青春

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青春

解説

「鉄西区」「三姉妹 雲南の子」「死霊魂」などのドキュメンタリー作品で世界的に高く評価される中国出身のワン・ビン監督が、中国の巨大経済地域の小さな衣料品工場で働く若者たちの姿を見つめたドキュメンタリー。

上海を中心に、大河・長江の下流一帯に広がり、中国の高度経済成長を支えてきた長江デルタ地域。織里という町の衣料品工場で働く10代後半から20代の名もなき若者たちにカメラを向け、彼らの労働と日常を記録する。

2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたほか、第60回金馬奨で最優秀ドキュメンタリー賞、第49回ロサンゼルス映画批評家協会賞でエクスペリメンタル賞を受賞した。

2023年製作/215分/フランス・ルクセンブルク・オランダ合作
原題または英題:青春 春 Youth (Spring)
配給:ムヴィオラ
劇場公開日:2024年4月20日

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受賞歴

第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)

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コンペティション部門
出品作品 ワン・ビン
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(C)2023 Gladys Glover - House on Fire - CS Production - ARTE France Cinéma - Les Films Fauves - Volya Films – WANG bing

映画レビュー

5.0瑞々しい青春映画

2024年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

中国の低賃金の縫製工場で働く若者たちの日常を切り取った青春ドキュメンタリー映画だ。全然対象は違うし、その眼差しのあり方も異なるのだけど、『14歳の栞』のような瑞々しさに溢れた傑作だった。生活は過酷そうだ。故郷に仕送りもしないといけない。しかし、だれも腐っている様子はない。仲間とたあいのないバカ話で盛り上げれば楽しい。本気の喧嘩もあるし、工場の経営者の金払いは良くない。それでもみんな、生き抜く力がみなぎっている。社会の不平等がこの映像には確実に刻まれているが、それを隠さないし、へこたれるわけでもない若者の姿に勇気づけられる。カメラの目の前にいる人の輝きも苦しみも逃さない。ワン・ビンのカメラはとても誠実で的確だ。
ワン・ビンにはもう一つ中国の縫製工場を撮った『苦い銭』という作品もあるのだが、こっちはまだ見れていないので見なくてはいけないなと思った。

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杉本穂高

3.5ゴミだらけの男女共同作業

2024年10月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

萌える

上海を中心にした長江デルタ地域の織里という町で、衣料品の縫製工場で働く10代後半から20代の若者たちに密着し、彼らの労働と日常を記録したドキュメンタリー。

215分=3時間35分、トイレを我慢できるか自信なかったが、なんとか耐えれた。
2014年から19年にかけて撮影されたそうで、中国の縫製作業の様子や出稼ぎの意外に楽しそうな様子が生々しく観れたのは良かった。
至る所ゴミだらけ、もう少しなんとかならないの?
男女共同作業にタバコ吸いながら下ネタ話しながらの作業風景。作業ミスが起こらないのかと思ってたら、やっぱり起きました。1センチもズレて縫っちゃ服にならんよね。
それと、作業場と同じ建物の上層階で男女共同生活、こんなじゃ妊娠もするわなぁ。でも楽しそうだけど。
子供出来ても結婚はしない?金持ちとしか結婚しないかぁ。そこは現実主義なんだなぁ、なんて思った。
半年に一度の給料?意外に多いなぁ、と思った。しかし文句ばかり、の賃上げ交渉、パワハラ、暴言、はなかなかの迫力だった。
長かったけど、ありのまま、ゴミだらけのままのドキュメンタリーで飽きなかった。

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りあの

どんな魔法でこんな映像が撮れるのか

2024年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 中国の現代史と現代社会をドキュメンタリーとして記録し続け、当局からの圧力により今ではフランスで作品作りを続けるワン・ビンの新作が登場です。僕は、ワン・ビンならばとにかく観ます。今回は、上海近郊の縫製工場で一日中ひたすらミシンと向かい合う若い労働者の日常をひたすら追い続けます。ドラマチックな仕掛けがある訳ではないのに飽きる事なく、眠くなる事もなく見入ってしまいました。

 ワン・ビン作でいつも不思議に思うのは、「市井の人々の生の感情をどうしてこんなにも自然にカメラに収める事が出来るのだろう」と言う事です。カメラの前で若者たちは本気で殴り合いの喧嘩をし、仕事中に男女がラブラブの会話を交わし、妊娠した娘の堕胎を望む両親が工場に乗り込んで来ます。人々がカメラを意識しなくなるまでワン・ビンは一日中ひたすらカメラを回し続けるそうですが、「それにしても・・」と首を傾げます。彼はどんな魔法を使っているのでしょう。

 そして、彼らには「どうしてお金を稼ぐか」と言う事が大きな問題です。工場長との給料や単価を巡る喧嘩腰とも映る言葉のやり取りは生々しい光景です。これって「全く純粋な資本主義の断面」です。この何処に共産党一党独裁国家のイデオロギーがあるのでしょうか。

 と言いつつも、本作の中から浮かびあがるのはタイトル通りの「青春」なのです。遣りたい事があり、貯金の目標があり、異性の気を惹きたくて、向こう見ずな暴走があります。若い人の思いをイデオロギーが左右する事は出来ないのでしょう。

 全編3時間半と、ワン・ビンらしい長編ですが、多くの人に観て欲しい一作です。

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La Strada

4.0215分

2024年5月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

長い長い

でも中国の実態と
生活感あふれる様が
手に取るように
理解できた

そして稼ぐ事に貪欲だ
「コレだけこなしたから
コレだけ給料が欲しい」
など
事業主とのやり取りが
結構多く撮られてる

日本の若者に見てほしい

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H1DE!