ、細田監督と主人公・花の声優を務める宮崎あおいも現地入りした。
“おおかみおとこ”と恋に落ちた女性・花が、ふたりの間に生まれた“おおかみこども”の姉弟・雪と雨とともに歩む13年間を描くオリジナルストーリー。パリ最大のシネコン「ユージーシー・シネサイト・レ・アール」の中で最も大きいスクリーン10がプレミア会場となり、約500席分のチケットは発売初日に完売する人気ぶり。細田監督は、上映前の舞台挨拶で「世界に先駆けて、本作をフランスの皆さんにご覧いただけることをうれしく思っています」と喜びを語った。上映中は愛らしいおおかみこどもの様子に歓声が沸く一方、後半では涙を流す観客の姿も見られ、本編終了とともに会場は約2分間のスタンディングオベーションに包まれた。
観客や細田監督と一緒に映画を鑑賞していた宮崎は、「皆さん(フランスの観客)の感情表現がとても豊かで、こんなに笑うところがある映画なんだという新しい発見もあって、新鮮な気持ちで見ることができました」と喜びと安どの笑顔。会場の盛り上がりに急きょティーチインも行われ、細田作品で描かれる女性像やアニメーションにおけるCG技術、次回作の構想についてなど、約30分間にわたり質問が飛び交う熱い一夜となった。
「時をかける少女(2006)」や「サマーウォーズ」で海外でも高い評価を獲得してきた細田監督の最新作ということもあり、すでに世界34の国と地域での配給が決定済み。フランスでは8月29日から公開されることが決まっており、公開規模の目安といわれるプリント予定数は50。フランスで人気の日本人監督である北野武監督作「アウトレイジ」の50プリント、アカデミー外国語映画賞受賞作「おくりびと」の47プリントに並ぶ過去最大規模の公開を予定している。
また、フランス公開を記念して、ティム・バートンや宮崎駿らの個展を開催してきた「ギャラリー・アーリュディック」にて、「『おおかみこどもの雨と雪』細田守アートワーク展」の開催も決定(6月27日~7月21日)。プレミア翌日の6月26日に行われたオープニングパーティには、同作の背景画やキャラクター設定画を見ようという美術愛好家や細田ファンなど、約100人が来場。プレミアに続き、同会場でもポスターや過去作品のDVD、関連書籍などを手にした多くのファンらがサインを求めて細田監督を囲み、終始和やかな雰囲気に包まれていた。
「おおかみこどもの雨と雪」の日本公開は7月21日。
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