ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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残念ながら退屈でした
高評価を受けているようで期待したが、退屈だった。
今この時代にゴジラ映画を作り直すガッツには敬意を払う。しかし、結局は過去に観た紋切型のモチーフを色々組み合わせたように見えてしまう。銀座を破壊するシーンなどは迫力があったが、それ以外は....AppleTVで観られるゴジラのドラマシリーズの方が見応えがあったか。
巨大なゴジラの背中から青白い鎧(?)が、ガシャンガシャンと音を立てて生えるシーンは笑ってしまった。街を破壊される緊迫感を台無しにしているようにしか見えなかった。
最後は、東京を破壊し恐怖と憎悪しかない相手となった、恐ろしい怪物に向かって、皆で揃って敬礼!.......何故?
もしかすると、映画シリーズ・ゴジラとしての存在と歴史に敬礼したつもりかもしれんが、どちらにせよ意味不明の下りに納得出来ず。
戦後日本に設定したせっかくの着想も、NHKの朝ドラのせいでお馴染みとなった光景に欠伸がでてしまう。
浜辺美波はかわいいけど。
最後のハッピーエンドが良かった
映像が素晴らしかった。映画館で観れば良かった。と後悔している。内容がシンプルで分かりやすく、伝えたいことも同様だった。ラストシーンはあの内容で嬉しかった。続編を希望します。
様式美
映像がキレイでよく作り込まれている
美術はフェティシズムを感じるクオリティ
ストーリーは手堅い作り、良い構成
SFとしても視聴時に気になる描写がなく、没頭できた
『シン・ゴジラ』という高すぎるハードルに対して
戦後まもなくの日本の丁寧な描写、ゴジラの迫力ある映像は最適解だろう
光線の描写も視聴時に思わず唸る出来栄え
印象深いシーンも多数
ゴジラに踏みつけられる人々
臨場感のある海戦
重巡高雄の船体が斜めになりながらの砲撃シーンは最高、このシーンで星5
やったか?(やってない)
ピンチを救う仲間
ほか様式美とも言える描写は個人的に好み
全体的には3.5-4.0位と思うが
お気に入りのシーンがあれば違ってくるだろう
良作
これまでと全く異質なゴジラ映画
「またゴジラか。。。」
が正直な第一感。よって映画館では見ていない。
オキシジェン・デストロイヤー(水中酸素破壊剤)により死骸となったはずの初代ゴジラ。
しかし、ゴジラは時代を変え、姿を変え、何度も蘇る。「ゴリラ」+「クジラ」の語源はもう誰も興味なかろう。
アカデミー賞で視覚効果賞を受賞し、浜辺美波は助演女優賞にノミネートされた。
元特攻隊員の敷島浩一海軍少尉に神木隆之介、
同居するハメになった大石典子に浜辺美波、
ほかにも、佐々木蔵之介、安藤サクラ、吉岡秀隆、山田裕貴など怪獣映画らしからぬ(笑)、重厚な顔ぶれ。
巨大化したゴジラは東京を蹂躙し、大石典子も熱線の爆風で行方不明となる。葬儀が営まれていたので死亡認定されたようだが…
ゴジラ駆除作戦(わだつみ作戦)を主導するのは、元帝国海軍軍人たち。ミリタリー(特にウォーターライン)おたくには、たまらない展開。
高雄、雪風、響、海防艦、震電…
ゴジラといえば、反原水爆・反戦のイメージだったがまったく異なるアプローチだ。
映画館で見なかったことを強く後悔した。
これまでのゴジラ映画とは違う。
高評価・低評価、
みなさんのレビュー拝見し、いちいち納得。
私は、製作陣のチャレンジに対して
☆3.0+アカデミー賞のご祝儀0.5
生きたいという執念
面白かった
流行りを抑えるために見た
好きだからとか、関心があったから、とかではない
あれだけ話題になった作品が、配信で見られるのだから、という理由
ゴジラは生きてるだけで人類の宿敵になってしまう
なぜわざわざ人のいる陸にあがるのか。。。恐らくだが、地球には人が住まない陸地もあるだろうに
ゴジラを駆逐した人たちが敬礼をするのも、自分たちのエゴで殺生してしまった相手の命への敬意なのだろう
登場人物それぞれの、生きたいが見事に描かれていて見事な映画だと思った
恋愛要素、必要??????
