ふたりのマエストロ

劇場公開日:2023年8月18日

ふたりのマエストロ

解説・あらすじ

指揮者の父子が最悪の依頼間違いをきっかけに互いの心と向きあう姿をつづったフランス製ヒューマンドラマ。

パリの華やかなクラシック界でそれぞれ指揮者として活躍する父フランソワと息子ドニ。ある日フランソワのもとに、世界最高峰のミラノ・スカラ座の音楽監督への就任を依頼する電話が掛かってくる。ドニはライバルでもある父の成功を素直に喜べずにいたが、翌日、今度はドニがスカラ座総裁から呼び出しを受ける。実は就任を依頼されたのはドニで、父フランソワへの連絡は誤りだったのだ。父に真実を伝えなければならず葛藤するドニだったが……。

カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされたイスラエル映画「フットノート」の設定を変えてリメイク。「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」のイバン・アタルが息子ドニ、「巴里の恋愛協奏曲」のピエール・アルディティが父フランソワを演じ、「読書する女」のミュウ=ミュウが共演。俳優としても活動するブリュノ・シッシュが監督を務めた。

2022年製作/88分/PG12/フランス
原題または英題:La Scala
配給:ギャガ
劇場公開日:2023年8月18日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14

(C)2022 VENDOME FILMS - ORANGE STUDIO - APOLLO FILMS

映画レビュー

3.0 父子という最も身近な理解者であり、ライバルでもあるふたり

2023年8月27日
PCから投稿

父子そろって人気と実力を兼ね備えたオーケストラ指揮者という特殊な立場のふたりを描きつつ、そのストーリーの基本軸は父子モノならではのシンプルな流れによって貫かれている。クラシック音楽好きにはこの設定、キャラクター造形、それに観客によって埋め尽くされた劇場の臨場感など、たまらないものが多いのではないだろうか。本作はイスラエル映画『フットノート』のリメイクにあたるが、実のところ設定は全く違っていて、よくもまあ、こうしてクラシック音楽の世界に応用したものだと、その脚色力には感心させられる。一方、物語の要である”人違い”は、コメディの典型として本来ならクスクス笑いすらこみ上げる部分だろうが、父役のアルディティのうまさゆえか、ちょっと気の毒になってしまうほど人間味と哀愁が浸み出している。結局のところ、二人は親子として、音楽家として分かり合えたのかどうか。落とし所に納得できるかどうかも評価が分かれそう。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
牛津厚信

3.5 宗教学者親子のドラマを大胆にリメイク。クラシック入門的な楽しさは〇

2023年8月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

幸せ

2011年のイスラエル映画「フットノート」は、ユダヤ教の聖典タルムードを専門とするライバル研究者の父と息子(共に大学教授でもある)が、名誉ある賞の受賞の通知ミスを巡り、もともと不仲だった関係がさらに面倒なことになって……というあらすじ。題名は論文や研究書の“脚注”を意味し、宗教学研究の文章表現が物語の鍵になるなど、かなりアカデミックな要素を含む原作だ。これをフランスでリメイクするにあたり、父子の職業をクラシックの指揮者に置き換え、ミラノ・スカラ座音楽監督就任の依頼電話が間違って父にかかったことから巻き起こる騒動に変えることで、名曲の数々とともに気軽に楽しめるエンタメ映画に仕上がった。

原作映画の方はカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞するなど、親子の確執や心の機微を伝える台詞のやり取りや賞選考と発表をめぐる物語構成が高評価されたが、フランス版リメイクは娯楽要素を重視するあまり、オリジナルにあった細やかな配慮がかなり損なわれた印象だ。一例を挙げると、イスラエル版では本来受賞するはずの息子がなんとか父に賞を獲ってもらおうと裏で尽力するのだが、本作では息子ドニがスカラ座の音楽監督の依頼が本当は自分に来たという真相を父フランソワになかなか打ち明けられないくらいで、どちらかと言えば恋人のバイオリニストをミラノに連れていくかどうかの悩みの方が深刻そうに映る。宗教学より音楽、学問研究より恋愛という具合に、大衆が好むわかりやすい要素に改変したのもフランスのお国柄か。

相対的に深みの足りない脚本にはなったものの、劇中で演奏される音楽は、ベートーヴェンの「交響曲第9番」やモーツァルトの「フィガロの結婚 序曲」をはじめ、耳馴染みのあるポピュラーな曲をかなり長めの尺でしっかり聴かせてくれるので、クラシック好きなら演奏場面だけでも相当楽しめそう。個人的には、女性歌手(フランス人メゾソプラノ歌手のJulie-Anne Moutongo-Black)の独唱つきで演奏されるモーツァルトの「ラウダーテ・ドミヌム」が美しくて聴き惚れた。ネットで歌詞を調べたら「父と子と聖霊に栄光あれ」という一節を含むようで、父と息子の物語にかけた選曲なのかもしれない。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
高森郁哉

2.0 面倒な親子関係ドラマ

2025年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
odeoonza

1.0 結末が…

2025年10月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
カメレオン