劇場公開日 2023年9月1日

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「こんなに分かりやすいのに、全然スッキリしない」こんにちは、母さん グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0こんなに分かりやすいのに、全然スッキリしない

2023年9月9日
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鑑賞方法:映画館

舞台設定も、人物相関図も、何が起きてそうなったのかも、すべて分かりやすいのに、モヤモヤ度はメチャクチャ高い。なんでこんな珍しいことになったのか。

◦高齢者の不安
いつまでこうして普通の日常が送れるのだろう。
足腰の衰え、認知機能の衰え…齢を重ねるごとに自分の健康に自信が持てなくなってくる高齢者の漠然とした不安。これは何をどう、誰に相談しようが、不老不死が実現しない限り、解決策など100%存在しない。

◦昭夫(大泉洋)、そのままでいいのか問題
友達のためという、人によってはカッコいいと思われる理由で、大手企業人事部長という職を潔く捨てたように見えるが、結局は自分が重苦しいしがらみから解放されるための退職。
と、私には見えました。もちろん、無理し続けて精神や身体を壊すこともあるわけだし、その選択に難癖をつける意図はまったくありません。
問題は、彼の根深い差別的なエリート意識(ホームレスは社会の脱落者であるとの決めつけや、ボランティアの仕事へのリスペクトの欠如など)に変化が見出せなかったこと。多くのヒューマンドラマではその改心ぶりが感動を誘うのに、この映画では単に会社を辞めて、当面のことをお母さんに頼ることで終わってました。人間的成長がさして見られないままの昭夫に明るい未来がイメージできない。

◦昭夫が助けてあげた友達はセクハラ男
加藤ローザさんへの肩握りと酒強いんだろ発言はセクハラすぎて、彼への共感性がどうしても喚起されない。
再就職の顛末だって家族に正直に言えた内容ではないし。

◦別れた妻も、昭夫と同じく変なプライドを娘に押し付ける未成熟なオトナ
いい成績とるとか、いい会社に入って世間的に申し分ない男と結婚する⁉️それって、母親としての体裁のためだけじゃないか❗️

昭夫、やはり、最後はお母さんの元へ帰るんだね。

それはそれでいいんですが、ちょっとそれ以上の深味が感じられませんでした。
でも、、、確かに現実では、40歳を超えた大人が考え方を根本的に変えて生き直すのは簡単ではない。

山田監督は、ご自身に迫る〝老い〟を経験しながら現実的な解消できないモヤモヤを描きたかったのかな。
なんだか次世代の大人たちへのあきらめ、のようでもある。
それに反骨して、頑張ってくれれば、という淡い期待⁈
そんなものがないまぜになってるからモヤモヤするのかも知れません。

グレシャムの法則
LaLaさんのコメント
2023年9月9日

グレシャムの法則さん
共感&コメントをありがとうございます。

そうですよね
小百合さんの
『小さな恋の物語』って感じでも
楽しめそうですよね。
あと、そうそう、
あの二人ね、(^▽^;)問題児
大丈夫かしらと思ってしまいましたよね。
セクハラ ありましたもの(^▽^;)

大暴れして・・・びっくりしました(笑)

LaLa
みかずきさんのコメント
2023年9月9日

みかずきです

全然スッキリしないとと仰ってはいますが、レビューを拝読すると、本作を批判しているようで、作品愛が滲み出ています。

指摘されているシーンは本作が観終わってほのぼのとする理由になっています。

スッキリしないところが本作の妙であり、日本人の心情にフィットしているところだと私は思います。グレシャムさんも、それを踏まえてレビューを書かれていると推察します。私の深読みでしたらスイマセン。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき
満塁本塁打さんのコメント
2023年9月9日

重複だったらすみません。返信お気遣いありがとうございました。😊おっしゃるとおりですね。

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2023年9月9日

助けてあげた友達、演じたクドカンさんに罪は無いですが、私なら躊躇なくばっさり切り捨てますね。鬱陶しい。持ってきたのが 佃煮 に はらわた煮えくりかえりました。幼稚園児。 佃煮は一般的には百貨店では高価ですが、迷惑かけたレベルはその程度では無いので・・・
大泉洋さんのカタルシスが中途半端でした。なぜ、何に変わったのか不明ではありますね。娘さん永野芽郁、最初から 極めて家族思いの良い子でしたし。

大企業なら入社26年で❓❓部長❓なら退職金程度では安泰では無いので、違和感ありました。極めて共感です。イイねありがとうございました。勉強になります📚。

満塁本塁打