岡田准一「ミラクル感じる」 “天体イヤー”に「天地明察」公開
2012年5月15日 16:45
[映画.com ニュース] 俳優の岡田准一が5月15日、東京・青海の日本科学未来館にあるプラネタリウム「ドームシアターガイア」で行われた主演作「天地明察」の製作報告会見に、原作者の冲方丁、音楽を手がける久石譲、滝田洋二郎監督とともに出席した。
第7回本屋大賞、第31回吉川英治文学賞を受賞し、第143回直木賞候補になった同名小説の映画化。岡田演じる江戸時代前期の囲碁棋士で、天文歴学者の安井算哲(後の渋川春海)が、800年にわたり使用されてきた暦の誤りを見抜き、改暦の大事業に挑む姿を描く。
今年は金環日食をはじめ、貴重な天体現象が目白押しの“天体ゴールデンイヤー”。主人公・算哲は江戸時代に日食が起こる日を言い当てたとされる実在の人物で、岡田本人も「こんなすごいタイミングで公開できるなんて、ミラクルを感じます」と感慨しきり。「算哲はいろんな困難を乗り越えながら、偉業を成した人。僕自身も皆さんに支えられながら、算哲同様、現場に取り組んだ」と自身を役柄に重ね合わせ「何より、初めて滝田組に入れたうれしさを感じた」と笑みを浮かべた。
一方、滝田監督も「本当に素晴らしかった。算哲は“いい人ぶり”がとても難しい役柄だが、高い演技力と存在感で演じきってくれた。現場での姿勢も素晴らしいし、やっぱりジャニーズはプロだね」と岡田を絶賛。自身にとっては、第81回アカデミー賞で「おくりびと」が外国語映画賞を受賞して以来、初メガホン(「釣りキチ三平」は受賞後の公開作)となり「当時の熱狂と興奮は素晴らしいものがあったが、今は納得いく題材で、納得いく作品をつくることが問われている。いいタイミングでビッグな“新星”、冲方さんの原作に出合うことができた。渾身の作品です」と自信のアピールで、胸を張った。
宮崎あおいが算術家の兄・村瀬義益(佐藤隆太)を通じて算哲と出会い、やがて妻となる美しく気丈な娘・えんに扮し、岡田と4年ぶりの共演を果たす。気性の激しい水戸藩主・水戸光圀を中井貴一、会津藩主で算哲に改暦事業を命じる名君・保科正之を松本幸四郎が演じるほか、市川亀治郎、笹野高史、岸部一徳、市川染五郎、渡辺大、白井晃、横山裕といった豪華な布陣が脇を固めている。
「天地明察」は9月15日から全国で公開。