池内博之、体当たりで本格カンフーに初挑戦「嘘くさいのがイヤだ」
2011年6月1日 18:41

[映画.com ニュース] 第28回香港アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「イップ・マン 序章」のDVDが、6月2日に発売される。ウィルソン・イップ監督がメガホンをとり、伝統武術・詠春拳の祖イップ・マンの生涯を描く。イップ・マン(ドニー・イェン)と死闘を繰り広げる三浦将軍役を演じた池内博之に話を聞いた。
柔道や殺陣(たて)を特技とする役どころに扮した池内だが、アクションシーンは同作で初挑戦となった。撮影の1カ月ほど前から、香港でカンフーの特訓を行った。アクション監督のサモ・ハン・キンポーの指導は、「リアルに見えるように、ワンカット、ワンカットちゃんとスレスレまでこだわった」と過酷をきわめたようだ。「例えばけりだったら、顔に当たるか当たらないかというところを細かくプレイバックして、(演技している部分が)ちょっとでも見えちゃうともう1回リテイクで撮っていくんです。だからものすごく時間がかかりましたね」と明かした。
「とにかく嘘くさいのがイヤだ」と断言する池内は、「『顔をけられるシーンで(顔に)当てていいですよ、本気でやってください』って言ったんです」と語った。
三浦将軍という役どころについては、「武道って自分が体を動かして練習をして、精神的な部分もきたえていくものだと思うんですよ。三浦はそういう武道というものが大好きで、だから詠春拳を作ったイップ・マンと出会って、刺激的を受けてひかれたんでしょうね」と述懐した。またイップ・マンが“ブルース・リーの唯一の師匠”とうたわれたことを受け、池内は「自分にとってのイップ・マンは蜷川幸雄さん。あの人と出会って、僕の中で俳優としての精神がわいてきたというか、火をつけてくれた“先生”っていう感じですね」と笑顔を見せた。

同作の撮影は香港で敢行されたが、言語の違いは問題にならなかったという。「この映画を通してモノを作っていく、いいものを作っていこうっていう意識がものすごくみんな高くて、共通していたんだと思います」と語り、「イップ・マンの根底にある貫き通す心や姿勢を見てほしいですね。言葉はつながらなくても通じる部分ってあると思うんです」と力強くアピールした。
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