ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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ザリガニは出てきません
「Oh Calorina knows カロライナは知っている」
エンドタイトルで流れるテイラースウィフトの歌が心に染みる。
この映画はミステリーとされているがちょっと毛色が違うね。
1960年代という時代背景。
美しいカロライナの湿地の風景。
湿地の娘と揶揄される少女の裁判の中で語られる成長譚。
酷いやつら(DVオヤジと死んだ元恋人、街の奴ら)と裁判。
ところで、最後まで冒頭の殺人事件の犯人の描写は無い。
貝殻のペンダントで薄く提示されるのみで、果たして何があったのかは分からないままだ。でも、語らないことで余白が生まれ、「カロライナは知っている」に繋がる。実に巧みで美しい結末だった。映画を見て3日経つがしみじみと思いにふけっている。
全然タイプが違うが、イーストウッドの名作「マディソン郡の橋」を思い出したよ。かつてフリンをした妻の想いに死んでから気づく夫と家族。
それこそ、「マディソン郡の橋は知っている~」うーん下手すぎる。
見てそんのない映画だが、同時期に「すずめの戸締り」をやっているので観客は少ないのが残念だ。映画の正統は廃れゆくのみなのかなあ?若い人にこそ見てほしいと思うけどねえ。
デイジーエドガージョーンズは、この役を自身のことのように演じている。実に印象的な演技だった。推し⸜❤︎⸝
視聴者が有罪か無罪を問う映画
ミステリーではなかったです。
最後に判決は出ますが、視聴者が最後までの過程でどう思っているのか、が映画の目的だそうです。ネットの意見を見ましたが、主人公に対しては様々な賛否がありました。
主人公は湿地に小学生から一人暮らしをします。道徳の概念がありません。というより自然の昆虫から道徳を学びます。映画の会話でカマキリとホタルが出てきます。メスカマキリはオスを食べます。メスホタルは獲物を惹きつけるために光ります。
そのため道徳感がかなりズレています。原作本はアメリカで1番売れている本だそうです。このズレてる生き方に有罪か無罪を出すことが話題になったのでしょう。
とにかくきれいな作品
言うことなし。とても丁寧できれいな作品でした。
主人公の語りの内容。
沼地の自然の写し方。
ストーリーの進行。
原作を知らないのですが、きっと原作の雰囲気をそのまま表現しているのではないでしょうか?
ストーリーもラブストーリーであり、サスペンスであり、自伝であり、とてつもなく密度が高かったです。
自分の元から人は去っていき、社会からは侮蔑され、それでも誰かとは繋がっていたい。
孤独になることの恐怖と社会の恐怖。その二つについて考えさせられました。
また、広告のポスターを見た人は、主人公の女性を怖いと感じたと思いますが、そこもまた本作のポイントである偏見を表してるようで良いですよね。
原作が買いたくなる作品でした。
ラストはちょっと鳥肌
予告編にまんまと騙された、良い意味で。本編とは若干違っていて、ミスリードが上手。
もう終わりかぁ、面白かったけど予想していたラストとは違ったなぁ、と思っていたら続きが。
ごめんなさい、面白かったです。
はじまりは1950年代、差別なんて日常茶飯事な時代だろうから、そういう背景を考えると、いろいろ理不尽とも思える事がちょいちょい出てくる。
雑貨屋の黒人夫婦も、金持ち白人相手だと、あまり強く咎めることも難しそうだし。
周りから差別され、白い目で見られながらも、カイアは強く生き抜いた。
そして、しれっと天寿を全うした。
それはある意味、父親と町の人たちのおかげだろう。
それにしても検事は、もう少し物的証拠を集められなかったものか?憶測だけで裁判に臨んでいたから、カイアの弁護人にことごとく覆されてたじゃないか。
チェイス嫌いだわぁ、あの感じ。『キングスマン』では良い息子だったのに。
ミステリーと思いきやメッチャ素敵なラブストーリーだった洋画。 本年度ベスト!
