ナポレオンのレビュー・感想・評価
全368件中、121~140件目を表示
歴史は思い出した
ナポレオンとジョセフィーヌ以外はあまり顔が見えないわりにふたりの関係が魅力的でもなくて。心の機微も手紙で解説されてしまう。
ジョセフィーヌはマルティニークの出身だったんだ。ヨーロッパとカリブ育ちではずいぶん違ったんじゃないかな。
戦争シーンは面白かった。割れた氷に落ちる人と馬、四角の陣形、大砲の使い方など。ナポレオンは戦術に長けてたんだなあ。
プロイセンが着くか着かないか?の部分はもっとヒリヒリさせるところなんじゃないのかな?あまり緊張感を感じなかった。斥候兵や信号を送り合うところは興味深かった。
やっぱり私は名もなき兵士たちのことが気になるので、為政者のことはそんなに興味ないや。前線に行かされる人たちはたまったもんじゃない。逃げたら恥ずかしいという同調圧力を利用するのだろうか。
このころから国民意識というものが生まれつつあったのかな?と思うなど。国軍などはないわけだし。それにしても各国の思惑は目まぐるしい。
リドリースコットにしては大雑把な作風。
音楽も取ってつけたように流れて雑だ。
首を掲げたり馬の内臓が出たり、最近こういうの多いのはなんでだろう?映画がどんどん残酷になっている気がして、生きるのはつらいんだから映画では夢を見たいのにな。残酷さがリアルなのだろうか。
夫が連行される時に手をバタバタさせてたおばさんが面白かった。
こんな人物だったかも
ワーテルローの戦いのシーンのようなスケールの描写は映画館で観て聴いて楽しいですね。
人物としてのナポレオンも俳優の確かさで魅力的でした。
でもあれだけの偉業を残し、ドラマチックな人生を送った人物の描き方としては少しもの足りなさを覚えました。愛に生きたかもしれませんが、とはいえダークな面や狡さや残忍さは凡人以上に備わっていたのではないかと想像してしまいます。
ということで、確かに愛に生きた人物だったかもしれないけど、きっとこのような人であっただろうと納得することはなく、難しいとは思うものの、厚みのある人物描写が欲しかったとの感想が残りました。
良くも悪くも「ハリウッド」!
歴史的英雄の伝記映画もハリウッドにかかればラヴ・ロマンスになってしまうのか!硬派な歴史大作を期待するときっと肩透かし。ハリウッド映画を観に行くつもりで鑑賞して下さい。そしたら、一定の満足感は得られるはず。 勿体ないなと思うのは、Appleが制作に関わってるのなら、いっその事ドラマ・シリーズとして作ればよかったのに、って事。 そうすると、もっと彫りの深いナポレオン像を描けたはず。どだい、ナポレオンの様な人物の伝記を1本の映画で完結させるのは無理がある。中途半端な凡作になっちゃった、かなぁ、、、、。
大赤字の映画になるのではと予測します
とにかく、金と人と時間がかかっている。私は世界史の勉強だと思って鑑賞した。たまたま、トルストイの小説「戦争と平和」を読んでいて、ちょうど良いタイミングであった。
ナポレオンはいっときヨーロッパ大陸の征服者となるが、映画ではその野心を持つに至った背景が十分描かれていない。たまたま、運に恵まれただけのようにみえてしまう。軍事的天才ならならそれに相応しい内容にしてほしい。
当時の戦闘の仕方が面白かった。歩兵はなぜ隊列を組んで前進するのか。格好の銃の標的になるのにと思えて仕方がない。日本でも時代によっては、こんな戦をしていたのだろうか。
