春画先生

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劇場公開日:

解説

江戸文化の裏の華である「春画」に魅せられた型破りな師弟コンビが織りなす春画愛を描いたコメディドラマ。

肉筆や木版画で人間の性的な交わりを描いた「春画」の研究者である「春画先生」こと芳賀一郎は、妻に先立たれて以来、世捨て人のように研究に没頭する日々を過ごしていた。そんな芳賀から春画鑑賞を学ぶ春野弓子は、春画の奥深い魅力にのめり込んでいくと同時に、芳賀に恋心を抱くように。やがて、芳賀が執筆している「春画大全」の完成を急ぐ編集者・辻村や、芳賀の亡き妻の姉である一葉の登場により、大きな波乱が巻き起こる。

「きのう何食べた?」の内野聖陽が芳賀、アニメ映画「ペンギン・ハイウェイ」やNHK大河ドラマ「どうする家康」の北香那が弓子を演じ、柄本佑、白川和子、安達祐実が共演。「黄泉がえり」「月光の囁き」の塩田明彦が原作・脚本・監督を務めた。映倫審査ではR15+に指定され、商業映画としては日本映画史上初めて無修正の浮世絵春画がスクリーン上映される作品となった。

2023年製作/114分/R15+/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2023年10月13日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
原作
塩田明彦
脚本
塩田明彦
製作
中西一雄
小林敏之
小西啓介
プロデューサー
小室直子
共同プロデューサー
関口周平
ラインプロデューサー
松田広子
撮影
芦澤明子
照明
永田英則
録音
郡弘道
美術
安宅紀史
装飾
山本直輝
スクリプター
柳沼由加里
衣装デザイン
小川久美子
衣装
白井恵
ヘアメイク
齋藤美幸
編集
佐藤崇
音楽
ゲイリー芦屋
サウンドエディター
伊東晃
VFXプロデューサー
浅野秀二
VFXディレクター
横石淳
助監督
久保朝洋
制作担当
宮森隆介
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映画レビュー

2.0性的倒錯の趣味趣向と言うのは易いが…

2024年4月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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うにたん♪(何観ても文句書きそうな気分)

4.0「春画とワインの夕べ」

2024年4月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これ、イベントのタイトル。
この妙な取り合わせと言ったらないね。
学究に夢中な、大真面目なる春画先生の様が、クスクス笑いを誘うのだ。

人は、時として 思いもかけない出逢いをなすものだ。
「緊急地震速報」の警報音と共に始まる、カフェの女給= ユミコの新しき世界。
「春画と ユミコの夕べ」。

そう、あの日 ―
私の人生にこの先、
面白いことなど
何ひとつ起こらないだろうと
感じていたあの日、
あのとき、
私の人生が
大きく揺れ動いたのです
(映画冒頭のユミコの独白)

まさかの春画、
まさかのお宅への招待、
そして
まさかそれに応えてしまった自分の、新しい世界への「まさか!」。
激震と、胸の高鳴りだ。

いい掴みで始まった本作品。
あけすけなタイトルで敬遠していたのだが、こんなによく出来た映画 (特に前半) だとは思いもしなかった。
構成といい、演出や、俳優や、舞台となる旧家のロケハンまでいい。
そしてカメラが美しい。
恐らくは、ほかの鑑賞者さんたちも (評判などの前情報無しには)、あまり期待もしないで、この新作邦画のスクリーンに向かったのではないだろうか。

人は、持って生まれた性格やら得意分野の路線に従い、そこにのっとって、彼らは進学し、勉強し、その人生の進路図を描くものだ。
けれど予想だにしていなかった「まさかの世界」へのダイブが、これが生きることの醍醐味だ。
説明抜きで。
説得力なしで。
理屈もすっ飛ばして。

「春画研究のススメ」。
「やってみない?」、
「やっておくれよ」。
この突然の「お誘い」が、来し方を振り返ってみれば、
僕の人生においても、進路図の急旋回を繰り返し喰らわせてくれる ― それはもう「あみだくじ」のようなものだったし、
右へ左への 不思議な転職の引力だった気がする。

