高良健吾&吉高由里子、5年ぶり共演で強固になった信頼関係
2012年5月6日 21:20
「悪人」「パレード」の吉田修一が、2008年から2009年にかけて毎日新聞に連載した同名小説の映画化。1980年代を舞台に、大学進学のため長崎から上京してきた横道世之介(高良)、ガールフレンドの与謝野祥子(吉高)らの青春を描く。
3月24日にクランクインし、原作者の吉田の出身校で原作にも登場する法政大学のほか、埼玉・川越、神奈川・横須賀、静岡・下田や都内各所で撮影を敢行。4月12~14日は世之介の出身地である長崎でのロケも行われた。この日は、世之介が祥子の実家を初めて訪れ、虎や鹿のはく製、トロフィーが飾られたゴージャスな応接間で両親に挨拶するシーンや、2人がぎこちないながらも改めて「付き合っている」ことを確認するシーンが撮影された。
吉高はバリバリのお嬢さま役で、「本読みからインまで『わたくし』と言うように心がけた」というが、言い回しには悪戦苦闘している様子。さらに「~です」というセリフの語尾を「~だす」と言ってしまい、高良が吹き出すひと幕もみられた。クランクアップは5月9日の予定で、この日を含めて撮影は残り4日だが、高良は「本当に楽しいです」と満面の笑み。これまで、重い役どころを演じることが多かった高良だが、世之介は明るいキャラクター。「重い役だと充実した現場でも『行きたくない』と思ってしまうものですが、この現場は来るのが本当に楽しい。いまは(終わりが近づいて)寂しいです」と語った。
高良と吉高は「蛇にピアス」以来、5年ぶりの共演となるが、吉高は「前の映画と真逆で、前向きな高良さんを見るのは初めてで(笑)、そういう高良さんと会うのが楽しみでした」。そして、「何でも返してくれる。寄りかかれる感じがする」と全幅の信頼を寄せている様子。一方の高良は「(吉高は)計算してやっていない。予定調和になりたくないという感じでやっているので、それが楽しい」と話す。沖田監督も「2人が見せてくれるものも楽しみだし、考えている以上のことをやってくれる。こっちが準備した分だけ返ってくるので、気が抜けないです」と、2人が生み出す“化学反応”について明かした。
舞台となる87年は、高良が生まれた年だが「(小道具で)昔の『ジャンプ』とか置いてあると『こんな風だったんだ』って面白い。携帯がないので行き違いになるというのはこの時代じゃないとできないことですね。携帯の存在ってデカいですね」としみじみ。88年生まれの吉高も「80年代は全然知らないんですが、何か懐かしいなと思うものや風景に触れています。ロケハンってすごいですよね」と同調していた。
「横道世之介」は、2013年公開。
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