水は海に向かって流れる

劇場公開日:

水は海に向かって流れる

解説

田島列島の同名コミックを、広瀬すず主演、「そして、バトンは渡された」の前田哲監督のメガホンで実写映画化。

高校に入学した直達は、通学のため叔父・茂道の家に居候することに。しかし最寄り駅に迎えに来たのは、見知らぬ女性・榊さんだった。しかも案内されたのはシェアハウスで、会社員の榊さん、親に内緒で会社を辞めマンガ家になっていた叔父の茂道、女装の占い師・颯、海外を放浪する大学教授・成瀬ら、くせ者ぞろいの住人たちとの共同生活が始まる。いつも不機嫌そうだが気まぐれに美味しいご飯を振る舞ってくれる榊さんにいつしか淡い思いを抱くようになる直達だったが、彼と榊さんの間には思わぬ過去の因縁があった。

広瀬すずが榊さん役で主演を務め、「キングダム」の大西利空が直達、「横道世之介」の高良健吾が茂道、アニメ映画「かがみの孤城」で主人公の声を担当した當真あみが直達の同級生で颯の妹の楓を演じる。

2023年製作/123分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2023年6月9日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16
  • 画像17
  • 画像18
  • 画像19
  • 画像20
  • 画像21
  • 画像22
  • 画像23
  • 画像24
  • 画像25
  • 画像26
  • 画像27
  • 画像28
  • 画像29
  • 画像30
  • 画像31
  • 画像32
  • 画像33
  • 画像34
  • 画像35
  • 画像36
  • 画像37
  • 画像38

(C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 (C)田島列島/講談社

映画レビュー

3.5人の心の柔らかい部分に真っ直ぐに触れてくる純情高校生

2023年6月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

週末の仕事帰りに、何か映画が観たいなと思い たまたま時間があって、評価もそこそこだった本作品をチョイス。予告編すら観ていない真っ白な心で鑑賞いたしました。 途中まで、重い話かな?と 少し選択を間違えたかと後悔しかけましたが、 観終わった後は、あらまぁ不思議?! ひと言で言うなら、 「なんだか清々しい気持ち」でした。 この気持ちの変化をもたらしたのは 紛れもなく広瀬すずちゃんの演技によるものでしょう。正直、世間で評価されているほど好きな女優さんではなかったけれども、今作品においては、彼女なくしては成立しなかったと思えるほど彼女の演技に釘付けになりました。 主人公の高校生を演じた大西くんもとても良かったです。 誰にでもある、こころの奥の一番柔らかい部分-触れられたくない、でも触れない限りは決して次には進めない人生の課題- そういった課題には、こう立ち向かえ! というお手本を見たような気がします。 主人公のナオタツくんの ピュアなハートにやられました。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
ななやお

3.5素材は良いのに、もったいない

2023年6月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

衣装から花からインテリア小物までカラフルでキラキラな映像コーディネートは、インスタ世代を意識した“ばえ”演出か、将来の配信でのスマホ視聴を見据えた作りなのか。 「子供はわかってあげない」に続き田島列島の漫画が実写映画化されるのは2作目。数多くのランキングで上位に入り手塚治虫文化賞新生賞の受賞理由にもなった原作は未読ながら、映画公式サイトに掲載された抜粋を見ると、素朴だが味わいのあるキャラクター造形、恋愛しないと宣言している榊さんや売れていない漫画家の茂道をはじめ服装はシンプルで地味目の印象だ。 榊さん役の広瀬すずと茂道役の高良健吾は人気・実力で世代トップクラスの演者だし、高校生の直達役の大西利空と同級生の楓役・當真あみも共に十代ながら多数の作品で目にする売れっ子。前田哲監督は、生年は非公表のようだがインタビューで岩井俊二監督(現在60歳)とほとんど一緒の年齢と語っていたし、1998年に監督デビューして以来メガホンをとった映画は20本以上あり、ベテランの部類に入るのだろう。 高評価された原作漫画に、メジャーなキャスト陣と、素材は良いのに活かしきれていないもったいなさ。これは、思春期や青春期を描いた漫画を人気俳優のキャストとベテラン監督の組み合わせで手堅く(冒険しないで)稼げる実写映画化作品を量産してきた、日本の商業映画の構造的な問題ではなかろうか。まず榊さんのキャラクターで考えると、広瀬すずが(派手ではないにせよ)きっちりメイクして衣装もおしゃれで、恋愛から距離を置いている榊さんにしては人目をひく美人すぎ。代わりに誰とはすぐに思いつかないものの、広瀬すずほどわかりやすい美人でなく、もっとあっさりした顔立ちだが見慣れると人柄の良さがにじみ出てくるような、なおかつ化粧っ気のない顔でカメラの前に立てる二十代半ばの女優をキャスティングできなかったか。高良健吾が演じる脱サラした漫画家も、年齢不相応のキャラクターニット帽にカラフルコーデで薄っぺらくてリアリティーに欠ける人物造形だ。 冒頭に出てくるポトラッチ丼になぞらえるなら、高級和牛を普通のめんつゆで手早く味付けた料理を振舞われるのに似て、味覚が発展途上の十代なら最高に思えても、年相応に食の経験を積んだ大人なら「適切に調理すれば素材の良さをもっと楽しめるのにもったいない」と感じるようなもの。沖田修一監督・上白石萌歌主演の「子供はわかってあげない」が素晴らしかったからなおのこと、この「水は海に向かって流れる」も逸品になり得たのではないかと。