銀座にザ・ピーナッツとモスラ出現それ以外は満点!
映画館で3回鑑賞、昨日Amazonprimeで鑑賞。
ここまで人間ドラマ部分とゴジラが違和感なく繋がって描けたのが凄い!
シン・ゴジラでさえ最後は人間側は高みから指示を出すだけになっていたが、本作は人間とゴジラがちゃんと絡んでる!
ひとつの映画として成立しているのが凄い。
ただ、ゴジラのシーンはスピルバーグのパクリが多い。
大戸島はジュラシックパーク、海のシーンはほぼジョーズ!
でも、それがゴジラとしてちゃんとハマってるから凄い!
しかもゴジラがちゃんと怖い。
個人的に非常に残念なのは山崎映画全般に言える事だけど、キャラクターデザインが好みじゃない。
ゴジラの顔が正面から見ると人間臭い。特に海のシーンで顕著。
横から見ると口元が犬!
表皮も凝りすぎて複雑になりすぎ。
ゴジラのデザイン以上に問題なのはBGMの選択、これはかなりマイナスポイントです。
銀座のシーンで満を辞してゴジラのテーマが流れて鳥肌がたったと思ったら、突然モスラのテーマが流れて「えっ!なんで?」となり、脳裏にインファント島でモスラに向かってお祈りするザ・ピーナッツが浮かんで来て違和感ありまくり!
もう本当にそれが気になってしばらく映画に集中出来なくなった。
海神作戦のシーンも然りで、なんでここでコングのテーマ????
田中美央さんがコングに見えて困ったw
知らない人にとっては気にならないかも知れないが、この映画の観客の多くは昔からのマニアが多いと思うので、相当な違和感だったはず。
モスラもコングも居ないのにこの選曲はダメでしょ。
どうせなら、銀座のシーンは「三大怪獣 地球最大の決戦」の曲にしてほしかった。
これならバッチリハマってゴジラの恐怖感も増したと思う。
BGMは本当に大事ですよ。特に曲だけで映像やキャラクターがイメージできるものは慎重に選曲しないとこうなります。と言う良い例だと思います。できれば差し替えてほしい!
この2点がかなりのマイナス点でかなり残念だった。
それ以外は本当に良かった。
まとまりのよい優等生的ゴジラ
日本初のアカデミー賞視覚効果賞受賞作。
【ストーリー】
特攻隊パイロットの敷島は、機体に不調ありと着陸した大戸島の整備基地で、島民たちの口づてに伝承される怪物・呉爾羅(ゴジラ)に出くわして守備隊基地全滅を目のあたりにする。
戦後になってもその時の心理的外傷を引きずり、家族は空襲で死に絶え、敷島は生きる意味を見失っていた。
途方に暮れていたある日、焼け野原となった東京で出会った典子と、押しつけられた赤子の明子に転がりこまれ、自宅で擬似家族のような同居生活をすることに。
木造船での掃海作業の職にどうにかありついて、3人の生活はそこそこに豊かになるが、敷島にはどうしても2人が家族とは思えない。
だが2年後、ビキニ環礁の核実験に被曝して異常に巨大化したゴジラが、日本本土に上陸して破壊のかぎりを尽くす。
掃海艇でともに働いていた旧海軍技術士官の野田発案のゴジラ討伐作戦が立案され、説得のすえに敷島もパイロットとしての参加を承諾する。
その準備にあけくれるさなか、二度目のゴジラ上陸にまきこまれ、典子は行方不明となる。
まだ幼児の明子は、母親の典子がいなくなった事で精神的に不安定になり、敷島はゴジラ打倒への覚悟を決める。
制作費15億円以下の作品としては、破格のCGの出来としてアカデミー賞視覚効果賞を獲った当作。
