劇場公開日 2024年2月23日

落下の解剖学のレビュー・感想・評価

全249件中、61~80件目を表示

4.0主観から客観への見事な転換

2024年3月18日
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鑑賞方法:映画館

この作品の夫殺害の容疑をかけられた作家を演じたのは、サンドラ・ヒュラー。
彼女は、「ありがとう、トニ・エルドマン」というドイツ映画で、女性コンサルタントの役柄だった。気丈な面とエクセントリックな面のギャップがとても印象的だった。
この作品でも、そのエクセントリックな面は健在だ。
ドイツ人だから、フランス語は苦手なため、ほとんど英語で会話する。実はバイセクチュアルで、同性同士の不倫経験あり。作家として目が出ない夫の原稿をアレンジして、ベストセラー作家に昇り詰める。
法廷で次から次へと不利な証言が飛び出しながら、彼女は自分を偽らず素直に表現する。「ありがとう、トニ・エルドマン」と同じキャラに感動。
圧巻は、法廷で披露された、殺害直前の夫婦喧嘩の録音テープ。
うまくいかない自分をいつも妻のせいにする夫。貴方がだめなのはいつも人のせいにするから、とののしる妻。夫婦なら身に覚えがある平行線の感覚。法廷は客観性を失い、自我のぶつかりあいに豹変する。
アカデミー賞脚本賞受賞は、この夫婦喧嘩の迫真のやりとりに負うところが大きいのではなかろうか。
主観から客観への見事な転換は、視覚障害の息子の証言。一番冷静だったのが10代の少年いう驚き。
真実のカギを握るのは、飼い犬とアスピリン。そして母への切なる思い。あとは観てのお楽しみ。

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ジョー

5.0良作

2024年3月17日
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鑑賞方法:映画館

アカデミー賞で脚本賞をとっただけあると思った。セリフと表情でとても丁寧にストーリーが進む。最後の添い寝は何か意味があるのか?何が答えか?本当によく出来ていると思う。

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よっしーな

2.5犬がすごかった

2024年3月17日
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アカデミー犬賞だった

物語はよくわからなかった。私には難しすぎた
夫のことは嫌いだったし
主人公のことも嫌いになった

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yuen

4.0見て損のない法廷劇&ワンちゃんの演技!

2024年3月16日
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泣ける

知的

萌える

予想以上に、どっしりとした法廷劇。容疑者の弁護をつとめる弁護士役の役者さんの美しさと、容疑者の息子の盲導犬役のワンちゃんの演技力からも目がはなせなかった!何が真実で何が嘘か。それは結局、誰にもわからない。本人以外にしか。しかしだからこそ、余韻の残る映画。とにかく、観たあと、誰かと語り合いたくなります。観てよかった!

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銀色

4.0犯罪ミステリーというより裁判ドキュメント

2024年3月16日
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前者を期待して行ったのですが、後者でした。
予告がね、滅茶苦茶煽ってきてたんで。なんか予告が良すぎる映画ってやっぱり要注意ですね。

もともとドキュメンタリー出身の監督のようで。撮り方や演出などは独特ですごいですね。脚本も演出もよくできてますよ。素晴らしいです。

ただ私は基本的に「真剣に考えさせられる映画」を求めていないので。映画は息抜きなので。そういう意味では少し評価が下がりますが、それは作品のせいではないです。

滅茶苦茶良くできてます。映画としての品質は間違いないですが、息抜きにはならないです。
ちょっと疲れました。

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今日は休館日

4.0違和感のある会話・音楽・犬・少年・ロケーション、、、

2024年3月16日
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鑑賞方法:映画館

すごく巧いプロットだなあと思った。全てに必然性がある。英語とフランス語のチャンポンも。
最後まで観る人にクリアな真実を明かさない。そういうのが許せない人には無理な映画かも。いやいやそもそも真実って何? 所詮観客が見せられているものは、恣意的に切り取られたカットの集積体なのだから。想像の余地は無限大だ。
ある意味密室のような山荘。事故か自殺か殺人か。事実があるとすれば、そのうちの一つが必ず事実なのかな。どうなんでしょう。組み合わせもあるのかな。現実の世界の捜査はどうなんでしょう。どれほど理に適っているのか、弁護士の腕次第なのか、、、。
それにしても、主演女優さん、のりうつったみたいに完璧になりきっていて、ドキュメンタリーかと錯覚する場面も。
おそらく白眉は「録音されていた夫婦喧嘩」。ともかく全編通じてセリフの応酬が多く、演劇の舞台みたいだった。

