こんにちは、母さんのレビュー・感想・評価
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山田洋次監督の演出はほのぼのする
映画本編始まる前に地声でしゃべっていたおばさんの声が耳障りで早く黙ってくれないかなと思っていたら、その前の席のおっさんが「うるさいよ!」と一喝して、静かになった。注意する方も勇気いるので、注意される前に自制しましょう、映画館は公共の場です。
さて、レビューですが、令和の時代に、女子社員の肩に手を置くのはセクハラですって撮影現場の誰も指摘しなかったのかなと思うと、山田洋次監督にモノ申すひとがいないのかと思ったりした。まさに昭和の時代の会社風景。
吉永小百合が下町の足袋屋さんを営む老婦を演じて、まるで、寅さんのようでした。大泉洋演じる息子との掛け合いも妙があってほのぼのする。永野芽郁は感情表現が豊かで好きな女優で、娘役を演じているのもこの映画を観たいと思った理由のひとつ。
山田洋次監督の演出、カット割りの風景は寅さんから脈々と続く下町風情を映したもので、暖かい気持ちになる。
山田洋次監督の温かさ
山田洋次監督の「家族はつらいよ」シリーズが好きです。
どこにもある、普通の人の日常におこる、本人にしたら大事件、でも傍から見ると
「それって喜劇だよね」を切り取るのが、とても上手いのだと思います。
もっと早く、山田洋次監督と大泉洋さんがタッグを組んで、情けないけど、どこか憎めない男のシリーズを作ってくれたら良かったのにと思う。
(同じ山田洋次監督作品でも「釣りバカ日誌シリーズ」は個人的には好きじゃないです。)
わざとらしくなく、笑える場面を入れてくるのもさすが。
話の余白も想像出来、共感できるから泣ける。
例えば、福江さんが、先生にプレゼントした上履きは青海波。ここにも福江さんは口に出しては言わないが、この柄を選んだ理由が想像出来て、胸がキュンキュンしました。
観終わってほっこりする、寅さん要素もあり、昭和の匂いがする素敵な映画でした。
吉永小百合さんの失恋して酔っ払ってちょっとやさぐれるシーンは、今まで見たことなくて新鮮。
宮藤官九郎さんと田中泯さんの存在感も良かった。
もうダメだろう
ほっこり、ゆったり、じんわり
公開日は他作品を優先してしまったのですが、みなさんのレビュー高評価につられて遅ればせながら鑑賞してきました。公開から1週間が過ぎての休日ファーストショーでしたが、中高年を中心にけっこうな客入りでした。ただ、上映中にスマホを見る、着信音が鳴る、しゃべる、トイレに行く…なんて人が多く、マジで勘弁してほしかったです。
ストーリーは、職場では神経をすり減らし、家では妻と娘に出ていかれ、悩める日々を送る会社員・神崎昭夫が、久しぶりに訪れた下町の実家の足袋屋で、母・福江の様子が変化していることに気づき、恋や生きがいを見つけて前向きに暮らす母やその支えとなっている周囲の人物との交流を通して、自身の生き方を見つめ直していくというもの。
最近は老いらくの恋も珍しくなくなってきました。でも、息子からすれば、母は母であって女性としては見ていないので、福江の恋に狼狽する昭夫の気持ちはわからなくはないです。しかし本作は、そこにスポットを当てているわけではなく、福江の生きる希望の一つとして描いている点がいいです。ボランティア活動に勤しみ、魅力的な男性に恋をして、やりたいことを精一杯やる福江の姿が素敵です。
とはいえ、その裏には、体が動かなくなり、誰かの世話になることを恥じたり恐れたりする気持ちが見え隠れします。それは、生活保護を受けず、空き缶を集めて生計を立てるホームレスの姿にも重なります。生きがいと健康、それを保障するちょっとした支援さえあれば、人は幸せに生きていけるのかもしれません。
そんな母の姿を見たからこそ、昭夫も本当に大切なものだけを手元に残したのでしょう。仕事を辞め、離婚を決め、ローンの残ったマンションを手放し、母が捨てられなかったファミコンや人生ゲームなどが残る実家で、これからは大切な母と明るく暮らしていくのでしょう。これは昭夫にとって人生の大きな断捨離であり、断捨離と書かれた掲示物の前で書類をシュレッダーにかける冒頭の姿との対比が鮮やかです。