柄本佑も言っていた ―
リミッターが解除されるときに、
自分を縛っていたリミッターに気付く。

いつも何ゆえか、いろんなツテやら、知り合いからの「誘い」の連絡が引きも切らなかった僕。
印刷工場の立ち上げに呼ばれて、見に行ってみたならば「取説」を手渡され、そのままその日から印刷主任となり、
600坪の畑を突然に預けられ、はァ?
でも町イチの収益の花卉農家となって、俄然、花を航空機に乗せ続け、
誰も弾かないオルガンを見せられて、請われてパイプオルガンの奏者となり、
手を貸してくれと言われて特養の介護職員にもなり、
身寄りのない人たちへの宿の提供や、その人たちへの葬儀のために教会に住み込んでの働きもした。
その後ワインを作ったあとは、僕は、今ではなんと10トントラックの運転手なのだ。
ぜんぶぜんぶが、外界から突然に訪れた、予想外の初体験だった。

ならば、あのユミコにだって、春画の誘いくらいはあるだろう。

この映画は
「春画」の奥深さをレクチャーする作品として、もちろんその点で傑出しているのだが、
ウエイトレスのユミコが、行く先の案内も無しに、まさかの「冒険」をしたこと、
・・そこが、それこそが、観ている僕には大変に面白かった部分なのだ。

画面は、
古風で浪漫の調べあふれる衣装と、着物。
バックで流れるBGM、
フォーレのレクイエム、
グレゴリオ聖歌、
心臓の高鳴りを示す太鼓。
そして、性行為を誘イザナ う鰹節削りのリズムさえも、敢えてチープで、よく計算されていて周到。

真の滑稽のためには
登場人物が笑ったりするシーンなどは皆無でも良いのだと、
けたたましくない映像から、十分に人の生き様の愉快さを楽しませてもらった。

そして思ったのだ、
しとねよりも、枕元のペンが欲しい。そう!ひらめきを優先としたいのだ ―
僕も、春画先生と同じメモ魔だからだよね?

以上、
映画の前半の、ごくごく“さわり"の部分だけに絞ってレビューしました。

後半?
「翔んで埼玉」ふうのギャグ展開で、学究からストーリーが離れてしまったのは、ちと残念。
先生には、最後の最後まで弟子には溺れないで、振り向かないでいて欲しかったのです。

その点、「女よりも料理」を当然のごとくに選んだフランス映画 =「ポトフ」のプロットが、僕はだんぜん好み。

もしくは、

あるいは三崎あたりの温泉宿で、
二階の座敷から海を見ながら、「笑い絵」の二人になっていれば、
文学作品としては、それこそ風雅なまとまりになっていたのではないかな。
河岸でタコと赤魚をみつくろって。
宿の窓辺。
この関係がいつまで続くかわからぬ不安を、海原に感じながら。

·

コメントする 4件)
共感した! 6件)
きりん

4.0性愛は少子化の時代のキーワード。歴史も学べて、小品ながらいい映画です。

2024年4月8日
PCから投稿

笑える

単純

意外と悪くないと言ったら失礼ですが、
割と退屈せず2時間あっという間でした。
日本の古典大衆文化を愛でるような知的好奇心がくすぐられる人なら
鑑賞する価値があるのでは。

たぶん監督が手練れの人なので
淡々とかつ独特の間と、クスクス笑えるようなコメディと
和テイストな絶妙な外し感のBGMで彩られるストーリが癖になります。
春画という非日常なテーマを明るくカラッと
安心してみれるコメディに成立させるのって結構難しいと思われますが
違和感なく、自然に見れますね。

まぁ、大作映画のような派手さは無いので
正直いうと2000円の価値があるかと言われれば、ちょっと微妙ですけど
ペイパービューで鑑賞する分には全然お得、アリよりのアリだと思います。
キャスト陣は安定してます。
内野聖陽や安達祐実はさすがの入り込み具合です。プロフェッショナルな演技です。

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共感した! 0件)
mass79

3.0評価?そんなものは …..

2024年3月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

この映画を見て、笑えて面白いと思った人はIQの高い人?
興味深くて面白いと思った人はEQの高い人?
顔を顰めて下品だと思った人は⁇
私は最初笑って、中盤興味深いと思い、最後はくだらないと思った凡人❓
真の画家や彫刻家は、自分の作品を見る人がどう思うかを気にして、筆や彫刻刀を手にするのではなく、自分の描きたいと感じたもの、彫り出したいと思ったものを目にした時に、作品を生み出すのです。
映画も然り‼︎
監督が思い描いた構図を自分の言葉(絵)でフィルムに収める。評価は後からついてくる。それで良いのです。多分、反論もあるでしょうが….
アーティストは己れの作品に酔い、更に、その作品がビジネスモデルとして成功すれば、尚良い。
そう思って歌い、演じ、作画するものなのです。ある意味、自己中であるかもしれません。良い意味で「ego」なのです。
自己主張の苦手な方、見る価値がありますよ。

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共感した! 1件)
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