バビロンのレビュー・感想・評価
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なんでも。
酒池肉林。
狂喜乱舞。
栄枯盛衰。
圧巻の189分。
1920年代のハリウッド。サイレントからトーキーへ移り変わっていく映画の歴史の中で栄枯盛衰を現す圧倒的なラプソディ。
きらびやかな映画産業を支える為にたくさんの欲と贄と魂によって成り立っていた。
正しく"なんでも"見せてくれる。
綺麗な魔法の様なセレブの世界からどうしょうもない酒池肉林、汚い闇の穴の更に奥のところまで。ジュディやシーセッドでも業界のセクハラ問題を扱っていたがそれの起源というか源流がまさしくバビロンに通じるもの。
権力と消費。
時代が変わっても普遍的な問題はいつまでも続いていく。そして繋がっている。何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない。バビロンというタイトルもエスプリが効いていてかっこいい。このバビロンのストーリーはかなり史実に基づきリサーチをしたとパンフレットインタビューに書いてあり驚いた。ハリウッドの当時の自殺率や、死亡事故。闇に葬ってきたモノ。もちろん脚色や演出も大いに盛り込まれているのだが、細やかなストーリーに実はモデルになった事件があったことなどが書かれていて面白かったし、消化できなかった事が消化できた。
4人の主人公に、4つのストーリーの絡み合い。狂喜乱舞、素晴らしい演技の数々だった。現代版イントレランスとでも言うべきか。イントレランスをまたみたくなった。
ブラッドピット、マーゴットロビーの異なるタイプのスターの人生と行末は目が離せなかったし、ディエゴガルバとジョバンアデポという新しいスターの存在感。そして演技を盛り上げる色とりどりの粋なJAZZ。
IMAXという"最新"の映画環境の体感は五臓六腑に染み渡った。
しかしいろんな方々が挙げていたラストの賛否両論は頷けたなと。
これは好みが分かれる。
最近の作品では映画制作を扱うものが増えてきている。映画に対しての尊敬、畏怖、憧れ、原点を表現する事が多いのはやはりコロナや配信システムから影響があるのか。配信で見るのと映画は別物だけれど、それもまた映画の進化に通じるはず。そういったことも受け止めて、巻き込んでいって映画の栄光はまた新たなスターと新しいステージを追い求めていくし、映画の歴史は続いていく。
その流れを感じられる時代に生まれてきた事を幸運だとバビロンのおかげで思える様になりました。
ただ個人的に欲を言えば違ったラストが見たかったなと思ってしまった。ネタバレになりそうなので詳しく書かないけれどデイミアンチャゼル監督の別のラストがあるともっとすごい作品だったとすんなり受け入れられた気がするのです。それも端っこの奥の奥の方にいるちっぽけな欲深い映画好きの性なのかもしれません。
監督の新しい次回作が更に楽しみになったのは言うまでも無い!!
映画が好きなら是非
3時間あるからか宣伝が少ないからか観客が少ないのに驚いた。
チャゼル監督のファンではないが、ララランドはほぼ満点の娯楽映画作品だと思っていて、この作品はララランドのブラック版、エログロコメディ版、音楽も良く、ララランドを越えはしないが、でも言いたいことは映画愛で、それをセリフではっきり表している。スター俳優が、3人目の妻の舞台女優が落ち目の彼の演技に繰り返しアドバイスするシーンで、彼女に対して映画はどういう役割を持っているか、また彼の凋落の記事を書いたジャーナリストに抗議に行った時に、時代と共にスターは変わるが50年後(1980年頃に当たる)も作品は残り、我々の死後に生まれた人達がそれを観るのだ、と言われる。むー!この作品がそれ自体。
タイトルロールまで20〜30分位あるのか?意外ともっと短いのかは不明だが、とにかく3時間もあると寝ずに観られるのかと不安になるが、杞憂。爆音のパーティー音楽やテンポの良い展開で飽きない。
前半の狂乱、酒池肉林のパーティーシーンはやり過ぎ感があるが、コンプライアンスが言われる100年前の1920年代は景気も良く、実際そういう時代だったのだろう。
俳優に求められていたものがサイレント映画とトーキーで変わってしまい、かつて重宝されていたものが無駄になるだけでなく違うものが必要となる、というのは映画界に限らないことで、普遍的なメッセージでもある。