山田洋次監督らしい人情物語で、淡々と進むストーリーの中にも下町の人々の確かな息づかいを感じる作品でした。ただ、前半は、昔の邦画にありがちな人物紹介や状況説明的セリフが多くて、なかなか乗れませんでした。気持ちが乗らないと役者の演技もわざとらしく見えて、ちょっと萎えました。それでも、中盤以降は大泉洋さん、田中泯さんらの演技に支えられて持ち直し、ラストは気持ちよく泣けました。奇しくも今日は母の誕生日。何か買って、実家に母の顔を見に行こうかな。
主演は吉永小百合さんと大泉洋さんで、本当の親子のようなやりとりにほっこりします。脇を固めるのは、永野芽郁さん、YOUさん、枝元萌さん、加藤ローサさん、宮藤官九郎さん、田中泯さん、寺尾聰さんら。
漂う昭和感が心地よい。。東京下町情緒と人情話。安心して見れる。
山田洋次監督のファンと吉永小百合さんのファンは安心して見れて満足すると思う。
漂う昭和の香りが心地よい。だけど出前館(ウーバー?)が出るから令和。僕はこの映画が昭和っぽく感じていい気分だったけど、令和なのに昭和みたいな所に違和感を感じた人はダメだったかもしれない。
僕が特に昭和っぽさを感じたのは、昭夫(大泉洋さん)の会社のオフィスの場面。
例えばオフィスの机と机の配置やハンコを使ってるところだ。令和でもハンコが全廃されてない大企業・上場企業もまだあるだろうが、ハンコは昭和感があると思った。
女子社員の肩に手を置く場面で、「令和なのに有り得ん」と思ったが、逆に言えば正に昭和。令和で女子社員の肩に男性が(ここで女子ではなく女性だと気付く)が手を置けばセクハラになる。正確には「セクハラになる」ではなく「なり得る」ということらしいが、以前ギャグで「触らぬ肩に祟りなし」というのがあったから絶対ダメでよいとだろう。肩に手を置くのは昭和でもダメだったのだが、昭和の時代は言い出せない女性が大多数だったと思う。
僕は山田監督の「寅さん」も「釣りバカ」も5~6本しか見てないし、吉永小百合の作品も「北のカナリア」(2012)以前の物は見たことがなく、今作が7本目だ。
有名な監督だし、昭和から令和に至る大女優だから見とこうかなぐらいのつもりで見た。
だから例えば吉永小百合さんなら、僕は、「リボルバー・リリー」 みたいな役を見てみたいと思うが、サユリストはきっと「僕が見たいのはこんな吉永小百合じゃないのにな」とガッカリするんだろうなと思う。
こんなに分かりやすいのに、全然スッキリしない
舞台設定も、人物相関図も、何が起きてそうなったのかも、すべて分かりやすいのに、モヤモヤ度はメチャクチャ高い。なんでこんな珍しいことになったのか。
◦高齢者の不安
いつまでこうして普通の日常が送れるのだろう。
足腰の衰え、認知機能の衰え…齢を重ねるごとに自分の健康に自信が持てなくなってくる高齢者の漠然とした不安。これは何をどう、誰に相談しようが、不老不死が実現しない限り、解決策など100%存在しない。
◦昭夫(大泉洋)、そのままでいいのか問題
友達のためという、人によってはカッコいいと思われる理由で、大手企業人事部長という職を潔く捨てたように見えるが、結局は自分が重苦しいしがらみから解放されるための退職。
と、私には見えました。もちろん、無理し続けて精神や身体を壊すこともあるわけだし、その選択に難癖をつける意図はまったくありません。
問題は、彼の根深い差別的なエリート意識(ホームレスは社会の脱落者であるとの決めつけや、ボランティアの仕事へのリスペクトの欠如など)に変化が見出せなかったこと。多くのヒューマンドラマではその改心ぶりが感動を誘うのに、この映画では単に会社を辞めて、当面のことをお母さんに頼ることで終わってました。人間的成長がさして見られないままの昭夫に明るい未来がイメージできない。
◦昭夫が助けてあげた友達はセクハラ男
加藤ローザさんへの肩握りと酒強いんだろ発言はセクハラすぎて、彼への共感性がどうしても喚起されない。
再就職の顛末だって家族に正直に言えた内容ではないし。
◦別れた妻も、昭夫と同じく変なプライドを娘に押し付ける未成熟なオトナ
いい成績とるとか、いい会社に入って世間的に申し分ない男と結婚する⁉️それって、母親としての体裁のためだけじゃないか❗️
昭夫、やはり、最後はお母さんの元へ帰るんだね。
それはそれでいいんですが、ちょっとそれ以上の深味が感じられませんでした。
でも、、、確かに現実では、40歳を超えた大人が考え方を根本的に変えて生き直すのは簡単ではない。
山田監督は、ご自身に迫る〝老い〟を経験しながら現実的な解消できないモヤモヤを描きたかったのかな。
