落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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犯罪ミステリーというより裁判ドキュメント
前者を期待して行ったのですが、後者でした。
予告がね、滅茶苦茶煽ってきてたんで。なんか予告が良すぎる映画ってやっぱり要注意ですね。
もともとドキュメンタリー出身の監督のようで。撮り方や演出などは独特ですごいですね。脚本も演出もよくできてますよ。素晴らしいです。
ただ私は基本的に「真剣に考えさせられる映画」を求めていないので。映画は息抜きなので。そういう意味では少し評価が下がりますが、それは作品のせいではないです。
滅茶苦茶良くできてます。映画としての品質は間違いないですが、息抜きにはならないです。
ちょっと疲れました。
違和感のある会話・音楽・犬・少年・ロケーション、、、
すごく巧いプロットだなあと思った。全てに必然性がある。英語とフランス語のチャンポンも。
最後まで観る人にクリアな真実を明かさない。そういうのが許せない人には無理な映画かも。いやいやそもそも真実って何? 所詮観客が見せられているものは、恣意的に切り取られたカットの集積体なのだから。想像の余地は無限大だ。
ある意味密室のような山荘。事故か自殺か殺人か。事実があるとすれば、そのうちの一つが必ず事実なのかな。どうなんでしょう。組み合わせもあるのかな。現実の世界の捜査はどうなんでしょう。どれほど理に適っているのか、弁護士の腕次第なのか、、、。
それにしても、主演女優さん、のりうつったみたいに完璧になりきっていて、ドキュメンタリーかと錯覚する場面も。
おそらく白眉は「録音されていた夫婦喧嘩」。ともかく全編通じてセリフの応酬が多く、演劇の舞台みたいだった。
暴かれる人間関係
最初退屈だなと思っていたらサスペンスは本筋ではなく、明らかになる事実がなかなか気持ちの良いものではない。夫婦間の関係性、仕事間格差…しかもそれが夫を殺したのは妻なのかどうかを決めるために裁判で明らかになっていく、、プライベートがどんどんバラされていくのは溜まったもんじゃないよ。あの夫婦喧嘩はもう辛すぎるもう勘弁してぇと夫の立場になりながら観てしまった笑。
妻ザンドラのグレーな感じと見せる弱さがうまい。
それと癖強検事も印象深いがあのイケオジ弁護士は何者なんだい!2人の舌戦は目が離せない。
息子も知りたくない事実の数々にこの後本当に幸せなのかと不安だけど、葛藤しながらも自分で決めた証言はとっても立派だと思った!
あのイケオジとワンコの名演だけで観る価値はある笑
それと、心象次第で決まる裁判ほど後味の悪いものは無いんだなと実感。
簡潔評価は、力作だが面白い作品ではない。
いかにもアカデミーが好みそうな作品で、一般の方には冗長かなと。自宅視聴なら、間違いなく再生速度アップ作品♪
まず短く良い点。
過剰演出や不思議描写は全くなく、事件を詳細に追って理屈の合う細かい点で裁判シーン等も描写している。 いい加減さが全くない力作♪
が、
私が映画評価の最重要視する点は、"時間を忘れさせてくれるパート"が、「その作品の何%をしめるか」という点。
ラストで大感動しても、前半ほとんどが睡魔に襲われた様な作品は、★評価が大きく下がる。
今作は作品時間中、見入ったのは約10%位しかない・・。
主には現場を図解解説しているシーンと、音声証拠シーン等くらい。
他の方もレビューしている、「スティーブン・キングは実際の殺人鬼か・」という台詞は唯一声を出して笑ったが♪
裁判シーンに見入ったと高評価してる方もいる様だが、私はかなり疑問も湧いた。 それは殺人容疑を掛けるには、最重要ポイントを2点も追求してないから。
1 動機
2 金銭損得
これらを争わず、状況証拠や二人の人間関係ばかりを追求し、説明しようとしている。
前日の喧嘩に争点がかなり向けられているが、夫婦喧嘩などあって当たり前。 私は子供時代に両親にもっと酷い夫婦喧嘩を何度も見せられた。 (まあ晩年にはしなくなったので、あの世ではお互いを気遣ってくれていると思うが♪)
特に口の悪い大阪のおばちゃんなら、夫に「あんたなんか死んだらええねん!」ぐらいの売り言葉を怒鳴る方も多々いるだろう。
が、実際に殺してしまう方はいない・・。
殺人までに至るには、耐えがたいDVを何度も受けたり、家計費を持ち出し自身の遊興費に使われ、借金まみれ等、もっと切実な動機があるはず。
次に今作は夫婦の金銭関係が一切描かれてない。(お互い作家だが、妻の方が多く作品を執筆しているというぐらい) すなわち、夫を殺した方が妻が経済的に得をするという説明もない。
本当の裁判なら、上記2点も争わなければおかしい。
さらに作品に感情移入出来る重要点、登場人物の魅力がほとんど描かれてない。 主演女優ノミネートになった、ザンドラ・ヒュラーは作品時間の8割ぐらい出ずっぱりで、そのシーン毎の感情はかなり巧く表現してるが、その人物の人となりが、ほとんど分からない・・。
これは彼女の演技でなく、脚本にそういう描写がないのだ。