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Kumiko21

4.5暴かれる人間関係

2024年3月16日
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最初退屈だなと思っていたらサスペンスは本筋ではなく、明らかになる事実がなかなか気持ちの良いものではない。夫婦間の関係性、仕事間格差…しかもそれが夫を殺したのは妻なのかどうかを決めるために裁判で明らかになっていく、、プライベートがどんどんバラされていくのは溜まったもんじゃないよ。あの夫婦喧嘩はもう辛すぎるもう勘弁してぇと夫の立場になりながら観てしまった笑。

妻ザンドラのグレーな感じと見せる弱さがうまい。
それと癖強検事も印象深いがあのイケオジ弁護士は何者なんだい!2人の舌戦は目が離せない。
息子も知りたくない事実の数々にこの後本当に幸せなのかと不安だけど、葛藤しながらも自分で決めた証言はとっても立派だと思った!

あのイケオジとワンコの名演だけで観る価値はある笑
それと、心象次第で決まる裁判ほど後味の悪いものは無いんだなと実感。

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いたかわ

4.5既視感

2024年3月16日
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鑑賞方法:映画館

興奮

後半の夫婦の罵倒シーン。めちゃくちゃ既視感ありました。パートナーと見に行きましたが相手も同様に感じたようです。
後味は悪くなく面白かった。途中フランス語になるので、後ろの席の外国人が「英語の字幕ないので大切なところがわからない。」と嘆いているのが聞こえてきた。

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モロッコガール

3.5簡潔評価は、力作だが面白い作品ではない。

2024年3月15日
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鑑賞方法:映画館

いかにもアカデミーが好みそうな作品で、一般の方には冗長かなと。自宅視聴なら、間違いなく再生速度アップ作品♪

まず短く良い点。
過剰演出や不思議描写は全くなく、事件を詳細に追って理屈の合う細かい点で裁判シーン等も描写している。 いい加減さが全くない力作♪

が、
私が映画評価の最重要視する点は、"時間を忘れさせてくれるパート"が、「その作品の何%をしめるか」という点。
ラストで大感動しても、前半ほとんどが睡魔に襲われた様な作品は、★評価が大きく下がる。
今作は作品時間中、見入ったのは約10%位しかない・・。
主には現場を図解解説しているシーンと、音声証拠シーン等くらい。
他の方もレビューしている、「スティーブン・キングは実際の殺人鬼か・」という台詞は唯一声を出して笑ったが♪

裁判シーンに見入ったと高評価してる方もいる様だが、私はかなり疑問も湧いた。 それは殺人容疑を掛けるには、最重要ポイントを2点も追求してないから。
1 動機
2 金銭損得
これらを争わず、状況証拠や二人の人間関係ばかりを追求し、説明しようとしている。

前日の喧嘩に争点がかなり向けられているが、夫婦喧嘩などあって当たり前。 私は子供時代に両親にもっと酷い夫婦喧嘩を何度も見せられた。 (まあ晩年にはしなくなったので、あの世ではお互いを気遣ってくれていると思うが♪)
特に口の悪い大阪のおばちゃんなら、夫に「あんたなんか死んだらええねん!」ぐらいの売り言葉を怒鳴る方も多々いるだろう。
が、実際に殺してしまう方はいない・・。

殺人までに至るには、耐えがたいDVを何度も受けたり、家計費を持ち出し自身の遊興費に使われ、借金まみれ等、もっと切実な動機があるはず。
次に今作は夫婦の金銭関係が一切描かれてない。(お互い作家だが、妻の方が多く作品を執筆しているというぐらい) すなわち、夫を殺した方が妻が経済的に得をするという説明もない。
本当の裁判なら、上記2点も争わなければおかしい。

さらに作品に感情移入出来る重要点、登場人物の魅力がほとんど描かれてない。 主演女優ノミネートになった、ザンドラ・ヒュラーは作品時間の8割ぐらい出ずっぱりで、そのシーン毎の感情はかなり巧く表現してるが、その人物の人となりが、ほとんど分からない・・。
これは彼女の演技でなく、脚本にそういう描写がないのだ。
(これは、「TAR/ター」や「哀れなるものたち」も酷似している。 逆に「ナイアド 〜その決意は海を越える〜」のアネット・ベニング やジョディ・フォスター は痛いぐらいに二人に性格が伝わっている)