予告編で面白そうなミステリー映画と思って鑑賞。
ちょっと都合が良い感じだったけど素敵なラブストーリーだった。
湿地帯に住むカイヤ。
事情により子供の頃から一人で暮らし、殺人事件の被告人として裁判にかけられる展開。
裁判とカイヤの幼少期からのストーリーが同時進行。
出だしの風景に引き込まれる。
とにかく湿地帯の風景が美しい。
学校にも行けず絵を書くことが趣味のカイヤ。
知り合った男性から文字の書き方などを教わりながら良い感じに。
殺人犯と疑われる法廷のシーンとラブストーリーが同時進行する展開が新鮮で引き込まれる。
雑貨屋の夫婦が優しい反面、殺された男がクソ過ぎる。
カイヤの生涯を表現したストーリーで壮絶な人生だった感じ。
ザリガニがどの様に鳴くのか?
気にしながら鑑賞してました( ´∀`)
原作もお薦めだが映画もよかった(^o^)
2021年度本屋大賞の翻訳小説部門1位を獲得したディーリア・オーエンズの同名小説の映画化。原作は2020年6月に読了済みで、その年のベスト20に入れていた。
原作と比較しようにも細部をまるで覚えていないので無理だが、映画として非常に良作だと思った。なにより映像が美しい。原作を読んだときは舞台となる湿地はもっと汚いイメージだったが、とんでもないことだった。
いきなり主人公が逮捕され裁判が始まってしまうので驚くが、そこから丁寧に過去を辿っていく構成もよかった。おすすめです。
面白い、4.3ぐらい。
ホラー?ミステリー?サスペンス?とか思ったら違った。一つ間違えれば寝そうなのに、全然眠くならないというか、あっという間でした。
大自然の美しさとCGの上手さ。CGですって使い方ではなく、効果的な補助的な使い方が大自然の美しさを引き立てる。
ラストは衝撃的とまではいかなかったけど、そうなのか!って感じでしたが…後から考えると色々な捉え方があるなぁと感じ、犯人は誰とは言えないと思いました。
ちょっと疑問だったのは彼女の家族。いくらなんでも、そりゃなくないか?聖書の件までは血がつながってないのか?とさえ思ったわ。
可愛い人は..
1.湿地帯に住む美女、美女じゃなかったら、こうは行かない。
2.金持ちは、珍しもの好き。
3.学校行ってなかったから、上手く行った。罪悪感も無かった?
4.弁護士も旦那も、自分の彼女への空想?で接して結果オーライ
5.最初から、彼女がやったと思った。
6.やはり映画は自然も、人も美しくないとダメ
7.早く原作を、読みたくなった。
8.なんだかんだ、若くて美しい娘はどこでも徳だ。
小型船舶2級
イイ!!
何がイイって、主人公のカイア=湿地帯の娘が目離せないくらい魅力的!!
小型船舶(エンジン付きボート)を生活基準でスイスイ扱ってるのってカッコ可愛くない?
ボートのカーブって難しいんですよ、思ったトコに船は止まらないんです。
ても彼女はただの道具として片手運転。
もう俺らで言う自転車コンビニレベルですよ。
プレゼントが点火プラグで喜んじゃうとかもうね、素朴キャワ!
ファッションも可愛いくて嬉しい!くてくてのワンピースとか、時にオーバーオール、おめかしん時に柔らかピンクのドレスとかキュンキュンしちゃったわ、がんばれー!
絵もイイですよ。アートとかじゃ無い写実主義なんも素朴感有って堪らん!
しかも時間の経過と共に技術向上してんのね、ベタ塗りから、筆のタッチなんか覚えちゃったりして。
もう、絵好きなんじゃん!
感情だけじゃ無くて、キッチリ理性と論理で思考出来るのもステキだし、学問を愛せる知性が自体がステキ!!
もうね、好き!応援したい!味方になりたい!!!
