オットーという男のレビュー・感想・評価
全293件中、241~260件目を表示
優等生的に全方位に良く出来てる
原作…というかスウェーデン映画の方は観ていないので比較は出来ないが、本作は抜けやら漏れやらなく、全方位にキチンと配慮された優等生的な秀作となっている。
作劇としても非常に丁寧で、オットーの「やろうとすること」とそれを邪魔する出来事、それがもたらす新たな結びつき、と丁寧に積み重ねられてゆき、それが彼を「ここ」に繋ぎ留める。
ジェンダーや人種の配置とそれが持つ意味合いへの配慮も入念で、百点満点的に良く出来ているだけに逆に突き抜けたエモーションに繋がらないのでは、とすら思えてくる。
そういうのはある種バランスが悪い映画の方が持ちやすかったりするもんだから…
配役も含めてまったく隙がないんだが、この監督、過去作を観てもそれ程でもなかった認識。とすると、トム・ハンクスとともにプロデュースをつとめる彼の妻リタ・ウィルソンの果たすところが大きかったのかな、と邪推…
いや、良い作品が出来るのならなんでも良いんですが…
マリソル役のマリアナ・トレビーニョさん、最高でした。
彼女でなければオットーをこの世に繋ぎ止められなかったのでは、と思わせられます…
やや堅めの邦題とキービジュアルですが、
作品自体は終始軽快な明るさで進行し、着地も爽やか。
そろそろ終活を考え始める中年以降世代にはささりまくり。
若い人にはしらんけど、オッサンには元気と勇気をもらえました。
コチラの評価はやや低く感じたので、ちょっと贔屓で星プラス1。
話の軸はシンプルでポピュラーだけど
町の偏屈じいさんが、新たな出会いを通じて心を開いていく話…という、これまでにも似たような話はあちらこちらで見た、謂わば手垢の付いたネタではある。
本作はそこに、社会的弱者やマイノリティ達への視線を織り込みながら、名優トム・ハンクスが見事に描き切ったヒューマンドラマ。
もうこれ以上に説明の仕様もないくらい、シンプルな「THE いい話」。
その分、こちらが驚く様な何かが待ち受けているワケではないものの、観客の心を掴むのが本編ではなく、その後のエンドロール、という辺りは「やるな」と思わされる。
くそじじい
くそじじいは嫌いだ。
観ているだけでむかついてくる。
だが、同時にどこかでシンパシーも感じてしまう。
・人間関係は面倒でバカどもと付き合うのはごめんだ。
・規則を守らない連中には腹が立つ。
・他人の家の前に糞尿をまき散らす愛犬家にはうんざり。
・でも、どこかで真のつながりはどこかで欲している。
・妻を心から愛している???
何と言ってもマリソルが効いている。
こういう無神経なようで実は心優しく思慮深い女性は良いね。
予告編からは老いらくの恋?かとも思ったが、そのような要素は微塵もなかった。
逆にその方が良かった。
で、何となく最近どこかで観たような・・・・既視感が・・・・
もう歩けない男のロシア人女性だ!
