日本最大のタブー“原発”描く園子温新作「希望の国」 場面写真を入手!
2012年6月14日 08:00
[映画.com ニュース] 園子温監督が、原発をテーマに描いた最新作「希望の国」の場面写真を映画.comが入手した。これまで、実在の事件を基に暴力や性などタブー視される題材を選んできた園監督。前作「ヒミズ」で原作にない被災地のシーンを加えたことでも話題となったが、今作は園監督のオリジナル脚本による社会派エンタテインメントに仕上がった。
東日本大震災から数年後の日本のとある地方が舞台。ある日、新たな大地震が発生し、原子力発電所が爆発。酪農を営む小野泰彦(夏八木勲)の4人家族と、隣に住む農家の鈴木家両家の敷地の境界で、避難区域内外が指定される。それぞれが不安な生活を送る中、避難区域外となった小野家の息子・洋一(村上淳)の妻・いずみ(神楽坂恵)の妊娠が発覚する……。
このほど公開された場面写真は、立ち入り禁止のテープを前に、住み慣れた家を離れ、見知らぬ土地で暮らしていこうと洋一といずみが決意を固めるシーンと、鈴木家が避難した中、花壇で土いじりをする泰彦の妻・智恵子(大谷直子)の姿。智恵子は境界線の向こうの花を手入れしたいと考えるが、泰彦に「国に怒られる」と諭され、避難区域内外を自由に行き来できない現状に憤りを覚えるという場面だ。今作で園監督は、見えない放射能と戦う家族の絶望、不安を通し、そこから浮かび上がる社会問題、再生への希望や人と人との絆を映し出す。
「希望の国」は10月20日、東京・新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。