宮崎あおい、祖母役・樹木希林の変幻自在の存在感に最敬礼
2012年3月19日 21:00
[映画.com ニュース] 女優の宮崎あおいが3月19日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われた出演作「わが母の記」の完成披露試写会に、役所広司、樹木希林、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督とともに出席した。祖母役の樹木との共演に大きな刺激を受けたようで、「希林さんは日によってサイズが変わる」と変幻自在の存在感に最敬礼だった。
「クライマーズ・ハイ」の原田監督が、井上靖の自伝的小説「わが母の記」3部作を映画化し、初めて家族ドラマに挑戦。昭和39年を舞台に小説家の伊上洪作(役所)が、幼少期に離れて暮らした母・八重(樹木)の介護を通して、自身の記憶と母への思いに向き合う10年間を描く。第35回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で審査員特別グランプリを受賞。父の洪作を支える三姉妹の三女・琴子、長女・志賀子、次女・紀子をそれぞれ宮崎、ミムラ、菊池が演じている。
役所は「役名を伊上洪作に変更することを、井上さんのご家族に許可いただき、肩の荷が下りた気がした」。母親役の樹木を「刺激的なかわいらしい存在」と評すと、当の樹木は「どれだけ憎たらしい母親か、ぜひ見てください。鉄の女サッチャー(『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』)に負けないように演じた」と“希林節”で会場を沸かせた。宮崎は、「EUREKA〈ユリイカ〉」(00)以来の本格共演となった役所について「当時は子どもでわからない部分もあったが、今回改めて男の色気をすごく感じました。ちょっと遠い親せきのおじさんという感じ」と笑顔で語った。
メガホンをとった原田監督は「まずお宅と別荘を撮影に使わせていただいた、井上さんのご家族の協力に感謝したい。あの2つのロケーションは作品に絶対必要だった」と述懐。昨年3月10日にクランクアップし「その翌日に震災が起こり、改めて家族の絆を考えながら、仕上げ作業ができた。1日でも撮影が延びたら、予定通りに完成しなかったはず」と感無量の面持ちだった。
「わが母の記」は、4月28日から全国で公開。