男を変えるのは恋人じゃなくても女性だね。
亡き妻への想いも心に染みた。
言葉少なながら、いやだからこそ一層胸に迫った。
だから、老いらくの恋は全く不要だった。
私も自分のためだけには生きられない。
護るべきものが必要なのだ。
ラストは悲しむべきものだろうか。
護るべきものができて生きる意義を見いだして、
そんな中他人に思われながら迷惑をかけずに静かに去る。
しかも最愛の妻の元に。
至福の最後に違いない。
ソーニャという女 & マリソルという女
本作は「幸せなひとりぼっち」という作品のリメイクらしいですが、そんなことは全く知らず、トム・ハンクス主演で予告もおもしろそうだったので鑑賞してきました。期待を裏切らない出来ばえで、終盤は何度も涙してしまいました。
ストーリーは、曲がったことが嫌いでルールを守らない者を捕まえては厳しく説教する、町一番の嫌われ者のオットーが、妻も仕事を失って自ら命を絶とうとしていたとき、たまたま向かいの家に引っ越してきた家族と出会い、中でも陽気な女性マリソルとの交流を通して、もう一度生きる意味を見出すというもの。
まずは自己紹介がわりに、冒頭からかなり癖のある面倒なオヤジとして描かれるオットーが、なかなか個性的でおもしろいです。言ってることに間違いはなくても、この態度では煙たがられてもしかたがない…と思っていたら、なぜかご近所からは親しげによく声をかけられます。一見すると偏屈に映る彼の本当の内面、また彼がこうなった経緯を、町のみんなはよく知っているからなのでしょう。実は本来のオットーはこんな男ではなかったことが、ここからわかります。
ネタバレになるので多くは語れませんが、本作は壊れた男の再生の物語です。オットーの人生に最初に彩りを与えてくれた最愛の妻ソーニャ。彼女を亡くしてモノクロとなった彼の人生に再び色を与えてくれた陽気なマリソルをはじめとする近所の人々。これらの人々のおかげで、オットーは幸せな人生を送れたのだと思います。でも、それは単に周囲の人々が優しかったからではなく、彼自身の人柄が引き寄せたものです。素っ気ない態度ながらも何度も面倒を見たマリソルの子供が描いたオットーの絵は、その象徴のようでした。
もはや日本でも希薄となったご近所付き合いですが、本作ではその温かみを改めて感じさせてくれます。心に空いた穴を自分だけで埋めるのは、なかなか難しいものです。頼れる人がいる、頼ってくれる人がいるというのは、誰かと繋がっている証です。そんな人がいるのは、実はとても幸せなことだと気づかせてくれます。
主演は名優トム・ハンクスで、文句のつけようのない名演です。脇を固める俳優は知らない人ばかりでしたが,どの役も上手くハマっていて、作品を盛り立てています。
オリジナルが好きだったが
オリジナルの方がもっと偏屈な感じを全面に出してた感じだが、こちらはバリバリ、トムハンクス。
奥さんのシーンもオリジナルはもっとあったが、こちらの方が泣けた気がする。
いろいろ丁寧に描いてたなと思う。
オリジナルの方が良かったけど、奥さんが魅力的に描けてたので、満点差し上げます。
こんなに愛されて幸せだなぁ
亡くなった奥さんが好きすぎて死にたがっている頑固じいさんの話。
オットーおじいさん、真面目過ぎて融通が利かないけど悪い人じゃないので、結局みんなからの依頼に応えていくのが可愛い。
自殺するにも周りに迷惑をかけないように入念な下準備をしすぎて、結局何かしらの邪魔が入る。
頑固な理由もちゃんと最後にわかります。ご近所さんがみんないい人でよかった。
個人的にかなり好き。
リメイク元の『幸せなひとりぼっち』は見ていないので、鑑賞したい。
素敵なハッピーエンドなんだけど、悲しくて泣ける映画。 本年度ベスト!
予告編から推測されるストーリーだったけどオットーがそんなに嫌な人じゃ無い(笑)
そしてラストで泣かされるとは全く予想も出来なかった。
妻に先立たれ仕事も定年となり、妻の元へ自ら旅立とうとするオットー。
何度も試みるも周りに邪魔され妻の元になかなか行けず(笑)
真面目な性格から周りから煙たがれるものの何故か憎めない。
近所に引っ越してきたマリソルの家族。
お節介な感じのマリソルと交流を深めて行く中、オットーの気持ちに変化が生まれる展開が良かった。
これに加え、仲違いした近隣の人やトランスジェンダーのビラ配り、そして野良猫との関係が変化して行くのが印象的。
オットーの現在と過去の出来事が水平して展開するストーリーが良かった。
ラストが呆気ない感じなんだけど、オットーが残したメッセージに泣ける。
ラストは泣けるけど幸せを分けてもらった感じの素敵な作品だった感じ。
オリジナル版があったと観賞後に知る。オリジナル版も観たくなりました( ´∀`)
「君を想い、バスに乗る」を思い出してしまい、、、
妻を失った夫の哀しみ、回想シーンと現在の心理状況・出来事とがパラレルに明かされていく構造、あずかり知らぬところで主人公が遭遇したハプニング動画がSNSでバズってしまうところとかがいろいろと「君を想い、バスに乗る」に被るような気がした。比較すると、一つ一つのトピックスがあまり必然性や因果関係なく付け足されていく感じがして今一つのめり込めなかった。何度も試みる自殺も狂言ぽくて、同情できず。シリアスなのかギャグなのか、脚本の軸がわかりにくい感じ。(現代アメリカ社会の問題点を詰め込みすぎ??)
