コヴェナント 約束の救出のレビュー・感想・評価
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イギリス人監督視点のアフガニスタン戦争
最初から最後まで、見ごたえのある映画でした。
キンリ―が自分の言葉で語るように、アーメッドとの関係は『恩/約束=呪い』であり、ハリウッドが美化して描かずにやり過ごしそうな部分まで、さらっと抉ってきます。
そして、主役の二人だけでなく、キンリ―の奥さんキャロラインや民間軍事会社のパーカーなど、この映画に出てくるキャラクターには確固たる芯があって魅力的です。みんな、何らかの形で救出作戦を支えてくれます。
しかし、この映画の本体はエンドクレジットではないかと思います。見事に映画体験を頭から消して、現実に巻き戻してくれます。
『米軍のアフガニスタン撤退後、タリバンが実権を握って300人の通訳が殺された』
このナレーションには驚きました。
『これ、あくまで映画だからね』と、監督自身に言われたような気分です。
エンドクレジットの間ずっと頭に残るのは、映画化するにはあまりにも残酷で救いのないストーリーが、死んだ通訳の分だけあるということ。
そっちの方が現実で、アフガニスタン撤退の舵取りをしたどころか、自分が大統領であることすら忘れていそうな老人が仕切っている国の話だということを、嫌でも実感させられます。
いや、面白かったですよ。けど…
此の所、ペース早目なガイ・リッチー監督ですが、前作『オペレーション・フォーチューン(23)』のレビューでも触れたとおり、若干彼の映画に興味を失いつつある私。はっきり言うと、よく考えられているのは解るけど、そんなに面白いと思わないと言うか、飽きているところがありまして。。ただ、今作はどうも毛色が違う作品性のようだし評価も高そう、ということでそこそこ悩んだ挙句に参戦です。
で、感想はというと、文句がないほどには面白いと思います。何といっても「流石、ガイ・リッチー」と思える脚本の構成こそが、この作品を映画としての「エンタメ感」を間違いないものとして成り立たせています。
ただ、どうしても文句を付けたいわけじゃないのですが、良く出来てるからこそ若干その「エンタメ感」が「作り物感」にも感じてしまう点が、盛り上がりにおいてもいまいちカタルシスまで届かないかな、と。社会派と言えるほどの人間臭さがないばかりか、何ならちょっとカッコよすぎることもあって、「ドキュメンタリーに着想を得て」と言われてもほぼリアリティーは感じられません。何なら、今どき戦争を「カッコよさ」で語ることに古さも感じるし。そしてまた、そう感じ始めてしまうと「有りがちなツッコミ」とは言え、やはり弾は当たらないものだなと思わざるを得ず。(死ぬ奴はアッサリ死ぬんだけどね)状況の悪さや戦力の違いに対して、無視しきれない「都合の良さ」が気になることは否めません。
いや、面白かったですよ。充分楽しめましたし評価点だって、平均以上の3.5つけているわけですし。ただ、他人に「劇場一般料金2,000円を払う価値はありますか?」と聞かれれば、正直「配信でもいいと思う」というのが私の個人的な評価です。ガイ・リッチーファンの方、悪しからず。
梯子を外された人たちへの償い
国の将来を、子供たちの未来を思い、裏切り者と蔑まれ、自らのそして家族の生命を危険にさらしてまでも、アメリカを信じて協力した人たち。
映画の中では、通訳のアーメッドと家族にはアメリカのビザが発給され、救出される。
しかし、エンドロールの前に、アメリカがアフガニスタンから撤退した後、アーメッドのような通訳や協力者の多くがタリバンに処刑され、あるいは今も身を隠していることが字幕で知らされる。
この映画でその事実を突きつけられる。
英国人のガイ・リッチーだからこそか。
今まさにウクライナでも同じようなことが起ころうとしている。
アメリカのなんと無責任なことか。
忘れてはいけないこと。
洒落た娯楽作品を作っていたガイ・リッチーがこの映画を作ったことは意義深い。多くの人がこの映画を観て、忘れてしまっていること、知らない振りをしていること
を考えてほしい。
梯子を外された人たちへの償いでもある。
それにしても、ヘリの銃撃で一掃。タリバンなんて人間て思ってないんだろうな。
幸せな国で、幸せな時代に生きている私たちは好き勝手なことを言っている。
せめて映画を観て考えよう。
すげーわかりやすい
人を助ける理由
兎にも角にも戦争が無いことが一番
あらすじとかはあまり読まず、なんとなく任務地から米軍基地まで一生懸命に帰還する=負傷した上官を救出するっていうシンプルな話かと思ったら、これはまだ話の半分だったのか!と見ながら驚いていました。