ジョセフィーヌを演じた女優さんが魅力的だった。ナポレオンにとって、彼女は勝利をもたらす女神だった。彼女と別れることで、戦の神様から疎まれることとなった。多分監督はそう言いたかったのではないか。残念ながら充分描かれていない。着衣したままで性交するのは笑える。それも後背位のみ。ナポレオンの好みだったのか。子供が見ると配慮してそうしたのかな。とにかく、長い。鑑賞前に必ずトイレに行くこと。
愛妻家の皇帝
3時間では人生を描くのは難しい
野心の行き着く先
歴史を振り返ると、これはもう天に導かれたとしか考えられないような数奇な運命を辿った人物がいかに多いことか。
ナポレオン・ボナパルトもそんな運命に翻弄された人物の一人だ。
「愚策とは、戦いにおいて最も臆病な策である」とはナポレオンの名言だが、どちらかといえばこの映画では彼はとても神経質で臆病な人間として描かれている。
彼は決して屈強な戦士ではない。
だからこそ彼はとても忍耐強く慎重に戦略を立てる。
優れた戦略家であり、そしてとても野心的だったナポレオン。
武勲を挙げ、クーデターを起こし、ついにはフランスの皇帝の座にまで上り詰めた男。
この映画では彼の功績よりも、彼自身の人間性にとてもフォーカスが当てられていると感じた。
特に彼の持つ幼児性に興味をそそられた。
愛妻ジョゼフィーヌが隠れて浮気をしていることを知った時、彼は任務を放棄して彼女のもとに駆けつける。
そして許しを請う彼女に対して、「私がいなければお前はただの女だ。私のことが世界の何よりも大切であると証明しろ」と迫る。
しかしジョゼフィーヌがいなければ生きていけないのはナポレオンの方だ。
ナポレオンは彼女に妻としてだけでなく、母としての役割も求めているようだ。
逆にジョゼフィーヌに「私がいなければあなたはただの男だ」と丸め込まれてしまうナポレオンの姿が何だか哀れだ。
繊細で嫉妬深く、そして野心を捨てられなかった男。
ジョゼフィーヌが自分の子を産めないことを知った彼は、最終的に国のためと称して彼女に離縁を突きつける。
彼が彼女を心から愛していたことに嘘はないだろう。
しかし彼は最終的に野心を選んだ。
国家への忠誠を超えた野心はやがて身を滅ぼす。
これまでは戦略家として数々の成功を収めてきた彼だが、冬のロシア遠征でついに大敗を喫する。
さらっと描かれているが、46万人もの戦死者を出したナポレオンの作戦は愚策にも程がある。
この大敗により彼はエルバ島へ送られる。
数々の名言を残したナポレオンだが、この映画の中では彼の英雄的な姿はほとんど見られない。
肖像画に描かれるような凛々しく、悠然としたヒーローの面影はない。
むしろ野心によって身を滅ぼした愚かな男の印象が強い。
エルバ島から脱出し、かつての名声を取り戻そうとするナポレオンだが、先にはより孤独で惨めな人生が待っているだけだった。
負け戦であるワーテルローの戦いがクライマックスとしてダイナミックに描写されているのも印象的だった。
最後はセントヘレナに流され、孤独な老後を送る。
最期に病気により先立ったジョゼフィーヌのもとに迎え入れられるのが、彼にとっての救いなのかもしれない。
これはナポレオンとジョゼフィーヌの物語でもあり、共依存とも取れるような二人の奇妙な関係がとても印象的だった。
予告出来過ぎ
夫婦の年齢がいささか違うので・・・