と、マイナスに感じる点が多く、総じて自身平均点の★3.5の平凡評価に。

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レオン

4.0自分が配偶者殺しの容疑者になったら

2024年3月15日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

もし自分に、サンドラのように配偶者の殺人容疑がかけられたとき、無罪をかちとれるだろうか? 互いに相手への何らかの不満はあるし、夫婦間にいざこざはつきものだ。不利な状況証拠を集められればいくらでも集まるだろう。それに比べ有利な証拠は乏しい。子供は誘導尋問に素直に引っ掛かりそうだ。私の場合は有罪になってしまいそうな気がする。

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NS6121

3.0ハマらなかったなあ〜

2024年3月14日
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メッシくん(犬)の演技が凄い&かわいいのと
弁護士(スワン・アルロー)がセクシーでよかったです。

が、あんまり面白くはなかった
フランスの法廷ってあんな感じなんでしょうか?
推測でべらべら喋るので苛々しました…。

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Rui

3.5真相は?

2024年3月14日
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鑑賞方法:映画館

難しい

どっちみち、この2人には破局しかなかった。

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マリエル

2.5退屈

2024年3月14日
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本編の半分ほどが裁判における会話劇に占められているが、カメラワークにもカット割りにも工夫が無いため、見ていてツラい。

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たく

4.0夫婦こそサスペンス

2024年3月14日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

フランスの雪山で暮らす夫婦と視覚障害のある子供に犬。
ある日、夫のサミュエル(サミュエル・タイス)が転落死する事件が起こる。
自殺なのか、他殺なのか、事故なのか、その真相を探る物語。
アウトラインはサスペンスそのものだが、いかにもな怪しい登場人物もいないし、他殺だとした場合の証拠も何もない。
そんな中、状況証拠だけで妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)が殺人容疑で起訴されてしまう。
映画の中心は妻は夫を殺したのか、その謎を解明する法廷シーンだ。
当事者の夫婦以外の第三者は第一発見者でもある視覚障害のある息子のみ。(それと犬)
ただ、目が見えないので音だけでしか証言ができないところがポイントだ。
前半で夫婦の関係性は詳しく描かれないが、この法廷で夫婦の関係性があらわになっていく。
夫が息子を見ていた時に起きた事故で視覚障害になってしまった事の負い目。
夫婦共に作家であるが、妻はベストセラー作家で夫は落ち目の作家。
家事分担の話し。
どれもこれも夫婦あるあるで、身につまされる話だ。
そう、事件など起こらなくとも、育ってきた環境も違う他人の2人が同じ屋根の下で長い人生を共に暮らす、夫婦こそサスペンスそのものでないのか。
そんな関係性を炙り出すこの映画はサスペンスでも法廷劇でもない人間ドラマだ。
ドイツ人でフランス人の夫と結婚し二人の会話は英語で、法廷ではフランス語を喋らないといけないという複雑な役を演じるザンドラ・ヒュラーの演技がすばらしい。
また、犬のスヌープ役のボーダーコリーの「メッシ」の名演も見もの。
先日のアカデミー賞授賞式にも出演し、話題になっていた名犬。
最後にこの映画を夫婦で観ることはお勧めしない。

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kozuka

4.5解剖

2024年3月13日
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真実はいつも一つ!という言葉があるけれど、大人になって思うのは真実って一つかもしれないけれど認識の仕方は複雑だという事。

たった一つの真実も見る人、見る角度、時代、立場、法律、タイミング、さまざまな要素によって意味が変わってくることがある。

今回の作品で個人的に素晴らしいと感じたのはスピーカーの字幕の訳し方のシーン。
主人公はドイツ人で英語とフランス語が使える。舞台はフランスだが話しやすいのは英語。なので、スピーカーの言葉が出てこない。それを確認した時、まずカタカナでフランス語の音表記になる。それから主人公が話すと"音声再生器"と字幕が出て、ルビにスピーカーと出る。(一瞬だったので見間違いがあるかも)
一つのことを伝えるためにも、伝える相手、状況によって多面性が見えてきたり、惑わされてしまうといった本作の核になるところが表現されていてとても良い字幕だなと感じました。字幕:松﨑弘幸さんでしたので今度から覚えておきたいと思いました。

