西川美和監督の「ディア・ドクター」原案小説が直木賞候補に!
2009年7月3日 12:00

[映画.com ニュース] 7月2日に日本文学振興会主催の第141回(平成21年度上半期)芥川賞と直木賞の候補作が発表され、6月27日に公開された西川美和監督(34)の映画「ディア・ドクター」(笑福亭鶴瓶主演)の原案小説で、西川自身のペンとなる「きのうの神さま」(ポプラ社刊)が直木賞にノミネートされた。
前作「ゆれる」の小説版でも三島由紀夫賞(新潮社主催)の候補作になった西川監督の候補作は、映画版「ディア・ドクター」のアナザーストーリーとも言えるオリジナルの書き下ろし小説で、映画同様に日常に潜む人間の本性の闇の部分を見つめている。
西川監督は今回のノミネートに関して、「今回『ディア・ドクター』という映画を作るにあたり、へき地医療の在り方や、そこで働くお医者様はどういう悩みを抱え生きているのか、という取材を柱としました。2時間という映画の中では表現しきれなかったところを記録したかったというのが、この小説の成り立ちです。映画を見てくださった方には、登場人物のバックグラウンドをデザートのように楽しんでいただくことも出来ると思います。ノミネートをしていただいたということだけで光栄です。それに恥じないようにこれからも書いていきたいと思います」とコメント。
彼女のライバルとなる他の直木賞候補作は、北村薫「鷺と雪」、貫井徳郎「乱反射」、葉室麟「秋月記」、万城目学「プリンセス・トヨトミ」、道尾秀介「鬼の跫音(おしあと)」。
一方の芥川賞では、テヘラン生まれのイラン人女性で神戸大学工学部卒で同大学院を修了しているシリン・ネザマフィ(29)の、イラン・イラク戦争時のイランの田舎町を舞台に淡い恋心をいだく高校生の男女を描く「白い手紙」や、岸田國士戯曲賞を受賞している劇作家・演出家の本谷有希子(29)の「あの子の考えることは変」が選ばれた。
映画界・演劇界の才能が名を連ねた、第141回芥川賞・直木賞選考の結果発表は7月15日に行われる。
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