まさか無事に家に帰ってからが、新たな闘いの始まりだったとは。それにしてもビザ降りなさすぎ。あとこういういきさつなら助けられたジョン・キンリー氏の単独救出でなく(最終的には多くの協力者はいたけれども。。)最初から米軍そのものがもっとアーメッドさんの保護に力を尽くすべきなんじゃないか??って思いました。
家族で逃げるほどに追い詰められる前に、ちゃんとアメリカ国内に居場所を確保してあげればこんなに逃げなくて良かったのに。これ、ジョンが「命の恩人を助けよう」とここまで深く思わなければこれだけの行動を起こさず、そしたらアーメッドさんは一生隠れて生きるだけになるの??そこまでジョンの良心の呵責に頼るだけの案件なのか。。とアメリカ政府にやや落胆。
通訳の人全員にビザを出すんじゃなかったの??そのへんの対応が遅いのは国としてどうなの??とお役所対応にジレンマ。
映画に取り上げられた人は無事にアメリカへ行けたようだけど、他の多くの通訳の人達の顛末を考えると、とにかく戦争そのものが無ければ皆こんなに苦しまないのに、と思いました。
あと最後、パーカーさんは一応契約通り助けに来てくれたけど、ジョンからの電話に出ないで上空からの一掃攻撃って。。。ジョン達には当たらないように画像分析しながら攻撃したにしても。。何でジョンに「約束通り助けに行くから、でも火力強いんでそこからは決して動かないで!」って連絡、何でしなかったのか。。ちょこっと疑問が残りました。
助けてもらえて良かった〜だけでなく、実は助けられたほうが、逆に精神的な呪縛があるっていう真実を伝えてくれた、重い映画でした。
信頼、友情
良かったです。
映画見たーって感じでした。
最後までハラハラしながら見ました。
米軍対タリバンの戦いにおける、米軍兵士とアフガン人通訳者の二人が、命を互いに救うストーリー。
通訳者との関係を描いた点が興味深いなと思ったのですが、当然ながら通訳も非常に命がけ。過酷な戦場で得る信頼関係は特別なものだと感じました。
そして、家族との関係もこのタイトルに集約されているように思います。
これまで見た戦争映画は多くないけど、ほとんどベトナム以前のもの。
現ロシア対ウクライナも含め、新しい歴史にも戦争がなくなっていないことを改めて考えさせられました。
冒頭、キャラクター紹介とセリフの字幕が同時に出るため追い付けるかと思いましたが、そこはそれほど重要ではなかったです。
最後にアーメッドを脱出させるためのトラックが、ちょっとデコトラですね(笑)
*****
映画館通いがここ2~3年で復活したので、ガイ・リッチー映画は「スナッチ」、J・ギレンホールは「ブロークバック・マウンテン」で止まっていたため久々に見ることができました。
鳥肌が立つほど感情が揺さぶられる
天使の一撃は正確すぎて現実味がないが、それがないと重苦しくて悶えてしまう
2024.2.27 字幕 TOHOシネマズ二条
2023年のイギリス&スペイン(123分、G)
アフガニスタン戦争下にて、命の恩人である現地通訳救出の顛末を描いた戦争映画
監督はガイ・リッチー
脚本はガイ・リッチー&アイバン・アトキンソン&マーン・デイビス
原題は『Guy Richie‘s the Covenant』で、「ガイ・リッチーによる契約」という意味
物語の舞台は、2018年のアフガニスタン・ラシュカルガ
アフガニスタン戦争にて、破壊兵器の探索を任されている一等軍曹のジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)率いる小隊は、現地の情報をもとに、疑念のある場所の探索を任されていた
ある日、新しい通訳としてアーメッド・サリム(ダール・サリム)が着任し、キンリーと行動を共にすることになった
キンリーは現地民からの情報を得て行動するものの、土地勘のあるアーメッドは情報の精査も正確で、次第に信頼を得ていく
そんなある日、ファラジ(Ash Goldeh)という男から工場の情報を得たキンリーたちは、120キロ離れた丘の上にある工場を目指した
だが、その動きはタリバンに監視されていて、隠れていたタリバン兵から総攻撃を喰らってしまう
キンリーたちは応戦するものの、敵の数に圧倒されて小隊は壊滅、なんとかキンリーとアーメッドだけは生き残ることができた
キンリーは被弾しており、アーメッドはなんとかして基地へと帰ろうと試みる
だが、タリバン支配下の地域を100キロ移動するのはリスクが高く、アーメッドは現地民のアドバイスを受けて山道を行くしか方法はなかった
敵から奪った車での移動は目立つため、途中で車と手押し車を交換する