300億円をかけた巨匠リドリー・スコット監督の「ナポレオン」。ワーテルローの戦いをはじめエキストラ8000人という戦闘シーンなどを観ると、お金がかかってるのが納得の迫力だった。なんとか大スクリーンでやっている間に行けて良かったと思う。でもまあ評価は★3.5くらいかなあ。作品として、いささか面白みには欠けるところがある。
妻ジョゼフィーヌ役のバネッサ・カービーが魅力的だったけど、ナポレオンとジョゼフィーヌは実年齢が7つ歳上女房。本作ではナポレオン役のホアキン・フェニックスがバネッサ・カービーより15歳も歳上なので、そこにはちょっと違和感も残った。妻ジョゼフィーヌとの関係が本作の主眼なだけに、残念かも。
なにより、冒頭、マリーアントワネットのギロチンで始まる本作は、ちょっと前に観た北野武監督作品の「首」を想起させた。しかも、織田信長・本能寺の変をタケシ流に描いた「首」は、なんとなく、英雄ナポレオンの一代をスコット監督風に切り取った感が一緒で、似てると言えば似てる映画といえるかもしれない。
最後、「首」では秀吉が光秀の首を蹴っ飛ばして終わったが、「ナポレオン」ではフランス皇帝を首になって終わる…そこも共通するので、ちょっと笑ってしまった。まあ、そこの笑いは私だけかもしれないけど・・・。
長いけど見応えがあった
自分のナポレオンへの興味は私生活だったので、(全て史実かどうかは別として)ジェゼフィーヌとの関係性が少し垣間見れたので大変面白く観れた。
ジョゼフィーヌは当時軍のトップだったナポレオンに対しても決して畏れず、関心も薄く、むしろ下に見ており(高身長なので物理的にも)、強気で毅然とした態度を取り続け、 浮気がバレ屈服したかと思ったら再度貴方には自分が必要だろとしっかりとマウントを取る。
2人の子持ちで(実際は)6才も年上の浮気性だが、マザコンの?ナポレオンにとっては相当魅力的な女性に映ったのだろう。
ナポレオンはセントヘレナ島へ幽閉後に数年で胃癌で亡くなったとされているが、いまだに暗殺説があるのでその辺りにも少し踏み込んで見せてくれても良かったのではと思った。
セントヘレナでも常にあの格好でいたようだが、皇帝としてのプライドを忘れなかったのだろう。
余談だが、あの帽子を見るとどうしても早野凡平さんを思いしてしまうのは世代だからだろうか。本当に余談でしたー。
よう分からん
改めて歴史を勉強
ナポレオンって言えば、トラファルガー沖の海戦とワーテルローの戦いしか思いつかなかった。ってかどちらにせよ敗戦じゃんというのとまた姉さん女房の旦那といった感じでしたね。
映画を見て改めてナポレオンの戦いを知り学習しました。大勝をおさめたトゥーロンの戦いで評価されてからのアウステルリッツの戦いは圧巻とも言うべき内容でした。これも恥ずかしい限りで知りませんでした。
ジョゼフィーヌとの関係については実際はジョゼフィーヌは恋多き女性で悪女とも言われるほど実は愛人が多く嫉妬にかられエジプト遠征から帰ってきたのじゃなく勝ち目がないと見て帰ってきたのが正解なのでは、映画ではジョゼフィーヌが亡くなるまでナポレオンは最後まで愛を注いだとあるが本当に愛があるならば子孫を残したい理由のために追い出しながらも関係は続けていたのだろうか。そこが美化しているように思えた。
やりたいことが溢れちゃってる感じ
ドラマで10時間とかにしてじっくり見たい作品だったかな。
ロシアやイギリスがどう考えてたのかとか、人物の紹介をしてくれたりすると良かったかな。
大砲水平発射とか、ほんとなの??
