北野武監督、大ヒット宣言!長編14作目「アキレスと亀」今秋公開
2008年4月11日 12:00
北野監督の14作目の長編となる本作は、売れない画家の真知寿(マチス=ビートたけし)のかなわぬ夢に立ち向かう苦悩や、画家を陰から支える妻(樋口可南子)の夫婦愛を描く、監督曰く「芸術を最高だと信じた男の悲劇」。
新作が発表されるたびに、海外からも熱い注目を浴びる“世界のキタノ”だが、ベネチア国際映画祭で監督賞を受賞した「座頭市」(03)は興行収入28.5億円の大ヒットを飛ばしたものの、その後、売れっ子タレントと売れない役者の葛藤を描いた「TAKESHIS'」(05)、映画監督としての自身への批判も込めた「監督・ばんざい!」(06)の2作連続して国内興行成績は芳しくない。
ギリシャ神話にある「足の速いアキレスも、前を歩くカメには追いつかない」という逆説からタイトルを取った「アキレスと亀」は、前2作に続き芸術家としての自身を投影した“3部作の完結編”だが、監督・脚本・主演を務める北野は、「前2回は、無茶な作品をやってプロデューサーに怒られたので、プロデューサーからそろそろ客の入るのも作れと言われた。遊んでばかりいられないので、今回は当たる映画を真面目にやっている」と“3度目の正直”を狙う意気込み。監督自身が描いた70点以上の絵画が登場するのも話題で、「前の2作品は、だんだんスタッフが話しかけてくれなくなったけど、今回はみんな来てくれるから面白いものに仕上がってると思う」と、自信をのぞかせた。
共演は妻役の樋口可南子のほか、夫婦の若き日を演じる麻生久美子と柳憂怜(柳ユーレイから改名)ら。会見に同席した樋口は、「いろいろな格好をさせられ恥ずかしくもあり嬉しくもあり。武さんに言われたことは全部やります。ついていきます」と、役柄同様に北野を支える決意表明。2月10日からクランクインした同作は、間もなく4月中旬にクランクアップを迎え、今秋公開。9月のベネチア国際映画祭出品も有力視され、「必然的に行くことになるだろう」と語る北野監督は「今回は日本で(たくさんの人が)見てくれるとありがたい」と国内での大ヒットを目指している。