その後も、幾度となくタリバン兵との接近や、応戦を繰り返すのちに、なんとか基地近くでアメリが軍に保護されることになったのである
物語は、前半を基地までの帰途を描き、後半にキンリーが目覚めてから、アーメッドを捜索する様子が描かれていく
捜索しようにも、滞在ビザを取れなければ意味がないのだが、移民局の動きは鈍く正規ルートではいつ承認されるかわからない
そこでキンリーは、ヴォークス大佐(ジョニー・リー・ミラー)に強引な提案をし、単独でアーメッドの探索に向かうことになったのである
現地の協力者を助けるという映画は数多くあるので、ネタとしての新鮮味はない
だが、本作は「アーメッドがキンリーを助ける過程」を綿密に描き、さらにアーメッドを救出する過程も緻密に描いていく
その重圧がリアルテイストになっているために、FOB2(天使)が登場した時の高揚感は思った以上に熱いものになっていた
あの爆撃でダムが破壊されないかにヒヤヒヤしてしまうが、性格無比の射撃でダムには一切傷をつけずに敵だけを殲滅していくので、考えるだけ無駄な作業だったりする
この辺りは「盛っている」のだが、これぐらいでちょうど良いバランスになっていたのではないだろうか
いずれにせよ、いつものパターンかのように「USA! USA!」の展開になっていくのだが、本作の場合は「道具として捨てられている現実」というものにも言及していく
バイデン政権によって、アフガニスタンから撤退したことで、タリバン政権が生まれ、それによってかつてアメリカに協力したとされる数百人の現地民が殺されていることを伝えていく
アーメッドに功績があっても、その内の一人になっていた可能性があるので、それが起こらなかったこと自体が奇跡だったと言えるのではないだろうか
胸熱
ガイ・リッチーが戦争映画?!と驚きつつ
それでもコミカルさも含んだエンタメ作品だと
思っていたら…
曹長キンリー(ジェイク・ギレンホール )と
通訳アーメッド(ダール・サリム )との熱い絆と
キンリーのために100km以上も手押し車で
米軍基地まで連れていく姿も
命懸けで自分を助けてくれたアーメッドのために
ビザ取得のために奮闘し、危険を省みず再び
戦地へ向かう姿も終始ハラハラし、
男の友情?絆?の強さに胸が熱くなる❤️🔥
ジェイク・ギレンホールはもちろんのこと
ダール・サリムというイラク人俳優がとても
魅力的で、彼が主役と言っても過言ではありません🖐
命懸けの救出劇がシンプルに胸に響く
予告に興味を惹かれて鑑賞してきました。予想以上に見応えがあり感動的な作品で、満足度が高いです。
ストーリーは、アフガニスタンでタリバンの武器庫捜索の任に就いていた米軍曹長キンリーが、爆発物製造工場を発見するものの反撃に遭って負傷し、仲間の中で唯一生き残ったアフガン人通訳アーメッドのおかげで九死に一生を得て帰国するが、自身を助けたことでアーメッドがタリバンに狙われることになったことを知り、アーメッドを救出するため再びアフガニスタンへ向かうというもの。
内容はほぼこれだけで、捻りはありません。しかし、おかげでアーメッドとキンリーが立ち向かった命懸けの二つの救出劇が、極めてわかりやすく、シンプルに胸に響きます。中でも、キンリーが命の恩人に報いたいという思いだけで行動しているのではなく、自身のPTSDを取り除くことも救出行動の理由の一つとして描いている点がいいです。単なる美談とするのではなく、キンリーの苦悩も赤裸々に描くことで、説得力が増している気がします。
アーメッドを救いたい一心で関係機関に電話をし続け、それがまともに取り合ってもらえないことでキンリーが味わう、無力感や徒労感もよく伝わってきます。だからこそ、もう一度戦地へ赴こうと決意する彼の心情は、察するに余りあります。そんなキンリーを陰でしっかりと支える妻の存在感が、本作をさらに感動的なものとしています。わずかなシーンながら、救出に向かうキンリーの背中を押す妻の姿に目頭が熱くなります。
また、アクション映画にありがちな派手な銃撃戦もあえて抑え気味に描き、それでも背後にじりじりと迫るタリバンの恐怖を描いている点もいいです。アフガニスタンの緊迫した情勢とタリバンへの憎悪、人々が味わう命の危機と隣り合わせの日々など、リアリティをもって迫ってくるようです。ラストは想定の範囲内ではありましたが、それでもここ一番の米軍の機動力には心揺さぶられます。あんな機体は初めて見ましたが、ハンパない破壊力に驚きました。下手をしたらダムが決壊するんじゃないかと、よけいな心配してしまいました。
主演はジェイク・ギレンホールで、アーメッドを思って行動する姿が熱いです。脇を固めるのはダール・サリム、ジョニー・リー・ミラー、エミリー・ビーチャム、アントニー・スターら。
