オールドマン

劇場公開日:2023年7月17日

オールドマン

解説・あらすじ

「ドント・ブリーズ」のスティーブン・ラングが狂気の隠居老人を熱演したスリラー。

森の奥深くで迷ったハイカーの青年が、一軒の山小屋にたどり着く。青年はそこに住む老人に助けを求めるが、老人は青年を殺人鬼かもしれないと疑い猟銃を突きつけてくる。やがて2人は打ち解け始めたかのように思えたが……。

監督は「オール・チアリーダーズ・ダイ」「ザ・ウーマン」のラッキー・マッキー。新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2023/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2023」(23年7月14日~8月10日、新宿シネマカリテ)上映作品。

2022年製作/97分/G/アメリカ
原題または英題:Old Man
配給:「OLD MAN」上映委員会
劇場公開日:2023年7月17日

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映画レビュー

5.0 普遍的テーマ

2026年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画『オールドマン』をめぐるエッセイ
目覚め続ける老人について

人間の恐ろしさは、怪物や暴力の中にではなく、自分自身の内側に潜む狂気を直視した瞬間に現れるのではないだろうか。映画『オールドマン』は、その狂気がどのようにして日常となり、思考の習慣として固定されていくのかを、静かに、しかし執拗に描いている作品だ。

「人をとことん疑うことを、昔学んだ」——老人のこの言葉は、彼の過去を説明するための台詞ではない。それは彼を現在地へと引き戻し、同時にその場から一歩も動けなくしてしまう呪文のように響く。その疑いの力はあまりにも強く、他者だけでなく、ついには自分自身にまで向けられてしまったのだろう。

老人の一日は、目覚めとともに幻想が始まることから始まる。同じ独り言、同じ問い、同じ反復。その循環は次第にエスカレートし、やがて彼自身が目を背け続けてきた「真実」の輪郭に触れていく。

ここで重要なのが「ラスカル」という存在だ。ラスカルとはいったい何者なのか。彼は外から侵入してくる異物ではない。むしろ老人の内部に、かろうじて残された正義、あるいは人間性の痕跡なのではないかと思える。老人が毎朝、起きてすぐにラスカルを探し始めるのは、眠りとともに失われてしまう人間性を、本能的に取り戻そうとする行為の裏返しなのだ。

山小屋を訪ねてくるジョーもまた、単なる訪問者ではない。彼の顔はおそらく、罪を犯す以前のジョー自身だろう。老人はジョーに何度も問いかける。「どうやってここに来た?」と。この言葉は一見すると訪問者への疑念だが、実際には老人自身に向けられた問いのように感じられる。なぜ自分はここにいるのか。なぜここから出られないのか。その答えを、彼は知っている。しかし知ってしまえば、ループは終わってしまう。

物語の終盤、怪しいと感じていたテーブルの中へ入っていく場面で、山小屋はかつての自宅と重なり合う。そこにあった扉の奥には、過去の秘密があり、同時に山小屋のドアでもあった。つまり山小屋とは、現実の場所ではなく、老人の頭の中にだけ存在する構造なのだ。彼は幻想に囚われているのではない。その幻想から逃げられない状態そのものを、生き続けている。

頭の中に響く唸り声は、剥製にされたクーガーとして描写される。しかしそれは、妻とその浮気相手を殺害した瞬間の、自分自身の姿なのだろう。一線を越えたとき、人は誰かを殺すだけでなく、それまでの自分をも殺してしまう。その事実が、唸り声として残響している。

タイトルの『オールドマン』が指す「老人」とは、年齢の問題ではない。現実のジョーは、ラスカルほどの年齢かもしれない。しかし、幻想のループを繰り返すことで、彼の心はすでに老人と化している。思考は更新されず、同じ問いをなぞり続ける。それは寿命の比喩でもあり、それでもなお、わずかに残る正義が彼を起こしにやって来る理由でもある。

オープニングに描かれる山の絵は、この物語が現実ではないことを静かに告げている。その中に小さく描かれた山小屋と煙突の煙。煙は、まだ火が消えていない証であり、まだ生きている証だ。だからこそジョーはやって来る。だからこそラスカルは現れる。

人は誰しも、卑屈になり、諦めようとする。しかし、たとえ老人になっても、生きている限り、心の奥にある真理は「目覚めよ」と何度でも訪問してくるのだろう。この作品は、人間という生き物の恐ろしさと、それでもなお救いは毎日やって来るという事実を、幻想という形で描いている。

少しスピリチュアルに感じられるかもしれない。しかし『オールドマン』は、許しや贖罪を描いた物語ではない。目覚め続けることそのものが、救いであるという真理を、静かに、しかし確かに伝えている。

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R41

2.5 山小屋ワンシチュエーション

2025年6月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

老人と道に迷った男の二人の会話劇が冗長で緊張感はないけど違和感はあった。じいさんが急に叫んだり騒いだりかなりスベっていたが、ラストの怒涛の伏線回収は面白い!

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ゆうき

3.0 緊張感はあったけどラストが・・・

2024年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「ドント・ブリーズ」のスティーブン・ラング主演の映画。
一見「ドント・ブリーズ」っぽいかなぁと思ったけど
ちょっと趣向が違いましたね。
山小屋での老人と青年のスリルのある会話劇です。
緊張感があって展開が進むにつれハラハラ感も十分あります。
これは最後にどうなるのか期待も膨らみました。
でも・・・ラストがどうもしっくりこないなあ。
もったいないよなぁラストまですごく良かったのに。

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tom

2.5 緊迫感はあります

2024年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

深い森の小屋に迷い込んだ男性が、そこに住む風変りな老人に翻弄される物語。

シチュエーションスリラーに該当する作品でしょうか?
老人の異様さが秀逸で、緊迫感を感じることが出来る佳作だと思います。

ただ、この映画のオチは、正直余り好きではありません。
もし、このオチを使うのであれば、そのキッカケはしっかりと明示して欲しい・・・と思います。

私的評価はやや厳しめです。

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よし