物語は宣伝の感じより、シンプルだと感じたけれど裁判の進み方、物語の展開の仕方はとても興味深く、おもしろかった。
特にすごかったのは息子ダニエルと、わんちゃんのスヌープ。この男の子とわんちゃんの演技力がこの物語の骨格を強固なものとしていて本当に素晴らしすぎた。今年の個人的主演男優賞と主演動物賞は決まったかもしれません。
カンヌのパルムドール、アカデミー賞の脚本賞を獲った作品なだけありまして見応え抜群でした。ラストも見た人の解剖の仕方によって見え方が変わってくるでしょう。

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しょうへい

3.5生々しい夫婦関係が浮き彫りに

2024年3月13日
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仕方ないけど裁判というのは容赦ないですね。
録音されてた夫婦喧嘩が再生されても堂々としている妻の姿に、フランス(ドイツ)女性の芯の強さを感じます。
少し長いけど飽きずに鑑賞出来ました。

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やまぼうし

4.0自分のライフステージの変化やどんな立場に立っているかで感じ方が変わる映画かな、

2024年3月12日
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熟成された良きワインを飲んだときの複雑な味わいを感じる映画。
ミステリー?サスペンス?
そう思って観始めたけど本質はそこぢゃない。
物事の一面だけを切り取って判断することの恐ろしさ。対人における一筋縄ではいかない関係性。嫌よ嫌よも好きのうち、とはよく言ったもの。口で言ってることと実際に意味していることが必ずしも一致してるとは限らない。それを視力を失った息子が聞いたらまた感じ方は違う。

夫婦の関係性なんて他人がどうこう言えるはずがない。人には絶対に見せない部分があるんだもの。それを公の場で裁くために開けっぴろげにすることに一体何の意味があるんだろう……

十人十色というように、同じ事実に直面しても受け取り方は人によって異なる。夫婦におけるパーソナルなものは本当にその二人にしかわからない。それなのに他人が介入する必要があるのはムズムズする。

裁判の最中に弱気になって味方の弁護士にホロっとしちゃう。ダメだとわかっててもね。良い悪いを超越したところで行動してしまう、そーゆーのが人間らしいってことなんだろうな。

観終わっても様々な感情があとを引く。そんな余韻の長さまで良質なワインみたいな映画でした✨🍷

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らまんば

3.5長いぞー

2024年3月12日
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見る時の体調というか眠気が0の時に見ないとしんどいかも。ドッグマンとかコビィナントなんて何人か亡くなってるのよ。この映画は亡くなった人は1人。回想シーン 音声のみもありで真相にせまります。夫婦の会話とか見てると辛くなりました。
犬のアスピリンで死にそうな場面とか犬好きは見れません。犬は望んでいることをしているなんて会話もあり、ドッグマンの犬かよって思いました。
雪で亡くなっているのはやっぱりファーゴを思い出します。

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ルゲ式

3.5判決は真実より印象、ラストはそういうこと?なのか?

2024年3月11日
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知的

難しい

日本国内で史上最も話題となっている米国アカデミー賞。作品賞『オッペンハイマー』の独壇場の中、脚本賞でカンヌ栄冠の一矢を報いたこの作品。
旦那の転落死は自殺なのか妻の殺人なのか事故なのか、物語は妻による他殺の線での法廷劇。
実は『夫婦の落下の解剖学』といえるストーリーは夫婦仲怪しい夫婦には真に迫る物語では・・・。また『パルムドッグ』を受賞したワンちゃんの演技は物凄い。判決は真実より印象、ラストはそういうこと?なのか?

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masayoshi/uchida

3.0誰しも法廷には立ちたくない

2024年3月11日
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 ☆4でも良いかと思ったけど、わりと先進国ですと同じ様な事が起こりうる法廷の話。

 もちろん有罪ならば、動機だけでなく法廷で聴衆者の前で生い立ちから何から何まで明らかにされて、そして無罪であっても同じ様な事が起こる。最終的に無罪になっても心の傷は残り、元の平穏な生活は帰ってこない。

 そんなことに希望がない。希望がない映画は虚しい。映画にやれることはいろいろあって、それがない映画は評価下げてます。

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カツラギ