「今度のトム・ハンクスは嫌われ者」みたいな予告が盛んだったけど、もともと彼なりに地域に溶け込んでいたと思う。かたや日本のリタイアおじさんたちは、嫌われてはいないにても地域の見回りなんてしない人の方が多いんじゃないかな。
男女逆転でこの手のストーリーは成立しずらいように思うけど、それは私がジェンダー的な固定観念に染まりすぎてるのかしら、、、とか、まあいろいろと考えさせられる意味でも良作であったのだろう。
リメイク作。単体で観ると良いがやっぱり、、
6年ほど前に公開されたスウェーデンの作品をリメイク。トムハンクスだし、上手いし、良い作品に仕上がってたと思います。たぶんこの作品だけを観れば良い作品を観たな、と思えたと思う。移民家族の女性役の人も、隣人の老夫婦も、みんな良かったです。でもやっぱりオリジナルのスウェーデン版には及ばないという感想。
ハリウッド作品らしく、全体的にほのぼのしていてオットー自身もわりとユーモアがあったり良いことを言ったりしますが、スウェーデン版は終始硬質で無愛想なまま最後まで進みます。それが良いのです。「死」が身近にあり、「死」に向かおうとしていた男が、最後に「生」そのものである赤ん坊を抱き、表情を緩める。それだけで本当に感動しました。リメイク版はほのぼのした写真とかもいかにもハリウッド風で心を動かされるものの、わたしはオリジナルの方がよかったと思いました。好みもあるかもしれませんね。
過去の部分の挟み方も、スウェーデン版の方が上手く、心に沁みました。オーヴェ(オリジナル版の男の名前)の父との関係から描かれ、孤独に生きてきた彼がソーニャと出会い、若い2人の残酷で美しい、かけがえのない日々もよく描かれていました。学校にスロープの設置を訴えるところなどもよかった。
この作品に関しては、あの寒々として無骨な北欧の空気感がとてもあっていた気がします。だからこそ、ラストの赤ちゃんを抱くシーンが活きたと思いました。
またオリジナル版見直そー☆
アブエロ・オットー
妻に先立たれ死にたがる頑固ジジイが向かいに引っ越してきたメキシコ人家族との交流で変わって行く話。
曲がったことが嫌いで地域の見回りをし、頑なにルール違反を咎め嘆く爺さん…どうみてもロープはあんたが間違ってるけどね。
そんなオットーのお向かいに少しトロい旦那と2人の娘とバカじゃない妊婦のメキシコ人家族がやって来て始まって行くストーリーで、概ね「幸せなひとりぼっち」と同様の展開だけど、演出の違いか、トム・ハンクスだからか、どうも疲れた偏屈ジジイという感じが余りなく、ハキハキ快活な男という感じがしてしまう。
つくりもこうすれば感動するんだろ?的なアメリカ映画という感じが滲んでいるような…とはいえ、これもメチャクチャ面白かったけど。
個人的好みの問題だろうけれど、自分はスウェーデン版の方が好み。
自分的にはかなり良かったです。
人生の終焉について考えてみようかと思い、何かしらの参考になればと鑑賞してみました。感想としては、かなり良かったです。ただ、考えさせられることも多々あり、その内容を記述させていただきます。
①人は一人で生きていくことは厳しいですね。主人公のOTTOは都市の中で生きてはいるのですが、妻に死なれて心情的には既に一人きりだったのでしょう。冒頭に出てくるロープ代金の話(死のうと思っている人間が、ロープ代金の差額の33セントを気にする というの)も、そのような心情・性格が原因からなのかもしれません。
②最近「お一人様」という単語がかなり標準になってきましたが、本当に良いのでしょうか? 考えさせられました。更には、男一人だけでは弱く、世になぜ男性・女性の2種類が存在するのかよくわかりました。基本的には(当然例外あり)「人間とは、力は男性が心は女性が」受け持つようになっているのでしょう。
