西川美和監督、新作テーマは女性主人公の「結婚詐欺」
2011年2月20日 09:27
[映画.com ニュース] 「ゆれる」「ディア・ドクター」などで知られる西川美和監督が2月19日、ドキュメンタリー映画「YOYOCHU SEXと代々木忠の世界」が上映中の東京・渋谷アップリンクXで、同作の主役であるAV界の巨匠“ヨヨチュウ”こと代々木忠監督とトークショーを行った。
80年代初頭のAV黎(れい)明期から数多くのヒット作や問題作を世に送り出し、70代を迎えた現在も、精力的に新作を撮り続けている代々木監督を追ったドキュメンタリー。AV関係者、親交が深い落語家の笑福亭鶴瓶や漫画家の槇村さとるら著名人へのインタビューを交えながら、その波乱に満ちた人生と作品世界に迫る。田口トモロヲがナレーションを担当している。
西川監督は、鶴瓶から借りたAV作品をきっかけに“ヨヨチュウ”を初体験。「鶴瓶さんがぜひ見ろって薦めてくれて。たまにAVを見ては『これはお芝居だな』とか思っていたが、代々木監督の作品に出てくる女性は官能的で神々しかった。濡れた表情は見ているだけで感動したし、母性さえ感じた」と興奮気味に語った。一方、代々木監督は「ディア・ドクター」を絶賛。「思わず声を出してしまったシーンがある。いやあ、参りました。ラストの展開もうれしかったなあ」と称えた。
結婚詐欺を題材にした新作を準備中だという西川監督は、「自分のなかに男が住んでいるのか、今まで男のほうが(脚本が)書きやすかった。次は女性が主人公になる予定で、性は避けて通れないはず」。濡れ場シーンは代々木監督に指導してほしいといい「俳優としての魅力も感じます。ぜひ出演オファーしたい」と直談判。代々木監督も「結婚詐欺? 適役だな」とまんざらでもない様子だった。