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パトリス・ルコント監督またまた来日

2003年1月14日 12:00

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お茶目にポスターで戯れてみる監督
お茶目にポスターで戯れてみる監督
昨年12月、最新作「歓楽通り」のプロモーションのために来日したばかりのパトリス・ルコント監督が再来日。1月8日、東京・恵比寿のウェスティン・ホテルにて記者会見を行った。
本作は、第2次大戦後のパリの売春宿が舞台。主人公のプチ・ルイは、ミステリアスな娼婦マリオンに一途に恋をする。「この映画はプチ・ルイの視点で描かれる。だからプチ・ルイの知らないことは一切出てこない。人が恋に落ちるとき、その人の過去をすべて知ってから恋するわけじゃないよね。だからマリオンの生い立ちなんて、知る必要がないんだよ」。そのマリオンを演じたレティシア・カスタは、娼婦でありながらも母のような柔らかさが印象深いが、撮影時は実際に妊娠していたのだとか。「僕の映画では、どういうわけかよく女優が妊娠するんだ。バネッサ・パラディジュリエット・ビノシュも撮影中に妊娠した。父親は私じゃないがね(笑)」。「髪結いの亭主」や「仕立て屋の恋」に代表されるように、ルコント監督作品では男性から女性への無償の愛が描かれることが多い。「男性からの一方的な愛情にとても魅力を感じるんだ。こういう愛の形は、とても神秘的かつ古典的だ。『シラノ・ド・ベルジュラック』なんかがそう。ロクサーヌは決して彼に振り向かない」。見返りを求めないがゆえに、その愛が成就しないこともしばしばだが、これはあくまで映画の世界。ルコント監督にとっての理想の愛の形ではない。「一方通行の愛なんて、現実世界では耐え難い苦痛だ。映画というのは、現実で感じられるさまざまな感情をより強調して描くもの。現実ではあり得ないことを描けるから魅力的なんだ」。「歓楽通り」は今春、シネマライズほかにて公開予定。

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