(これは、「TAR/ター」や「哀れなるものたち」も酷似している。 逆に「ナイアド 〜その決意は海を越える〜」のアネット・ベニング やジョディ・フォスター は痛いぐらいに二人に性格が伝わっている)
と、マイナスに感じる点が多く、総じて自身平均点の★3.5の平凡評価に。
自分が配偶者殺しの容疑者になったら
ハマらなかったなあ〜
夫婦こそサスペンス
フランスの雪山で暮らす夫婦と視覚障害のある子供に犬。
ある日、夫のサミュエル(サミュエル・タイス)が転落死する事件が起こる。
自殺なのか、他殺なのか、事故なのか、その真相を探る物語。
アウトラインはサスペンスそのものだが、いかにもな怪しい登場人物もいないし、他殺だとした場合の証拠も何もない。
そんな中、状況証拠だけで妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)が殺人容疑で起訴されてしまう。
映画の中心は妻は夫を殺したのか、その謎を解明する法廷シーンだ。
当事者の夫婦以外の第三者は第一発見者でもある視覚障害のある息子のみ。(それと犬)
ただ、目が見えないので音だけでしか証言ができないところがポイントだ。
前半で夫婦の関係性は詳しく描かれないが、この法廷で夫婦の関係性があらわになっていく。
夫が息子を見ていた時に起きた事故で視覚障害になってしまった事の負い目。
夫婦共に作家であるが、妻はベストセラー作家で夫は落ち目の作家。
家事分担の話し。
どれもこれも夫婦あるあるで、身につまされる話だ。
そう、事件など起こらなくとも、育ってきた環境も違う他人の2人が同じ屋根の下で長い人生を共に暮らす、夫婦こそサスペンスそのものでないのか。
そんな関係性を炙り出すこの映画はサスペンスでも法廷劇でもない人間ドラマだ。
ドイツ人でフランス人の夫と結婚し二人の会話は英語で、法廷ではフランス語を喋らないといけないという複雑な役を演じるザンドラ・ヒュラーの演技がすばらしい。
また、犬のスヌープ役のボーダーコリーの「メッシ」の名演も見もの。
先日のアカデミー賞授賞式にも出演し、話題になっていた名犬。
最後にこの映画を夫婦で観ることはお勧めしない。
解剖
真実はいつも一つ!という言葉があるけれど、大人になって思うのは真実って一つかもしれないけれど認識の仕方は複雑だという事。
たった一つの真実も見る人、見る角度、時代、立場、法律、タイミング、さまざまな要素によって意味が変わってくることがある。
今回の作品で個人的に素晴らしいと感じたのはスピーカーの字幕の訳し方のシーン。
主人公はドイツ人で英語とフランス語が使える。舞台はフランスだが話しやすいのは英語。なので、スピーカーの言葉が出てこない。それを確認した時、まずカタカナでフランス語の音表記になる。それから主人公が話すと"音声再生器"と字幕が出て、ルビにスピーカーと出る。(一瞬だったので見間違いがあるかも)
一つのことを伝えるためにも、伝える相手、状況によって多面性が見えてきたり、惑わされてしまうといった本作の核になるところが表現されていてとても良い字幕だなと感じました。字幕:松﨑弘幸さんでしたので今度から覚えておきたいと思いました。
物語は宣伝の感じより、シンプルだと感じたけれど裁判の進み方、物語の展開の仕方はとても興味深く、おもしろかった。
特にすごかったのは息子ダニエルと、わんちゃんのスヌープ。この男の子とわんちゃんの演技力がこの物語の骨格を強固なものとしていて本当に素晴らしすぎた。今年の個人的主演男優賞と主演動物賞は決まったかもしれません。
カンヌのパルムドール、アカデミー賞の脚本賞を獲った作品なだけありまして見応え抜群でした。ラストも見た人の解剖の仕方によって見え方が変わってくるでしょう。
自分のライフステージの変化やどんな立場に立っているかで感じ方が変わる映画かな、
熟成された良きワインを飲んだときの複雑な味わいを感じる映画。
ミステリー?サスペンス?
そう思って観始めたけど本質はそこぢゃない。
物事の一面だけを切り取って判断することの恐ろしさ。対人における一筋縄ではいかない関係性。嫌よ嫌よも好きのうち、とはよく言ったもの。口で言ってることと実際に意味していることが必ずしも一致してるとは限らない。それを視力を失った息子が聞いたらまた感じ方は違う。
夫婦の関係性なんて他人がどうこう言えるはずがない。人には絶対に見せない部分があるんだもの。それを公の場で裁くために開けっぴろげにすることに一体何の意味があるんだろう……
十人十色というように、同じ事実に直面しても受け取り方は人によって異なる。夫婦におけるパーソナルなものは本当にその二人にしかわからない。それなのに他人が介入する必要があるのはムズムズする。
裁判の最中に弱気になって味方の弁護士にホロっとしちゃう。ダメだとわかっててもね。良い悪いを超越したところで行動してしまう、そーゆーのが人間らしいってことなんだろうな。
観終わっても様々な感情があとを引く。そんな余韻の長さまで良質なワインみたいな映画でした✨🍷
長いぞー
判決は真実より印象、ラストはそういうこと?なのか?