なんだか次世代の大人たちへのあきらめ、のようでもある。
それに反骨して、頑張ってくれれば、という淡い期待⁈
そんなものがないまぜになってるからモヤモヤするのかも知れません。
兜を脱いだ吉永小百合、山田洋次九十歳の偉業
(好みではないのですが、所属する映画合評会の課題になっていたので見ることになりました)
もともと山田洋次監督の「下町人情もの」自体がそんなに好きなジャンルではなく、吉永小百合さんも好きではありませんでした。
特に、吉永さんについては、実年齢とかけ離れた(周りの技術やご本人の努力で作り上げられた)若い役をこの先いつまで続けるのだろう…と新作が封切られる度に思っていました。
しかし本作では、今までの吉永さんとは違って、年相応の「おばあちゃん」を軽やかに演じられていました。
ようやく「老いに抗う」兜を脱いだのではないでしょうか。自然体で素敵な向島のご婦人でした。
大泉さんも昨年末の『月の満ち欠け』とは違った抑えめの演技に好感が持てました。
吉永さんとのコンビネーションも、親子独特の遠慮のない、当意即妙なやり取りを面白く見ることができました。
私自身の期待値が低かったことも要因としてあるかもしれませんが、観終わって「いやぁ、意外と良かったなあ」という感想です。
ほかにも、向島や押上、隅田川界隈のロケや地名が出てきて、少し前までの自分の馴染みの地が舞台だったのもプラスに働きました。
こういった、まだ昔の雰囲気を残す街並みを切り取る撮影の美しさや美術にも一流の品質、品格を感じました。
このような素地の上に山田脚本の登場人物のキャラクターが乗ると、底抜けの善人ばかりでホントはあり得ない設定も、なんだかほのぼの見ることができてしまいました。
また、自分も含め、最近の日本語で忘れられてしまった「日本語の美しさ」を感じられる表現が、流れるように台詞の中ではき出され、これが、これまで長く生きて来られた時間の中で紡ぎ出された、山田監督の脚本なのだなぁ…と、しみじみと日本語の良さを噛みしめられる映画に出来上がっていました。
御歳九十歳越え、山田監督の偉業を素直に称えたいと思います。
ホッとしたい時に
待つ
肩の力を抜いて
50代手前の息子とその母親の話なんだけど、2人のやりとりや関係性よりもむしろそれぞれの悩みが丁寧に描かれていく。
引き戸の玄関の家、こけしが並んだ棚。
大人になってから感じる親は、昔から変わらないようでいて、日々を悩みながら一生懸命生きている1人の人間としてだんだん見えてくるものだ。
子どもがそれを受け入れられるようになるのは、親が子どもの自立を受け入れるよりももっとずっとあとなのかもしれない。
優しい登場人物ばかり出てくるが、みんな自分がどう生きるのかを悩んで自分で選んでいる。
朗らかに生きるのは、辛いことや不安があってもそう生きることを選ぶことなんだよな。
吉永小百合さんが美しくてチャーミングで、表情の動き方がいつもおだやかに微笑んで生きてこられたことを想像させ、役柄と重なって見えてくる。
田中泯さんの存在感が圧倒的だった。
空振り三振は取れないがファールでツーストライクまで追い込める
王道の「松竹喜劇」という伝統芸。
下町情緒感出てて良い、吉永小百合さんサスガの演技!
なんかほのぼのとしてて心温まる
大会社の人事部長・神崎昭夫は、職場ではリストラ候補に同期の課長が入ってたりで常に神経的な重圧を受け、家では妻との別居、離婚問題、大学生の娘の家出、などの多くの問題に頭を抱える日々を送っていた。そんなある日、母・福江が暮らす下町の実家を久々に訪れた昭夫は、母の様子が変わっていることに気づいた。艶やかなファッションに身を包み、恋愛している様子だった。そこに娘が寝泊まりしている事を知り、母や娘、下町の住民たちとの会話の中で、色々と決断をしていく昭夫。さてどうなる、という話。
山田洋次監督らしく、ほのぼのとして、吉永小百合以下出演者がみんな良かった。
会社のリストラや別居から離婚など厳しい現実も描いているが、それも含めなんか心温まる。
大泉洋が変なギャグを飛ばさないのも良かった。
永野芽郁も可愛くて良かった。
加藤ローサも素敵な会社員で良かった。
脚と後ろ姿しか映らなかった昭夫の妻は誰だったのだろう?
声.名塚佳織となってたが、脚も彼女なのかな?
それだけちょっと気になった。
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