艦艇や航空機、そしてゴジラの迫力だけはガチ。
ストーリーはラストへと一直線に進んで盛りあがる王道で、カット割りもそつのないエンタメ作品です。
一応フォローを入れておきますが、旧日本軍機にも脱出機構はありました。
宮崎駿監督の『風立ちぬ』でも、テストパイロットがくり返し脱出しているのを憶えてる方も多いはず。
ただ「生きて虜囚の辱めを受けず」という当時の思想を受け、尻の下に収められたパラシュートは、オムツがわりにされてたそうです。
『紅の豚』ポルコ・ロッソと同じ「ひねりこみ」の妙技で有名だった、旧海軍の零戦エース・坂井三郎さんの世界的ベストセラーとなった自著『大空のサムライ』で語られてました。
戦闘機の飛行中のおトイレ事情はくわしく説明しませんが、とにかく設計上パラシュートもあったけど現場の事情で使い物にならなかったということだけは、知っておいてほしいなあと。
ツッコミ
なんで整備班の誰も20ミリ機銃撃てないの?
機銃は整備できても撃ち方しらないとかw
高雄の主砲射程は2000m以上あるのになんであんな接近したの?
戦闘態勢で甲板にいた水兵何しに出てきてた?
ゴジラ見物?ズッコケ要員?
時代に合わない再生可能ゴジラ
未来からやってきた設定なのか?
ゴジラの目的は…?
普段ゴジラは海の中に住んでるのか?
出没するタイミング、都合が良過ぎんか?
不思議ポイント多数。
あきこちゃん、表現力が無さ過ぎて…
さすがに育ててもろた人にはもうちょい懐くやろっと、心の中でツッコんでしまった。
ここまで来たか〜
結論から言うと、ほぼ満点の出来ですね。ファイナルウォーズから早20年、ゴジラの咆哮と共に特撮ゴジラがまた日本に帰ってきたね〜。キングギドラ登場で鳥肌立ってた自分が、ゴジラ砲の威力と迫力にまた鳥肌立ってました。ストーリーや昭和初期の設定、絵コンテ全てが大変素晴らしかった。ゴジラ誕生の流れが謎のままだったが、今更説明不要って事なのかな。キャストの演技もほぼ隙が無く、特に舐めてた浜辺美波さん、演技上手いんだね。ドラマとか観ない自分の中では、可愛いだけでしょ?と高を括っていたが、ほんと良かった。子役の咲笑ちゃんも頑張ったね。個人的には、ビルの上で中継してたアナウンサーの、昭和放送訛りの喋り方やイントネーションが凄く好きだった。昭和感出てたね〜笑
ほぼ満点の出来だが、やはり主役の神木隆之介君の素人演技とギミック感満載なゴジラの動きがちょっと残念だった。神木君は声優に集中しててね。ゴジラの動きは多分初期感を出す為のものだろうが、小さいゴジラの時のようなもう少し現代風な感じで良かったんじゃないかな。まぁ兎に角、浜辺美波さんのファンが一人増えた事だけは確かですわ笑
びっくりするほど薄っぺらい
映像は頑張ってるけど、話があまりにも薄っぺらい。今どき暴れてるだけでは見てられないので、何かそれなりに感情移入できる脚本を作ろうよ。。。途中から残り時間が気になってきた。もちろん悪い意味。この苦行はあと何分続くのかって。
頑張ってる映像も、深海魚が浮袋が飛び出して浮いてる絵は、分かりにくく合成もちゃちいとか気になる点は多い。
アワアワ作戦は結局何の効果も無しってこと?そもそもあのボンベや膨張装置が深海1500まで耐えられるのかとか、動いたとしても容積が減るんじゃないかとか、気になることだらけ。
オスカー獲得も納得!