誰しも法廷には立ちたくない
ボーダーコリーのスヌープ君♪ おそらくスヌーピーに風貌が似てるから...
ボーダーコリーのスヌープ君♪ おそらくスヌーピーに風貌が似てるから命名されたのでしょう♪ で、瀕死のスヌープ君、あれは演技?・・ではないよね・・。薬飲ませたの?CG? 舌の出し具合やら真に迫っていて・・とても気になりました・・。
長いワンショットの中での、スヌープ君のシナリオ通りの動き♪ さすがボーダーコリー♪飼いたい♪
本題・・題名がどうもそそらなくて・・後回しにしてた映画。カンヌのパルムドールは観なきゃで・・鑑賞♪
「解剖」じゃなくて、「分析」「考察」とか・・「探究」とか・・そんな翻訳にしたほうがよかったのでは・・。
アメリカや日本の法廷劇はよく観ますが・・フランスはこんな感じなのですね・・。
黒澤明の「羅生門」的な物語。一定の結末にはなりますが・・なんとなく 「藪の中」で終わる・・かな・・。
夢見がちで、実力が伴わないスネ夫的フランス人の夫と、堅実で有能な理路整然としたドイツ人の妻との、ありがちな 行き違いを法廷を通して「解剖」されちゃう感じ・・。そう言う意味では「解剖」で良いのか・・。現実のフランスとドイツを対比させて皮肉ってもいるのかしらん♪
あれだけ賢い スヌープ君・・ゲロ食わないだろ・・。
疑心暗鬼の不安
事故❓他殺❓自殺❓
難しいかと思ったけど面白かった〜😁。
一応念のため昼寝を少ししてから鑑賞。
前半の中盤あたりに眠くなりかけたがなんとか持ち直し、そこからは「どうなるのかな〜❓」と思いながら最後まで鑑賞出来ました(笑)。
母と子の物語というか父の死から、事件なの❓事故なの❓を追及する感じのような内容でしたね。
終始どっちなんだ❓と思いながら楽しめましたね。
途中で夫婦喧嘩の音声を聞くシーンで回想に入って見ていたら、ついつい自分と照らし合わせてしまいました(笑)。
元妻(離婚したので)との言い合いをしていた時は相手からワーって色々言われて自分は寄り添ってるつもりだけど相手はそうとらえてない事(自分ばかりがやってみたいな)ふうに言われた時は同じように話し合おうとしましたが相手からそれすら拒否られて、結果積もり積もって離婚になったのですが…(笑)、私は逆に包丁持ち出された事もあったりなかったりなのでやっぱりもしかしてとも予測させられるというかなんか自分でも考えさせられたシーンでした💧こんな書き方したらあかんかったかな💦とりあえず思った事書きました😢(でも今は一人を満喫しているのでそれを活かして次の方を見つけていきたいですね(笑)好きな映画もたくさん見れるし)。
話がそれましたが、とりあえずそれぐらい考えながら見入ってしまうほど面白かったですね、カンヌも納得です👏。
ダニエル役の方とワンちゃんの演技は素晴らしかったです、裁判官に次は聞くのが辛くなるから参加の打診というか来ない方が良いと言われるがダニエルの意思で参加を決めるなど、母に対する思いや父に対する思いも十分に感じる演技でした。
ワンちゃんもアスピリンを食べた後の演技も凄かったなー、実際に何かは使ったのかな❓と思えるぐらいのワンちゃんの名演技でした、家族との(特にはダニエルだが)やりとりに可愛いく感じました☺️
難しい風味の雰囲気サスペンス
サスペンスとはなんぞや。
その意味を調べてみたところ、元は“宙ぶらりん”を意味し、転じて不安や緊張を抱いた心理を描く作品との事。分かりやすく言うと、ハラハラドキドキが続くって事らしい。
で、これはサスペンスかと言うとちょっと違う。
強いて言うならそう、夫婦喧嘩の成れの果てに起きた事件の、裁判傍聴日記。
誰が殺したのかの真相解明はどこか遠くにうっちゃられ、珍しくもない夫婦の真実の姿を延々と暴露する謎の弁論大会。
みんな小難しい顔して小難しいこと言いながら、大して中身あること言ってない。
何か大事な真実が隠されているのでは?!と思わせて、全然無い。ただ夫婦仲が良くなかった。それだけ。でもそれも、最初からだいぶ分かってました。だからそんな勿体ぶらなくても…。
フランス語と俳優の眉間の皺と法廷の雰囲気に包まれた、雰囲気産業映画だった。
全306件中、121~140件目を表示