「バンク・ジョブ」ロナルドソン監督の次作は実在のモナリザ強奪事件
2009年5月1日 12:00

[映画.com ニュース] 米バラエティ誌によると、前作「バンク・ジョブ」で1971年のロンドンのロイズ銀行の貸金庫強奪事件を描いたロジャー・ドナルドソン監督が、今度は1911年にパリのルーブル美術館から盗まれた名画「モナリザ」の盗難事件を描く新作に挑戦するという。作家シーモア・ライトのノンフィクション小説「モナ・リザが盗まれた日」(中公文庫刊)を映画化するプロジェクトだ。
「モナリザ」は、レオナルド・ダ・ビンチが16世紀初頭に描いた世界で最も有名な肖像画で、その油絵はナポレオン時代以後、ルーブル美術館に安置されていたが、1911年8月22日、防護ガラスのケースに収められたまま何者かに盗まれて行方不明になった。詩人のアポリネールや画家のピカソが容疑者として一時は逮捕されるなど大騒動となったが、その後全員が釈放。事件から2年後の1913年12月12日に、ルーブルにガラスケースを設置したイタリア人大工ビンチェンツォ・ペルージャがフィレンツェの画商に売りさばこうとしているところを逮捕された。原作小説は、「イタリアに『モナリザ』を奪還しようとした」と語った犯人ペルージャの視線から、その盗難事件の顛末を描いている。ちなみに、「モナリザ」はイタリアで巡回公開されたのち、第2次大戦中にルーブルに戻っている。
古くは「追いつめられて」(87)のケビン・コスナー、「カクテル」(88)のトム・クルーズ、最近でも「リクルート」(03)のアル・パチーノ&コリン・ファレル、「世界最速のインディアン」(05)のアンソニー・ホプキンス、「バンク・ジョブ」(08)のジェイソン・ステイサムと、魅力的な男性主人公を描き続けてきた名匠ドナルドソン監督がどんな犯人像を描くか、興味はつきない。
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