って、映画なんですよ。
彼女の事をいかに知り、いかに理解するのか。
ってリトマス紙なんですよ。
いいんですよ、あの美しくも触れられそうにない湿地帯と共に生きる彼女の味方になりたいと思わせた時点で大成功なんですよこの映画。
俺は最高です。
ただ惜しむらくは
ノースカロライナ、ディズマル湿地にある田舎町郊外の沼地で地元名士の長男 (ろくでなし) が遺体で見つかる
そしてその湿原には、街の皆が気持ち悪がって忌み嫌う、幼少の頃親に捨てられて以来ひとり生きる女の子が棲んでいる
どうやらこの二人にはなんらか関係があったようで
動物学者ディーリア・オーエンズがいきなり大ヒットさせた同名の処女小説が原作、思惑が錯綜するスリリングさ、北米大陸南東部大自然の雄大さ、あとなんといっても主演のデイジー・エドガー=ジョーンズの美しさ
すばらしさ、ただ惜しむらくは、その太すぎる伏線
ある少女の女への成長物語…
全世界で1500万部の大ベストセラーとなり、日本の本屋大賞の海外部門小説で大賞に輝いた、同名小説の映画化。海外小説は苦手な自分が面白くて、のめり込んだ作品だっただけに、映画化を待ち焦がれていた。500ページの長編小説を、オリビア・ニューマン監督が、2時間の枠に上手にまとめて仕上げている。
1950~60年代のアメリカ・ノースカロライナの湿地帯を舞台にした、ヒューマン・サスペンス。決して、派手な演出があるわけでもなく、登場人物も限られた中でのストーリー。しかし、広大な湿地帯の木々や草花、動物、虫等の色彩や匂い、音、温度等が息づくように伝わってくる。
そんな湿地帯の中で暮らす少女を主人公に、切なさや痛み、感動、そして驚愕の真実のどんでん返しを兼ね備えた、映画ファンが好みそうな作品となっている。
当時、貧困問題、人種差別などはアメリカの黒歴史でもあり、そんな時代背景の中で、両親、兄弟から見放され、何もない湿地の粗末な家に、一人取り残された6歳の少女・カイアが主人公。学校に通えず、文字の読み書きもできない、家族もいない。唯々、母の帰りを待って生きてきた悲運のカイアが、いったい何をしたというのだろう…。
そんな幼かった彼女が、凄まじい苦境を乗り越え、『生』にしがみついて生きようとする様や、思春期の芽生えからの淡いラブ・ストーリーを中心に、少女が美しい女として成長していく様を描いていく。
一方で、湿地帯で変死体で発見されたカイヤの2人目の恋人の真相を巡って、彼女への偏見から事件の容疑者とされ、裁判で無罪を勝ち取るための法廷ドラマとして、サスペンスの要素も高まっていく。
主演のカイヤを務めたのは、デイジー・エドガー=ジョーンズ。テレビドラマでは出演していたようだが、スクリーンではお初の女優さん。世間からは隔絶され、6歳から一人で生きてきた、汚れのない無垢な少女から、恋を知り、女性としての輝きを放ちだし、魅力的な女性へと変貌を遂げていく演技に魅了された。その美しさも演技も素晴らしく、これから、アン・ハサウェイの様な魅力ある女優への期待を、十分に備えていると感じた。
原作も既読で、内容も結末も分かってはいたが、それでも、デイジーの魅力的な演技もあり、個人的には、今年のベスト3に入る作品となった。映画の余韻に浸りながら、原作をもう一度読んでみたくなった。
ミステリーというより一人の女性の自伝
ポスターがすごく不穏なミステリー!て感じだけど実際は一人の強く賢い女性の半生を、美しい自然と共に描いた映画って印象だった。
もちろん彼女の過去を語る中で謎が解き明かされていくけど、事件の真相がメインというよりも彼女自身の話がメイン。
けれどダラダラとつまらないものではなくて、厳しい環境でも決して腐らず知性と品位、信念を保ち続けて唯一の存在として生き続けた女性が描かれていた。
いやあの環境で生きてて肌とか髪とか美しすぎるんだけどね笑
でも悪意の中にも善意があって、孤独と愛があって、やっぱり目頭が熱くなったよ〜〜いい映画でした!