特筆すべきは主人公マニー役の新人俳優。冒頭使いっ走りだった彼がマーゴット・ロビーの相手役となり、映画の肝をであるラストシーンを司る。映画を描いた作品なので映画からスターが生まれるという表現を兼ねているのだろうが、凄いスター誕生。彼の目の下の膨らみが綺麗。
監督の才能が爆発しているし音楽もララランドっぽくて良いし、チョイ役で大物が出ているし、予算もかかっていそうだし、映画が好きで他の作品を観る時間があるならこれを観なくては損。
チャゼルへ
『セッション』の図抜けた出来に感心し、『ラ・ラ・ランド』に胸躍らせ感涙。『ファースト・マン』では「?」となったが、「次はやってくれるやろ」と期待に胸ふくらませ観にいきました、デイミアン・チャゼル、待望の新作『バビロン』。
冒頭の象のシーンから映画の楽しさ全開、退廃的な狂騒の場面では「これはどえらい映画やな」と圧倒されたけれど、その後、なんかいつまでたっても面白くならないぞ。眠たくなってきたぞー、チャゼル。
描かれている見世物小屋的な世界も嫌いじゃないし、映像表現も、役者たちの演技も、音楽も、どれも素晴らしいけれど、監督の熱い映画愛もジャズ愛も、じゅうぶんに伝わってきたけれど、「下ネタで笑いをとるなんて下品だ」というそんな批判を「クソ食らえ!」と言ってのけるような監督の意気込みも感じとれたけれど、「重要で長く続くものの一部になりたい」というメッセージも受け止めたけれど、エンディングのカオスもカッコよかったけれど、確かにすごい大作だけれど……肝心のお話があんまり面白くない。いや、全然面白くないじゃないかー、チャゼル! 『ラ・ラ・ランド』の焼き直しのようなカットやシーンもいくつかあり、ちょっと興醒めしたよ。
そして長い。長すぎるぞ。
高齢化社会のわが国においては、3時間を超えるような映画では、おしっこの心配をしなきゃいけないひとがたくさんいるんだぞー、チャゼル〜!!
THE・映画
心から「最高」だと漏れ出た。
見ている途中からもう一度見たいと思わせる純粋な面白さと、繁栄と衰退の夢に生きる人種ならではの共感と、アンダルシアの犬を絡めるなど芸術の域の視点、映画を通り越して現実とリンクさせる監督の映画愛が溢れる深淵の面白さがあった。
何より映画への入り込みやすさ、もはやスクリーンを超えて実体験させられ、感情を揺さぶられる。
敢えてマイナスをつけるなら中盤以降の停滞感を感じさせた点だが、それこそバビロンのストーリーとなる衰退を現実に体感させてくれるエッセンスであり、イライラすら感じさせてくれる。
監督に最大の拍手を届けたい。
完璧だった。
監督の屈折した映画愛?
古い時代のハリウッドで無声映画からトーキー映画への転換期の話。
糞尿、ドラッグ、乱交とやりたい放題で半分ぐらい放送禁止用語を叫んでいるような映画。
短いエピソードが色々入ってくるけど、全体の流れとしてそれは必要なのかな?っていうのが多かった。
映画制作の話中心にしたら面白味がないからダークな部分を広げたのかな?さすがに実際ここまでカオスじゃなかったよね…
変なエピソードを見せたいならそれだけ集めてコメディっぽく仕上げればまとまりがよかったんじゃないかなー。
終盤ラブストーリーっぽくなるけど、もはや手遅れ。というか、それも入れるの?って胸やけしそうなレベル。このカオスっぷりが好きな人もいるんだろうけど…
長さについてはそこまで気にならなかったけど、個人的にはちょっと…な映画でした。
ものすごくパワフルで映画愛に満ち溢れた傑作!
冒頭から一気に引き込まれ、ラストまで全力疾走した印象、3時間5分の長尺を全く感じませんでした
こんなエネルギーが満ち満ちた作品は久しぶりで、すごく気に入りました
ハリウッドがサイレントからトーキーへ移行する過渡期、新時代に乗れる人達とそうでない人達との時代に翻弄される栄枯盛衰をエキサイティングに描いたドラマ、デイミアン・チャゼル監督の前作「ラ・ラ・ランド」とは全く違う作風ですが、監督はじめ作り手のハリウッド愛をすごく感じるいい作品だと思います
本作を一言で言うと"マーゴット・ロビー!!"でしょうね
マーゴットさんの演技が凄まじくパワフル、こんなすごい女優さんだったんだな、と改めて感心しました
ブラッド・ピットさんも相変わらずカッコよかったですが、完全にマーゴットさんに食われてました
パーティーシーンは圧巻!音楽もいい!!