意外と社会派
ガイ・リッチーだから、やはりとことんカッコよさ優先の硬派な展開。
物語としては綺麗に収束するが、この裏には「ミッション成功の暁にはアメリカ永住ビザ発行するよ」という餌で釣った、アフガニスタン人通訳たちの無念があり。
約束を反故にされ見捨てられ、米軍撤退後にタリバンが政権を取ったために、数千人規模で元通訳が処刑されたことを指して、米軍・米政権を批判する作品でもありました。
エンタメ監督と思っていたのに、社会派で驚きつつ。
アフガン撤退はトランプがタリバンと締結し、バイデンが実行したので、どちらの政権とも「約束は守らなかった」という事実のみがあり。
これって、国際社会において、アメリカが悪者扱いされても仕方ないと思ったよ、まったくもう。
「コヴェナント」が達成される事を願う
米軍とアフガン通訳従事者に関してのTVドキュメンタリーを見て以来ずっと気になっていた内容でした
撤退後残された元通訳者、その家族が今もビザが出ず命を狙われ落としているとのこと
それぞれの理由があって通訳として従事した(せざるをえなかった)アフガニスタン人と米軍との「コヴェナント」が達成され、一刻も早く出国し家族と共に平穏な生活を送れるよう願うばかりです
劇中主人公上司の働きかけでアーメッド家族全員のビザが下りたのなら、現地で関わった心を痛めているはずの軍人がもっと動けば従軍通訳者のビザがもう少し迅速に下りるのでは,,,
この映画が、忘れ去られてしまった様なこの問題の解決、その働きかけの一助となる事を願っています
ストーリーはわかりやすい
本日観ました。
事実に基づいての映画との事。
初めから終わりまで、二人の絆が途切れる事はありません。
現実に、戦争が起こっているこの世界。
映画とはいえ観て良かったです。
通訳の方、今でも現地で恐怖に怯えているのでしょうか。
トランプさん、次期大統領‥?
何とかしてほしいと思いました。
戦争は皆不幸です。
エンターテイメントとして観れば楽しめます。
現実的として観てしまうと、悲しくなってしまうかなあ‥
アメリカ万歳映画と思いきや
2018年のアフガニスタンが舞台
ガイ・リッチーらしくアップデイトしていた。
DAY01から泣ける。
米軍を裏切るのも、
米軍に寝返るのも、
家族の為、
え?
ガイ・リッチー作品?
冒頭のトラックの爆破も、
大げさにみせない、
派手な事はやらない、
そんな事で勝負しない、
ガイ・リッチーの成長した巧みの技から引き込まれる。
記憶が断片的に戻ってくる、
約束、絆、痛みを併せたシークエンス。
カメラを上下させて、
2人の銃の、
lock、stock、barrel、smokingの編集、音楽もガイ・リッチーらしくアップデイトしていた。
【蛇足】
後半、イスを置いて、この辺は犬が多いな。
ガイ・リッチー自身の姿を見てる気分になった。
ダイヤを飲み込んだ犬が吠えてるんだよ・・・
いろいろあったよな・・・
映画に救われたから、
映画に恩返しに来たよ、、、
信頼
信頼するためには優しさや誠実さだけではダメで、肉体的な強さと、何より心の強さが必要。
とても、今、同じ地球上で起こっていることとは思えないが、実際には似たようなことが、アフガニスタンに限らず、ウクライナで、ガザ地区で、あるいは各紛争地域で行われているのだろう。
戦争をエンターテイメントにしているという厳しい見方もあるかもしれないが、これらの映画によって関心が高まれば、それこそ中村医師が言っていたような「健全な良心」が何らかの紛争の解決に繋がることもあるかもしれない。
中村さんはこんな所で働いていたんだなあ、と改めて感じたり、時折TOYOTAのピックアップが出てくることによって、今、地球上のどこかで現実にあっていることなんだと認識できた。
必ずよジョン・キンリー
2018年アフガニスタンで、タリバンに襲撃され負傷し通訳に助けられた米陸軍軍曹が、タリバンに賞金をかけられた軍曹を助けに戻る話。
タリバンの爆弾工場や武器庫を探す部隊が、基地から車で3時間の場所にある爆弾工場を発見したが、急襲を受けて壊滅状態になり、キンリーとアーメッドの2人で逃げることになっていくストーリー。
能力的には優秀だけど扱い難いとされたアーメッドの序盤の行動は半信半疑。
そこから、過去の話しや2人になってからの行動でどんどん熱くなって行き、なるほどこいつは英雄ですね。
そしてただの乗客の報いる時…!
ところどころクドさを感じる引っ張りや繰り返しはあったけれど、判り易いしスリリングだし激しいしカッコいいし、非常に面白かった。
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