音楽が少し単調だったので、少し残念でした。
まあ、2時間半、詰め込んでたので、面白かったけど、溢れたなぁという感じ。
編集し直して、5時間くらいの完全版を期待します。笑
余談ですが、本当にこの映画の戦闘だったとしたら、1600年までに騎馬と大量の鉄砲、大筒なんかもあった日本って、ある意味凄い国だったんだなぁと。
ジョゼフィーヌ
戦争で300万人の犠牲者を出し、16歳で士官、24歳で将軍、35歳で皇帝になったナポレオン。
その裏には愛するジョゼフィーヌの存在。
戦場から1日4回のラヴレター。余りに愛し過ぎて
心配だったのだろう。
戦争での闘いは長い。愛に飢えた渇いた瞳で闘わなければならない。その描写を上手く表していた。
氷上合戦は見応えあった。迫力満載。
エキストラの数も壮大過ぎる。
そりゃこの映画を撮りたくてもやれなかった
理由も分かる。
ノートルダム大聖堂の載冠式は印象的。
月桂冠をかぶったナポレオンがジョゼフィーヌに
冠をかぶせるシーンは良かった。
あと、砲声をバックに子供をあやすシーンも
象徴的。
三兵戦術もあみだした知将ナポレオンだったが
教育システム、税制改革、産業復興、銀行創設
フランス民法典の功績を残した英雄。自由、平等、博愛をヨーロッパに広めた。
日本もフランス民法を参考にしてる部分もあるよね。
英雄の光と闇。カリスマが島で生まれ、島で
最後を過ごす。
あえて凡庸な一人として描かれたナポレオンの人間味を感じた映画でした。
Apple TVで4時間の完全版が観れるか⁉️
「オデッセイ」や「ゲティ家の身代金」でリドリー・スコット監督はその力量を使い果たしたのではないか⁉️最近の作品を観てそう思わされることが多い‼️今回の「ナポレオン」も18世紀後半から19世紀初めの世界観や美術はホント素晴らしいと思う‼️さすがリドリー・スコット監督、実は「エイリアン」や「ブレードランナー」、「ブラック・レイン」といった傑作群の中で際立ってたのはその世界観なんですよね‼️もちろんストーリーも素晴らしいという前提ですが‼️冒頭のマリー・アントワネットのギロチンシーンは衝撃的‼️馴染みのある人物なだけに‼️今回のホアキン・フェニックスのナポレオン‼️キャッチコピーは「英雄か悪魔か」‼️ただナポレオンという男のキャラ描写としては、軍人としても英雄としてもイマイチ。悪魔としても、その狂気を観ている我々に実感させるには至っていない‼️ホアキン頑張ってはいるんですが。ジョセフィーヌ役バネッサ・カービーとの愛憎劇も、それぞれ相手に対する愛情や独占欲というものが伝わらず、イマイチ二人の本当の気持ちがストレートに伝わりにくいし、分からない‼️ただ戦闘シーンは見事で、特に終盤のワーテルローの戦いは凄まじい迫力でした‼️大砲で兵が吹っ飛ぶシーンはあまり観たことがない‼️フランスが降伏してあっさり終了したのは拍子抜けでしたが・・・。
予習して脳内補完してください
ナポレオン本人ないし、この辺のヨーロッパ史に詳しくなければ、事前にwikiかYouTubeの解説動画あたりでサクッと予習して鑑賞に臨むのが必須でしょう。
フランス革命からセントヘレナ流島までを2時間半で駆け抜けるんで「皆さんもうよくご存知でしょう」とばかり説明的シーンなしにどんどん話が進みます。年末にやる大河ドラマのダイジェスト版をさらに煮詰めて濃縮したようなもんです。
H.フェニックスはナポレオンのイメージ通りですが、いかんせん、おっさんくさい。若くして皇帝まで成り上がった男ですからもっと若くてギラギラした役者が良かったかな。
絵はどこもカッコよくて、戦闘シーンはたっぷり予算かけて撮ってるんでスケールと迫力は文句なしです。配信じゃあの音と迫力はあじわえないんで、劇場で、かつ、できるだけ大きいスクリーンで観る作品です。
後半のみネタバレ(?)考察があります
当然と言えば当然なのですが、人の一生を描いている作品なので、あまりこう…起承転結が薄く、盛り上がるポイントがあまりわかりませんでした。
恐らく私自身の世界史(特にナポレオン生存期間)に対する造詣が浅いこともあり、たまにどこの国の誰やねんとなりがちだったのが結構つらかったです。
ジョセフィーヌが終始かっちょ良くて好きでした。カッケー女はサイコーだぜ。
