「もののけ姫」米配給会社、親会社ディズニーによる大規模リストラへ
2009年10月6日 16:55
[映画.com ニュース] 1979年の創設以来、クエンティン・タランティーノ監督作など、良質な国内外の作品を世に送り出し、一時はインディペンデント映画の雄として隆盛を極めたミラマックス・フィルムスが、親会社のディズニーによる大規模なリストラに直面している。同社は「もののけ姫」や「Shall We ダンス?」の北米配給も手がけた。
ディズニーは、ミラマックスの映画関連業務を統合することを発表。これにより、ロサンゼルスとニューヨークのオフィスで働く従業員80人のうち、60人が解雇され、年間公開本数も、これまでの8本から3本に縮小される予定だ。 すでに数週間前には、ウェストハリウッドのオフィスが閉鎖されている。
同社は、90年代半ばのアメリカにおけるインディペンデント映画ブームを先導し、アカデミー作品賞に輝いた「イングリッシュ・ペイシェント」(96)、「恋におちたシェイクスピア」(98)、「シカゴ」(02)などを製作、配給してきたが、00年以降は、多くのインディペンデント系映画会社が台頭し、独自性が失われてきた。また、賞狙いの作品づくりとマーケティングが批判の対象にもなった。
そして05年、親会社であるディズニーとの意見の相違から創業者であるハーベイ&ボブ・ワインスタイン兄弟が退社。以降、「クィーン」「ノーカントリー」「ダウト」といったオスカー関連作を手がけてきたが、08年頃より、観客の趣向の変化、世界的な不況、ディズニーによる方針のぐらつきなどから、業績が悪化していた。
ディズニー作品の業績も不振で、9月18日には、38年間にわたって同スタジオに君臨してきたチェアマンのディック・クックが突然解任され、これに代わって5日、ディズニー・チャンネル・ワールドワイドのリッチ・ロス社長が、新チェアマンに就任した。今回のミラマックス縮小は、ディズニーによる映画部門の改革の一環として行われる。