竹野内豊、タイで決意の軍人役 40度ジャングルで汗まみれ
2010年6月29日 06:02

[映画.com ニュース] 竹野内豊の約3年ぶりとなる主演映画「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」(平山秀幸監督)の撮影現場がこのほど、タイ王国・ラヨンの海軍基地内で公開され、竹野内をはじめ共演の唐沢寿明、井上真央、山田孝之、岡田義徳、ベンガルが取材に応じた。
日米開戦70年特別企画として元米海兵隊員ドン・ジョーンズが発表した「タッポーチョ『敵ながら天晴』大場隊の勇戦512日」(絶版)を映画化。太平洋戦争の激戦地サイパン島で、わずか47人の兵力で米軍4万5000人を神出鬼没な戦略で翻ろうし、畏敬の念を込めて“フォックス”と呼ばれた実在の人物・大場栄大尉と、米軍側のハーマン・ルイス大尉、双方の視点で描く。
同作は、日本ユニットを平山監督、USユニットを「サイドウェイズ」のチェリン・グラック監督、VFXユニットを「陰陽師」や「西遊記」などの特撮監督で知られる尾上克郎の3人が分担。そして、編集段階で平山監督が統括する。ハリウッドでは珍しいことではないが、日米スタッフが第3国に結集し共同で製作するのは邦画史上前代未聞のこと。日本、アメリカ、タイ3カ国に及ぶスタッフ&キャストは総勢約470人という大所帯となり、現場は3ヶ国語が飛び交った。

竹野内は、5月20日のクランクイン直前に髪を約20センチほどバッサリと切り、ヒゲをたくわえた精かんな姿。「残った民間人、兵の数を正確につかんでくれ」。役づくりで体重を5キロしぼり、鋭い眼光から的確な指示をおくる姿は軍人そのものだ。「40度くらい? 身の危険を感じますね」と苦笑いを浮かべるが、視線の先にあるのは自ら演じる大場大尉の姿だった。
撮影前に2日間の軍事訓練を受け、大場大尉の墓前で手を合わせた。しかし、実在の人物を演じるうえで残された手がかりが数枚の写真のみとあって「何も分からない状態のまま、毎日手探りでやっています」と悩みが尽きない。それでも、大場大尉の次男との面会が大きなきっかけになったといい「野武士のような人だったというんです。口にするよりも行動で示す人。父と子の関係という部分について、自分の父と似ているところがある。僕も父とはほとんど口をきかなかったから」と真しに話す。
そんな竹野内を、事務所の先輩である唐沢は「ゼロからの覚悟だね、竹」と熱いまなざしで語りかける。両親を米兵に殺害され、家族のなか唯一生き残った役どころを演じる井上は「とにかく『怒り』をテーマに取り組んでいます」。軍曹役に臨む岡田も、「場所に酔わないようにしたい。自分がいい作品を撮っている気になる。一歩引いたところから見つめないと……」と見据えている。
キャストそれぞれが、歴史を語り継ぐことに大きな意義を感じ、突き動かされている。「日本人として過去にあったことを残す必要は絶対にあると思う。そういう作品に携われることに、とても大きな意味があると思います」と言葉を選んで静かに話す竹野内。クランクアップ予定は、7月下旬だ。
「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」は、11年2月から全国で公開。
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