ナポレオンがマザコンの陰キャ童貞コミュ障みたいに見える瞬間がありました。(ごめんなさい)まあでも、だからこそ、ジョセフィーヌみたいな子が好きなんだろうなあとも。
ポスターとか予告とかの期待値がめちゃくちゃ高かったので、本編が結構なだらかに進んでいって終わったので⭐︎3で…。
ポスターか何かにあった「英雄か悪魔か」ですが、観終わった感想としては「人」でしたね。ヒトは英雄に祭り上げられることはあってもヒトだし、悪魔に唆されることはあってもヒトです。結局のところ、ヒトでしかないなあという感想でした。
ここからちょっとネタバレになってしまうかもしれない……とはいえ史実がベースなのでネタバレというのも変な話ですがご注意下さい。
ジョセフィーヌには三人の子供がいるわけですし、身籠っていたから死刑を免れているわけですから、ナポレオンが無精子症だったのかなと思います。もちろん、大英雄皇帝様が子供を成せないわけにはいかなかったでしょうから、途中出てきた18歳の女性はママの差金で色んな男と夜を共にしたんだろうなあと…ママはジョセフィーヌのこと好きじゃなさそうでしたもんね…
あとナポレオンが子供をジョセフィーヌのとこに連れてった所はどんな神経してるんや?とドン引きしました…湖に投げられなくて良かったね…
英国版ナポレオン
海外レビューでは英語(アメリカ南部の強いアクセント)を喋るナポレオン、史実と違う、こんなのナポレオンじゃない、反フランス的だ、と酷評の嵐。
リドリー・スコット監督は「そんなの知るか!」と切り捨てていて、御年86歳になる英国映画界の巨匠は相変わらずで安心しました。
本作は序盤のトゥーロン攻防戦で、ナポレオンが勇ましく騎乗しさぁ出陣だ!というところで敵の砲弾が馬に直撃し出鼻を挫かれる。まさに絵画のようにカッコいいナポレオンの姿が観られるかと思った瞬間の裏切りは、「この映画ではカッコいいナポレオンなんて描かないぜ」という監督の宣言を表しているかのよう。
貴族階級でも何でもない軍人ナポレオンが皇帝になりヨーロッパ全土を統一しようという過程を描く本作は、
偶然なのか商人の身分から天下統一を果たすに至る羽柴秀吉(豊臣秀吉)を描いた北野武監督「首」にも通じるところがあると感じている。
両監督の歴史や人間に対するスタンスも共通するものがあると思っている、人間なんて所詮こんなもん、歴史なんて幾らでも誇張され改変され、史実に忠実かなんてどうでもいい、このドライで冷徹な視点が私は大好きで、国内最高峰の映像を撮ることが出来るスタッフ(軍隊)を従える両者はまさにナポレオン、豊臣秀吉のようだ。
映画「ナポレオン」は本国フランスでの映画化やミュージカル、ワーテルローでの闘いを描いたセルゲイ・ボンダルチュクによる「ワーテルロー」などがあるが、ハリウッド映画の決定版としてはスタンリー・キューブリックが脚本まで書いていた幻の「ナポレオン」(のちに「バリー・リンドン」として映画化する」があるがこれは現在スティーブン・スピルバーグによるミニドラマシリーズが企画されているとのこと。
本作はその絵画的な構図と、突き放した人間描写などキューブリック版「ナポレオン(バリー・リンドン)」からの影響も多く見られるが、ジョゼフィーヌとの愛憎劇という描き方がメインとなっている。
ジョゼフィーヌの愛を勝ち取るために皇帝に登り詰めるが、愛は得られない。後半は立場が逆転しジョゼフィーヌの方がナポレオンへ依存していくが、ナポレオンは離れていく。リドリー・スコット監督による愛のすれ違い映画だ。
本作で描かれるナポレオンは「最後の決闘裁判」で描かれた滑稽な男達の姿そのものであり、ナポレオンは自らの権威を象徴する冠・帽子を絶対に手離さない。
ワーテルローの闘いでそんな彼の"男"の象徴である帽子にポッカリと穴が開く描写など、敗北の表現が皮肉たっぷりで好きだ。
アカデミー衣装デザイン賞の受賞はほぼ確実か。戴冠式の絵画的な表現と豪華な衣装の数々は圧巻だった。
ただし、今のリドリー・スコット監督に愛憎劇は少し退屈かな。終始眠そうな顔をしているホアキン・フェニックス(実際に居眠り描写あるし笑)を観ているとこっちまで眠くなっている。
全368件中、121~140件目を表示