園子温監督「希望の国」特報を入手 テーマは日本最大のタブー“原発”
2012年5月11日 21:15

[映画.com ニュース] 鬼才・園子温監督の最新作「希望の国」特報が公開され、今作のテーマが日本最大のタブー“原発”であることがわかった。園監督が“いま日本でこの映画を撮って、見てもらうべき”と考え、オリジナル脚本を書き上げた意欲作で、エロティックな描写や暴力描写を一切封印して撮りきった。
園監督の才能にほれ込んだイギリスと台湾の製作会社が参加し、日英台の合作となった今作は、震災後の日本をフィクションとして真正面から描く。酪農を生業とする小野家は泰彦(夏八木勲)、妻・智恵子(大谷直子)、息子の洋一(村上淳)とその妻・いずみ(神楽坂恵)の4人が穏やかに暮らしていた。隣家の鈴木家の息子(清水優)は、家業を手伝わず恋人(梶原ひかり)と遊び回り、両親(でんでん、筒井真理子)にしかられてばかりという設定だ。
ある日、大地震が発生し、原子力発電所が爆発。両家の敷地の境界で、避難区域内外が指定されてしまう。家を出なければならない鈴木家ととどまる小野家。それぞれが不安な生活をおくるなか、いずみの妊娠が発覚する。泰彦と洋一、いずみが子どもを守るためにとった行動とは……。
特報では、道路を歩く牛、羊の姿から尋常ならざる不穏な空気がひしひしと伝わってくる。さらに、マーラーの「交響曲第10番 第一楽章『アダージョ』」をBGMに、「見えているか? そこいら中に飛び交っているよ! 見えない弾が!」「みんな生きている。生きているんだぞ、ここで!」というナレーションが流れ、日本人にとって忘れることのできない、忘れてはならない光景が、見る者の脳裏にフラッシュバックのようによみがえる。
近年、新作を発表するたびに国際映画祭を席巻し続けてきた園監督作だけに、既に海外から配給の問い合わせが相次いでいるそうで、鈍牛倶楽部とピクチャーズデプトが海外セールスを行うという。
「希望の国」は今秋、東京・新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
(C)The Land of Hope Film Partners
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