神木隆之介「桐島、部活やめるってよ」で高校生活最後の映画主演
2011年12月15日 07:00
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[映画.com ニュース] 俳優の神木隆之介が、第22回小説すばる新人賞受賞作を吉田大八監督が映画化する「桐島、部活やめるってよ」に主演することがわかった。高校生活を締めくくるべく神木が演じるのは、高校の映画部に所属する主人公の前田涼也。クラスのなかでは存在を消すように静かにしているが、映画に対してほとばしる情熱を持っているという役どころだ。
高知市で撮影中の神木は「初めての映画部員役ですが、僕自身も映像やカメラに興味があり、実際に撮るシーンもあるのですごく楽しみです」とニッコリ。劇中ではジョージ・A・ロメロ監督作について熱く語るなど、ゾンビ映画への傾倒ぶりを体現する。そのため、「撮影に入る前はオカルト映画を見たり、リハーサル時には監督と前田の性格、境遇、生い立ちなど、キャラクター設定を話し合い、役づくりをした」という。撮影は12月末まで続くが、「前田の些細な心の変化や動きを、丁寧に演じていきたいと思います。そして、共演者の皆さんと一緒に良い作品をつくっていきたいです」と話した。
現役早大生の朝井リョウのデビュー作となる同名作は、累計発行部数12万部を突破するという、新人作家としては異例のヒットを記録。制服を自由に着こなし男女交際にはしゃぐ「上」グループと、存在を消すことに必死になる「下」グループという教室の中のヒエラルキーの崩壊に主眼を置く。クラスの中心人物・桐島がバレー部を退部し、目に見えない“境界線”から一歩踏み出したことをきっかけに、クラス中に小さな動揺が起こり、波紋が広がっていく。
タイトルにもなっている桐島が不在のまま、物語は進行していく。原作は部活をキーワードに、さまざまな登場人物が絡み合うオムニバス小説だが、映画では前田と野球部の幽霊部員・菊池宏樹という本来交わるはずのないふたりに焦点を当てる。同日・同刻に起こる出来事を、ふたりを取り巻くさまざまな人物のアングルから、時空を交錯しながら描く。
メガホンをとる吉田監督は、長編デビュー作「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」が第60回カンヌ映画祭の批評家週間に正式招待される快挙を成し遂げたことで知られる。今作では神木、橋本愛、大後寿々花に対じさせる新たな才能を発掘すべく、600人以上が参加したワークショップを、約3カ月にわたり敢行。100倍を越える倍率の中から精鋭が選抜された。
プロデュースを手がける佐藤貴博(「GANTZ」)は、「学校の中では目立たない地味な存在である、神木くん演じる映画部の前田が踏み出す一歩が、出口の見えない状況にあえぐ若者たちに、ひと筋の光をさしてくれるはず」と語る。吉田監督の「若い俳優たちの野心にあおられながら、緊張感のある撮影を楽しんでいます」という短いコメントからも、白熱した現場の様子がうかがえる。
「桐島、部活やめるってよ」は、2012年に全国で公開。
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