コメントする 3件)
共感した! 33件)
高森 郁哉

5.0純朴故に信じて疑わないチサへの憧れ

2024年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

漫画の実写化でしたか~ 大きな問題と細かな展開が隙間なく登場することで視聴者を飽きさせないこの作品。 見ごたえ十分で、この型こそが日本人にとって鉄板なのかもしれないと感じた。 純粋な心に付けられた深い傷 親と子という切っても切れない関係についた大きな傷 そのままでは一生その傷を見ながら生きていくことになる。 この物語は、次の展開がわかりそうで、でもそれを端然とかわして、それでいて想像した着地点の枠に収まっている。 さて、 この物語の中に散りばめられている「水」 駅の名前にも橋であれ海であれ雨であれ、絶えず水が流れている。 水は、低いところに向かって流れるのではなく、海に向かって流れるのだろう。 海とは母なる海で、すべてなるものの源 ありとあらゆる感情が流れ着く場所 水は、単なる物質であるが水を必要としないものなどない。 この物語で表現されている水とは、涙なのだろう。 様々な涙があるが、この物語のそれは成長点を意味しているように思った。 だから一つ成長したチサは、シェアハウスを出る決心をしたのだろう。 シューズのサイズ チサが履き比べたのは、男女の差でもあるし、彼の成長を感じ取ったのもあるのだろう。 その表情には寂しさなどはなく、むしろ清々しさに満ちていた。 「もうそんなのやめてください。大人のふりして突き放すの…」 最後のナオのセリフ チサは敢えて「大人にはいろいろある」と言ってみた。 その言葉に反応したナオ 彼の純粋さには嘘がない。 しかし、次のステージに進み始めたチサは、成長と同時に純粋さを持ち続けているナオに「バッカじゃないの」という。 校庭 ニゲミチの絵コンテの内容に気づいたナオ 同時にカエデもまたそれに気づくが、何故かにっこりと笑う。 このシーンだけ物語をまとめすぎてしまおうとする違和感が残ってしまった。 「終わりません。終わらせないです」というナオの純粋な恋心 恋愛したことのないチサに、彼の心はどのように伝わったのだろう? 間違いのない、疑いようのない純粋さ お互いの親のW不倫の末の心の傷 この傷ついた二人だからこそ導き出せた結果 心の澱の浄化 16歳で止まってしまったチサの成長点 現在16歳であろうナオ 橋の上の天気雨 イレギュラー しかしすぐに小康状態となる。 若気の至り 迷い 勘違い この短い期間だけの想い 様々な思いと気持ちをその雨が川へと流してくれる。 純朴ゆえの儚い想い あの瞬間のナオの嘘のない思いは、当時の自分自身なのかもしれないと思った。 おそらくそう思わせているのだろう。 だからどうなるのかなどは視聴者が勝手に想像すればいい。 さて、 怒りという感情 これもまた、大切なもの。 怒ったら負けではなく、端然と怒る必要がある場合がある。 この視点を自分ではなく、チサを見ていることでわかるという手法も中々素晴らしい。 同じような傷を抱えた二人 出発点が同じだからこそ見える相手の気持ちの揺らぎ 出会った時から感じるサチの不機嫌さ その正体を知ったとき、ナオはどれだけ傷ついたことだろう。 自分という人間の存在そのものが否定された感覚 通常はそこで撃沈されるので、それ以上何もできなくなる。 その内容をサチに尋ねてみたのは、ナオがそれだけ純朴だったのだろう。 彼のような人物は絶滅危惧種だ。 一緒に話を立ち聞きしていたカエデの介入は、ナオにとっては勇気のエネルギーだったはずで、ナオに何らかのアクションを起こさせる原動力にもなったはず。 カエデは今後もナオにとってキーマンになるのだろう。 また、 トーテムポール 冒頭とチサの父の訪問の目印 インディアンの文化的な指標 家族や出来事を彫ったもの この物語がどんな物語なのかを象徴するもの しかし、 母とチサとの対峙は正論対正論で、言葉とはまさに言刃だと感じた。 何にせよ、言葉は人を傷つけるものなのだろうか? レストランでのまさかの再会も、チサにはすでに意味のなかったことだったのだろう。 母親の方が、どうしても平気ではいられなかった。 母の正論が、自分自身を傷つけていたのだ。 チサは、本心をぶつけたことが、結局よかった。 母の小さな娘のおはじき攻撃 負の連鎖を感じさせる。 朝の海辺 二人のはしゃぎ方は、純粋さを保ったまま心の傷口が修復したことを暗示しているのだろう。 10年かけてようやく海までたどり着いた「涙」 その中で、心を洗ってみる。 二人はあの海で統合されて、癒しを受取り、それぞれの道を歩み始める。 傷つけばまた泣いて、いつかまた海に行けばいい。 タイトルに込められた想い。 この意味を誰もがそれぞれに解釈することが、この作品の意図したことなのかもしれない。 かなり素晴らしい作品だった。

コメントする 2件)
共感した! 16件)
R41

3.5気持ちよく観られる恋愛映画でした

2024年11月19日
iPhoneアプリから投稿

シェアハウスに集まっているとても個性的な住人達。みんなそれぞれに面白くて見ていてこんな風に暮らせたらいいなぁと思いました。 広瀬すずがこじらせた26歳の名演技。無表情な冷めた役から過去を乗り越えて変わっていく様は美しさが倍増でした。飄々とした子供みたいなおじ役の高良健吾、不倫した父親役の北村有起哉など,いい味出していて,クスッと笑わせてくれた。 最後にこの映画の舞台となっている戸建ての家を飾っているひとつひとつの置物や家具がとても素敵で小道具の人に拍手でした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ニョロ