菊地凛子がタバコ片手にバービー人形を爆破する「ブラザーズ・ブルーム」
2010年2月12日 16:50

[映画.com ニュース] 「バベル」(06)でアカデミー助演女優賞にノミネートされた菊地凛子のハリウッド出演作第2弾「ブラザーズ・ブルーム」は、ベルリン、モンテネグロ、プラハといった美しい都市を舞台に、詐欺師とカモの恋の駆け引きを描くクライムコメディだ。オスカー俳優のエイドリアン・ブロディとレイチェル・ワイズ、マーク・ラファロら豪華俳優陣と共演した菊地は、詐欺師兄弟を先導するミステリアスな爆破のプロ、バンバンを演じている。
監督は、デビュー作「BRICK ブリック」で脚光を浴びたライアン・ジョンソン。彼が「バベル」の菊地を見て、「ぜひ会いたい」と連絡をとってきたという。「初対面でライアンのオタクな風貌と情熱に魅力を感じて、一緒に仕事がしたいと思いました。ロケでいろんな場所に行けると聞き、それも楽しみでした」。菊地のセリフはほとんどないが、タバコ片手にバービー人形を爆破するなど存在感は抜群だ。映画の最後には暗がりのステージで英語の歌を披露している。「The Bandというアメリカ人にとっては懐かしいバンドの曲で、ライアンから『日本語で歌ってほしいから凛子が翻訳して歌って』と軽く言われて。そのまま単語を直訳したらメロディにのると思っていたらしく、『そんなわけないでしょ』って説明して英語で歌いたいと頼みました。ライアンはいつも面白いことに挑戦しようとしている人。思いやりがあって、私に対しても真剣に向き合ってくれる人でした」
外国人監督との仕事が多い菊地は、09年カンヌ国際映画祭コンペ部門に出品されたスペイン人イザベル・コイシェ監督のサスペンス「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トウキョウ」に主演。また、フランス在住のベトナム人監督トラン・アン・ユンが村上春樹のベストセラー小説を映画化する「ノルウェイの森」にも出演しており、こちらは今年公開予定だ。
「イザベルは先日ロスで会いましたが、次回作も東京を舞台にする構想のようです。トランの撮影はもう終わりました。すごく厳しい人で、『バベル』を経験していなかったらキツかったかも。海外の監督の作品に出演して鍛えられたなと思います。感情の昂ぶるシーンも30テイク以上撮るのは当たり前で、越えなければいけないハードルが高い。『ブラザーズ・ブルーム』で共演したレイチェルも言っていましたが、海外の役者さんたちは下積みのときにアクティングスクールでトレーニングして、きちんと演技の基礎を作っているんですよね。そういう地道な努力を経ているから、オスカーにたどりついたらトロフィーをもらってあんな風に感激するのも納得だなって。今回のようにすごい役者さんたちと共演して、その演技を間近で見ることができたのはとても刺激的でした」
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