最後のテイラースウィフトの歌が味わい深くて良かったですね!
アメリカならありそう。
いろいろ保護されている日本ではなかなかない設定だと思うけど、生きて行く大変さをジワジワと見せつけられた。過酷な人生でも一条の光があるだけ救いか…。サスペンスとしても秀逸。ラストまで気が抜けなかった。
女の一生
謎解き系ミステリーかと思っていたら、
法廷ムービーで人物伝だった。
どうしてそうなったかを過去へさかのぼってたどっていくストーリー。
結果は最初に示されているのでオチは分かるが、引き込まれる展開。
構成がいいんでしょうな。
最後に一応謎は解けるが、真相は藪の中。
◯◯◯が犯人だと思ったのになぁ…(笑)
巨大ザリガニを捕らえる為、禁断の湿地帯を目指す!
そんな映画では全くなかった。それどころかザリガニは一瞬も映りません。
爆発ヒットしたミステリー小説が原作で、2021年の本屋大賞も受賞して、この短期間で映画化にまで至った経緯から話の面白さはお墨付きということでしょう。
作者自身が保護活動をしているというノースカロライナの湿地帯の自然、動物、虫達の映像が美しい!
音楽は「ライフ・オブ・パイ トラと漂流〜」のマイケル・ダナ!君に決めた!
そして主人公が暮らす湿地帯の家の実在感が半端ない。舞台美術がすごい!宮崎駿もビックリ。ジブリパークにこれが本物だと見せつけたい!この時点で映像化して良かったと思った。
そして撮影監督は「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のポリー・モーガン!
恐怖に対峙する子供の成長を捉えるキャメラ!B級ホラー映画で鍛えられた無駄な金を掛けない工夫を凝らしたワンショットのカメラワークで決めてきます。かっこいい!
配役も完璧。本作の為に書き起こされたテイラー・スイフトの主題歌「キャロライナ」も、ラストの余韻に浸りながら歌詞が全てを補完する素晴らしい主題歌だった。ちゃんと歌詞を翻訳して流した配給会社!素晴らしい!
原作のクライマックスにあった巨大ザリガニとのバトルシーンがカットされていた(嘘)ので、★マイナス0.5
塩茹でのザリガニを期待した浅はかさ(笑)。
主演の女優さんや湿地帯の風景など、なかなか綺麗で目の保養になったこと、そして最後のゾッとするオチも含めて大変印象的な作品でした。
ただ、全体的に「湿地帯に住む生活感」というのが表現出来ておらず、寓話的、悪く言うと絵空事みたいな雰囲気がただよっていた点は唯一のマイナスだったと思います。
生活感の演出という点で、欠けて居たのが日々の食材調達、調理、食事シーンですね。
貧しそうな小さな子供が居たとして、一番気になるのが「毎日どんな食事をとっているか」です。採集活動で生活資金を得ることが出来たとして、購入したとうもろこしの粉(でしたか?)を当時、どうやって調理してたか気になって仕方ありませんでした。
彼女が成長するにつれて湿地帯で採取できる食材だけで日々の暮らしは全く困らない、なんならフルコースでも作れる、って設定にしたらより、鑑賞者との距離が近くなり共感度が上がったと感じました。
題名にあるザリガニも、幼少期に母親からザリガニの群生するポイントを教えてもらっていて、お腹空いたらそこで食材調達しなさいって仕込まれていた可能性をまじめに予想してました。ザリガニは当時から日本でも普通に食べられており、意外に美味しいそうな。
古びてはいるが、カラッとして湿気をまるで感じないアトリエみたいな彼女のお家は、撮影用のセットなんでしょうけど、不便な田舎暮らしの経験のある私には観光宣伝用にしか見えませんでした。
では。
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