③また、隣人の女性(マリソル)もいい味を出していましたね。まさに、心を受け持つ女性の良さが全面にでていました。途中、OTTOが「あなたは愚かでは無い」と連呼していましたが、実は「カルフォルニア大学修士卒(チラ見だったので間違っているかもしれません)」なので、愚かどころか実は高学歴女性でした。
④あと、エンディングですが、OTTOさんが死んでしまうストーリーではなく、平和に生き続けていくエンドにしても良かったような気もしました。ちょっと涙がこぼれてしまいました。
余談
シボレー(GM)、フォードの車の好みでのイサカイの話がでてきました。で、フォード好きの人がトヨタに変遷したので「一貫性がない者とは仲直りできない」という話がでてきました。息子が日本に行ったっきりという話が出た時点で、(恐らくは)息子がトヨタに入ったので、フォードからトヨタ(息子を信じたため)という話を、個人的には入れて欲しかったです。
<主な基準(今後のためのメモ)>
4.5 観て良かったと感じた映画
4.0 おすすめできる映画、何かしら感慨を感じる映画
3.5 映画好きなら旬なうちに見てほしい映画
3.0 おすすめはできるが、人により好みが分かれると思われる映画
あの猫ちゃん、妻の生まれ変わりじゃね。
トム・ハンクス演じるオットーは会社を退職して、自宅の電話や電気などを解約する。何でそんな事するんだと思ってたら、自殺する為だったのね。半年前に妻を亡くして生きる意欲が無くなり死を選択していたのだか、出会った頃の妻を思い出したりして、生きる事の大切さを考える。そんな時、隣に引っ越してきたメキシコ人家族。ユルユル旦那にキレキレ奥さん、可愛い娘2人。外国に住み始めだからいろいろあるよね。そして昔からの友達夫婦。前は仲良かったのにある時から対立中の旦那。
話としてはでかい事件のないご近所付き合いがメイン。退屈と感じる人も多いんじゃないかな。でも自分的にはオットーの性格がカッコよくて楽しかった。毎日、パトロールをして分別ゴミを整理するなんて偉い。頑固な感じのトークだけど優しさと誠実さが伝わってきます。トム・ハンクス、流石です。フォードとシボレーの対立も面白かったし、トヨタが出てきたのも楽しかった。なにより猫ちゃんが可愛かった。最後は予想通りでウルッ。エンドロールもとても綺麗で良かったです。
結末はおよそ見当は付きますが、それでも(T_T)
幸せなひとりぼっちについて考えてみた。
結婚しない、お一人様高齢者が、日本の未来には多数存在することは想像に難くない。
幸せかどうかの物差しはなんだろうか?
どれどけ迷惑を掛け合える人がいるかにかかっているような気がする。
お一人様こそ、書を捨てよ町へ出よう、ですね。
シボレーとフォードと、時々トヨタ
「最近の奴らは意気地なしだ、だが我々はしぶとい」
この15年間、トム・ハンクスがどれだけイーストウッドにヤキモチを妬いていたかがよく伝わってきました。
フォード派の親友に対して頑固なまでにシボレーへの忠誠を貫くオットーの姿勢が本当に笑えた。
男寡のガンコジジイ、多民族な隣近所、巻き込まれるご近所トラブル…なんかフォードの車でも似たような話を15年前に観たぞ...
それはさておき、脚本は非常に丁寧。しっかりと伏線回収をしてくるあたり、製作陣の誠実さが伝わってくる(伏線回収を丁寧にやり過ぎて展開が読めてしまうくらい。なのでもう少し雑でもいい)。時代に取り残されたアメリカのガンコジジイって結構好きなんだよな...
単なるハートフルウォーミングではなく、昨今アメリカが抱えているであろう社会問題をちらつかせることでやや苦味が加わっている点も捻くれ者の僕には好印象でした。
全293件中、241~260件目を表示