私自身は怪獣ものの作品は普段殆ど観ないのですが、レビューがとても良く、オスカーも獲得したので、これは劇場でやってる間に行かねば!と思い遅ればせながら足を運んで来ました。
映像についてはもちろん、文句のつけようが無く、ハリウッドに比べると低予算ということだが全く気にならないというか、しっかり没入して恐怖を感じていた。
それだけでなく、人間模様を描いた脚本とそれを映す映像の組み合わせの絶妙な感じが、良かったのだと思う。とても良い作品を劇場で観れたという満足感に浸った。
正直なところ、映画予告CMを劇場で観た時には、気が進まなかった。戦後の銀座をゴジラが襲う!、、って。そこじゃなかったかも、この作品の魅力って。(CMは何を訴求するかがほんと大事)
芝居がかった演技がくどい
これはもう好みだと思うけど喜怒哀楽のリアクションがいちいち不自然にデカくて内容よりそっちが気になった。
驚いた時は目をひん剥いたり、悲しみに打ちひしがれているときは肩を落として目は虚ろだったりただただ神木隆之介が泣き叫び喚き散らすように思えて何というか半沢直樹みたいで歌舞伎チック、演劇チックで見るのが辛かった。
クライマックスとか伏線とか全然なくて「そうなるんだろうな」の展開がトップガンマーヴェリックの香ばしい感じを思わせる流れでした。
悪いのではなく自分がこのテイストを楽しめなくなっているんだと思いました。
ドライなシン・ゴジラの方が好きです。
但し特撮は評判通りというか全然安っぽくなくてCGゴリゴリでねっとり動くハリウッド版よりいい気さえした。
長い人間ドラマパートなのに、セリフがメチャクチャ
ゴジラが100%「特撮映画」だと思って見ている人には関係ない話だけど、このゴジラ映画はけっこう人間ドラマのパートが長い。たぶん「シン・ゴジラ」より長い、たぶん。だからそこもしっかり表現してくれないとすごい違和感が残る。誰もが知っている現代が舞台でなく、80年近く昔の設定だ。しかもその頃にはすでに映画は存在し、その時代の人間がたとえ劇中であれ、どんな話し方をしていたかを見聞きしたことがある身としては、そこを疎かにされると、虚構が愚かな虚構にしか感じられない。
まず典子(浜辺美波)の言葉が現代風だったり昔風だったり、一体どの時代の人間なんだと思うぐらい奇妙だ。敷島との出会いも唐突なので、何だこいつと思うのが第一印象。典子と敷島はだいぶ長い間一緒に暮らしているのに夫婦関係にならないのは、いくら敷島に戦争のトラウマがあるにしても不自然だ。それほど敷島が人生に絶望しているなら、そばに住んでいるけど同居はしていない、たまに顔を見せる程度の関係にすればいいのに。まったく他人の疑似家族というテーマに監督はエクスタシーを感じているのかも。
向かいに住んでる澄子(安藤サクラ)の登場もあまりに配慮がない。いくら特攻隊とはいえ、帰還兵に対してあの言葉はひどすぎる。はい、「そのあといい人になります」フラグなのはわかっているが、東京(だけではないが)が焼け野が原になったのは特攻が死ななかったからという、おそらく当時の誰も考えなかったロジックをひねり出したのには恐れ入谷の鬼子母神だ。それだけでなく、この人、岡山か広島の出身であることが語尾で判明する!(笑
日本軍は解体されGHQの支配下にあり、民間で対処するしかない……っていってるけど、結局動いてるのは元軍人ていうのはありなんでしょうかね。強制じゃないからOKなのかな。ヤシオリ作戦にワダツミ作戦か。
謎の巨大生物の出現に対して外国の科学者は何の関心も持たなかったのでしょうかね。突然ここに外人が登場すると、60年代の東宝特撮映画みたいになっちゃうんで、困りますけどね。
ついでにゴジラについて思うことは、大胸筋が異様に発達した造形は不自然ではないか。大胸筋は大きいのに腕は細いというね、ところがね。ま、怪物なんで何でもありか。
最後に、この映画の中では余計なことをやってぶち壊しになっているところが何箇所かある。特に最後の方。それ、いらなかったんじゃないか?