ジョヴァン・アデポさん演じる黒人のジャズトランペット奏者シドニーの演奏もすごくよかったです
ちなみに、
最後の方で映るキノスコープ社の入口ツインゲートは本作の製作スタジオでもあるパラマウント・ピクチャーズのゲートを使ってます、6年ぐらい前に行ったので覚えていてすごく懐かしかったです
あと、トビー・マクガイアさんが出てくるくだりは全く要りませんし、本作で唯一ほんとに不快でした
最後に
上から下からの排泄シーン、淫乱な乱行パーティーとそこでのセックスシーン、、ドラッグ、バイオレンス描写とフルコースなので、その面では苦手な人も多いかと思います、でもこれもハリウッドの歴史でもありますので、目を背けず観てもらいたいと思います
Wait a minute, wait a minute. You ain't heard nothin' yet!
派手で可愛いく下品でもあり
映画とは何か、ハリウッドとは何か
凄まじいエネルギー
とても良かった。
最初っからテンション爆上げで、
観てて久しぶりに10代の時のように、
行くならここまでぶち上がりたい!と思いました。
隅から隅まで最低最悪、法律も秩序ももちろんコンプラも存在しないクソみたいな世界なのに、
なんて映画には夢があるんだろう、
なんて映画は最高なんだろうと思える
魔法のような映画でした。
音楽も素晴らしいし、
エンディングで一番鳥肌が立つってなかなかない経験を
したし、これだけ最悪なのに映画へのリスペクトに
満ち溢れてて感動しました。
ブラピは10代の頃から約30年観てるので、
役に投影してとても哀愁を感じられたし、
やはりこの映画の象徴でもあるマーゴットロビーが
凄かった。
ヒーロー映画に出るとその後やはり影響が強すぎて
そのヒーローにしか見えないと言うのがあると思うの
だけど、あのハーレイクインを演じながら、
それを感じさせないし、あの演技を越える演技を見せた
マーゴットロビーは素晴らしかった。
(トビーマグワイアも)
とにかく凄まじいエネルギーで出来てる映画で
見終わってよし
俺もやってやるぞ!と思える大興奮の映画でした。
3時間と長尺だからか上映館数が少ないのが勿体無い!
是非映画で観てエネルギーと映画への愛を感じて欲しい
です‼︎
スゴい映画を観た!
率直にめちゃくちゃ面白い!!
1920年後半のハリウッドに自分が居たような感覚になりました。
3時間の映画でしたが、ストーリーに静寂と騒々の転換が度々あり中だるみもなく終わりまで楽しめる映画だと思います。
時代は1920年代後半から1930年前半のハリウッド。
サイレントからトーキー映画へ移り変わっていくなかで生きていく人が描かれています。
明るくスタートする前半と後半にかけて徐々に暗くなり終盤にかけてテンポが良くなっていくのも良かったです。
あとはジャズ音楽がやっぱり良いです!
個人的には今年一番の映画になるかもしれません。
また映画館で観に行きたいと思える作品でした。
ハリウッド映画のエンターテイメントアトラクションを体験したような感覚になれます!
※過激な描写が多くあるため、観る人によってはきついかもしれません。ララランドみたいな映画を見たい人は行かない方が良いと思います。
映画産業の黎明期はギラギラだった
まだサイレント白黒フイルムの時代、とにかく作品を撮りまくっていた、ということなのだろう。ハリウッドの始まりは撮影のためなら何でもあり。ギラギラとした欲望と、よくわからない創作欲にまみれた、映画屋みたいな人達が、とにかく映画作ってたんだろうな、というのがわかる。馬鹿騒ぎの絵面が強すぎて、狂乱ばかりが強調されてる感じだが、トーキーに移り変わる様子が、こんな映画昔見たなーと思ったら、そう「雨に歌えば」で伏線回収、ニュー・シネマ・パラダイス的にあの頃を懐かしむ、にしてはあんだもけっこうやり過ぎてたけどね、と突っ込みたくなった。
長回しやカメラのアングル、表情の寄りなど映像が語っているみたいで、映画らしい良さは評価出来ると思った。
予告に騙された
モラル全無視、Holy shitな映画
夢と音楽のエンタテインメント
サイレント映画全盛期のスターと若き才能が、トーキーやその後の映画業界に翻弄されていく様を描く。
最近少し増えてきたように思う3時間の比較的長尺映画。
オープニングシーンで、「この映画の楽しみ方はこれか!」と思うのも束の間、次々に展開される良くも悪くも見るに堪えない映像たち。このダメージに最後まで耐え切れるか。
、、、と思いきや、終盤の畳み掛けがとんでもない。
映画という一つの時代の流れを、これも”映画”という形で表現した本作。
これからいくつでも生まれるであろう、そして必要とされているわけでも無い刹那的で破滅的なストーリーはあくまで前座。
長い時間をかけて、盛大でこれ以上なく贅沢な前振りをし、ラストは真っ直ぐな映画賛美。
見事に”してやられた”鑑賞体験だった。
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