きけ、わだつみの雄叫びを
本作におけるVFXが評価されアカデミー視覚効果賞を受賞した山崎貴と、『オッペンハイマー』ではじめてCGを使ってアカデミー主要7部門を独占したクリストファー・ノーランが対談していたが、なかなかエスプリの効いた組み合わせである。『Always三丁目の夕日』でも高度成長期の昭和をお得意のCGで見事に再現させて見せた山崎監督だけに、米軍の空襲により焦土と化した戦後まもない東京の姿は実にリアルなのである。
特攻の生き残りとして東京に戻った敷島(神木隆之介)は、そこで血のつながってない赤子を抱いた典子(浜辺美波)という女性と出会う。銀座の街もようやく活況を取り戻し、敷島ら3人の疑似親子生活も安定し始めたちょうどその頃、特攻機を不時着させた島で遭遇した怪物がさらに巨大化した姿となって東京に上陸。ゴジラの放った強烈な熱線により典子と生き別れた敷島は、不死身の巨大生物ゴジラへの復讐を誓うのだったが....
庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』は、“ゴジラ”をまさに福島原発のメタファーとして描いていたが、山崎貴監督の“ゴジラ”はもっとエモーショナルな存在として登場する。嘘をついて特攻を回避した敷島は不時着した島でゴジラに襲われるが、運命の悪戯かまたもや生き残ってしまうのだ。その疚しさをして敷島に「俺の戦争がまだ終わっていない」と言わしめたのではないか。日露海戦で沈没を免れた軍艦と同じ名字(敷島)である点に我々は留意しなければならない。
戦後、海底から突如として日本に現れ上陸するゴジラとは一体何だったのだろう。GHQのメタファーかって?いやいやそうではないだろう。むしろその逆で、祖国日本のために勝てないと分かってながら太平洋戦争で命を落とした英霊たちの化身ではなかったのだろうか。死んでも死にきれなかった英霊たちの魂がゴジラを三度祖国に招き寄せたのではないだろうか。“生”の尊さを今一度日本人に思い出させるために。ゴジラ撃退作戦が“わだつみ”と名付けられ、海底に沈んでいくゴジラに元海軍の生き残りたちが最敬礼をした理由も、おそらくそこにあるのである。
これで、原発事故と敗戦という日本が経験した2大リアルを、ゴジラというSF世界のモンスターに結びつけた映画がともに成功したわけで、ノーラン監督の『オッペンハイマー』のように、今後しばらくは史実に基づいた映画作りが増えていくのではないだろうか。ミハイル・ハネケは、現実世界がより茶番化、劇場化していくことに危機感を募らせていたが、YouTubeがフィクション化して👍️を稼ごうとするならば、映画は逆によりリアルにリンクしていけばいいのである。
怪獣映画にエモーショナルなヒューマンドラマを入れたのは新しかった。
これはとてもよかった。
山崎貴監督作品はわかりやすさが最優先されており、誰がどこでなにをしているのか、というのが非常に明確だし、ストーリーがどのように進んでいくのかも明確だ。そして、観客が観たいものをそのまま出してくる。
このセンスはどこから来るのだろうか。
本作は、1945年から物語がはじまる。
特攻兵の敷島が零戦が故障したといつわって、小笠原諸島にある大戸島という守備隊基地に不時着する。
そして、その島にゴジラが現れる。敷島は零戦の機銃でゴジラを撃つように頼まれるが、怯えて撃てない。彼の目の前で整備兵たちが次々と殺されていく。
生き残った敷島は本土に戻る。彼は特攻から逃げ、ゴジラとの戦いからも仲間を見殺しにして逃げた。闇市で出会った女性と、彼女が連れていた赤ん坊を成り行きで養うことになり、ようやく生活が落ち着いてきたが、戦争のトラウマは抱えたままだ。そして、再びゴジラが現れる。
本作は敷島という兵士が自らのトラウマと対峙する物語だ。
怪獣映画であるゴジラに、ヒューマンドラマをからめたところが新しい。ゴジラが暴れるところを描きたくて撮るんだけど、観客を呼ぶためにヒューマンドラマをからめた、という感じだ。このやりかたはクリストファー・ノーランの「インターステラー」と同じだと思う。あの作品は、ハードSFをやりたいんだけど、それだと売れないからヒューマンドラマをからめたのだと思う。
なお、本作は主演の神木隆之介をはじめ、みんな大げさな演技をしていて嫌だったのだが、よくよく考えてみると、今は観客がyoutubeを観ているから、注目を集めるための演出に慣れているし、早送りで視聴したりするから、演技を過剰にしておかないと演出が伝わらないのだと気がついた。個人的には繊細な演技を観たいのだが、それでは売れないのだろう。
なお、ゴジラは原爆のメタファーだということになっているが、本作では冒頭で、島の言い伝えでゴジラという怪獣がいる、という話が出る。原爆は第二次世界戦の際にアメリカが作ったもので、本作は1945年からはじまる。なぜ、それ以前からゴジラの存在が知られているのだろう。ゴジラを見たものはいない、という設定であれば問題ないので、その旨を説明したほうがいい。
不思議なのは、日本人は原爆の恐怖について語り、映画「オッペンハイマー」に原爆投下のシーンがないと言って怒った。
では、なぜ原爆のメタファーであるゴジラが東京破壊すると喜ぶのだろうか。本作ではゴジラが熱線を吐くシーンは二回ある。一回目はキノコ雲と黒い雨が降ったので、山崎監督もそのつもりで演出しているのだろう。二回、という数字は広島と長崎を意識しているのだろう。
ゴジラを明確に原爆として描いているのは、本作が反戦映画だからだ。
世界で戦争が起こっており、核を意識した映画がやたらと世に出ていることからも、悪い意味で核がトレンドになっている。
この点では、本作も現代という時代を反映したものであり、制作の意味づけはここにあるのだと思う。つけくわえるなら、「国は守ってくれない」と市民が団結してゴジラに立ち向かうシーンがある(ノーランの「ダンケルク」っぽい展開になっていて、なぜこんなにリンクするのだろうとは思うが)。これも現在の政府に対する国民感情を反映しているのだろう。
話を戻すと、日本人がゴジラを観て喜ぶのは、これが反戦映画である以前に怪獣映画だからだ。それは言うまでもないのだが、だったら「オッペンハイマー」も、ひとりの物理学者の伝記として楽しめばいいではないかと思う。
製作費は15億~22億円。興行収入177億円とのこと。山崎監督の他のヒット作だと「STAND BY ME ドラえもん」(280億円)、「永遠の0」(120億円)と、過去作の中でもかなりのヒットと言える。
参考までに近い時期の話題作の世界での興行収入をピックアップしておくと、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」(2,000億円)、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」(1,000億円)、「君たちはどう生きるか」(260億円)、「THE FIRST SLAM DUNK」(230億円)、「すずめの戸締まり」(200億円)といったところ。こうしてみるとわかりやすいだけではまだ足りないのかもしれない。
それにしても、個人的には本作のゴジラは動作はややぎこちない(コロッケの「ロボット五木ひろし」に似ている時がある)が、破壊のアクションや熱線放射のスタンバイに入る際のビジュアルなど、今までのゴジラで一番納得のいくものだった。そういう点でも山崎貴という監督のすごさを感じつつ、つくづく作家性が見えない人だなとも思う。
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