ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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怖い映画じゃなかった
タイトルとポスターの雰囲気から、ホラーかスリラーサスペンスかと覚悟してたけど全然そんなことなかった笑
沼地、都会、それぞれに生きる人たちが、ルールと本能に翻弄されながらも必死に生きていく姿が印象的。
物語に衝撃的な展開はないものの、沼地に生きる主人公、自然の描き方、人間関係の描き方がうまく、飽きずに見ることができた。
特に沼地での生活という概念自体が馴染みがなく、新鮮だった。
性的なシーンもあるが、人間的な性と動物的な性や、ベッドシーンを使っての世界の対比がうまく表現されていて、それがよりテーマを際立たせていた。
チェイス役の人はどこかでみたことあると思ったら、キングスマンの人だったのね。高貴で一癖ある役が似合う。
ラストはびっくりだけど、自然な感じで後味はとてもいい。
自然美
アメリカ西海岸の田舎、湿地帯の美しさと怖さ
極上ラブストーリー
日本でやるなら斉藤由貴(尾崎豊→川崎麻世の頃)で
割とドロドロした映画ですね??
最初から最後まで主人公のナレーションで、
センチメンタルに終わる感じだけど、そこで見せてるのは、
カイアの絵日記を見つけて驚愕する夫。
「おっそろしい女じゃった〜〜〜!」とでも字幕入れますか。
でも、そこ、すっげーサラっと描いてテイラー・スウィフト流しちゃう。
原作者は動物学者って事で、主人公にも善悪の観念のない動物を据え置きました。てか?
お父さん暴力ふるう人だったって事だけど、
カイアにもその精神受け継がれてますね??
それがDVホイホイとなって、男たちに暴力ふるわせてる向きもあるかと。
チェイス、って可哀想な人だと思うよ。
本音で話せるのが、カイアだけ。
世間体とかいろんな社会のしがらみの中で、
制約の中で生きてるから。だから、フィアンセも本当に建前なのだと思った。
(例えばここを同性愛とかの設定にしたら、もっと分かりやすくなったのかも。
本当は同性の事が好きだけど、建前で異性と結婚せざるを得ない、みたいな。
りゅうちぇるかよ)
もうちょっと動物的な部分を強調しないと何を言いたい映画なのか分からない感じが。
単なる「かわいそうな女性映画」にする事は、全女性を馬鹿にしている事にもなるのでは。
チェイスが「クソ野郎」なら、カイアもクソ女。
動物に善悪がないのなら、チェイスにもカイアにも、お父さんにも善悪ない。
それぞれが必死でサバイブしているだけなんだ。って?
もういなくなった家族の事を思い出して流した涙は、最後のオチでカピカピに乾いたのだった。
湿地が教えてくれたこと
1969年、ノースカロライナの湿原で金持ちの息子チェイスの遺体が発見される。容疑者は、『湿地の少女』と呼ばれるカイヤ。そして裁判で明らかになってくるカイヤの過去と湿地の暮らし。
父親の暴力によって母親や兄弟が次々に去り、一人置き去りになった少女に、町の人々は手を差し伸べることなく、わずかな理解者の手助けだけで生きてきた少女。貝を売り、湿地の生き物を観察し、スケッチするカイヤ。
主演のデイジー・エドガー=ジョーンズの表情が素晴らしく、感情を爆発させる姿に胸を打たれました。
ミステリーとして完璧とは言えませんが、丁寧に観ていくと、あれはこういうことだったのかとわかります。
湿地には多様な生物が棲んでいて、自然が美しいです。
湿地と沼地は違うのだそうです。湿地を進んでいくとたまに現れるのが沼地で、陽の当たる湿地と違い、沼地の水は暗くて中が見えないんです。沼地にもまた違った生き物がいますが、よく見えません。あの鳴き声はザリガニなんでしょうか。
美人でないと成立しない物語が好きではない。
ミステリアスな予告編の一方で、ある女性の半生をロマンス要素多めに描いていた本作。
湿地でのリアルな生活(本にするレベルでの生き物や自然との触れ合いなど)が見られなかったからか、ずっと彼女の存在がファンタジックに見えてしまった。さすがに貝だけでは生活への説得力が乏しく感じる(ボートの扱いはやたらと上手そうにみえたが)。結果的に大部分の湿地シーンよりも、合間の法廷シーンが面白く感じたのは惜しいところ。
原作は未読だが、恋愛描写が割としつこめに描かれているのも気になった。キスをするだろうなというシーンでしっかりキスをして、ロマンティックに演出する。湿地をやたらと美しく描こうとしている感じがやはりどうしてもファンタジーのように見えるのだ。
決して気分がいい話でもなく、そもそも美人でなければ成立しない物語。時代柄もあるが、“湿地に一人で暮らす美人な女性”になにかしてあげたいと近づく男性たちは薄気味悪い。
しかし、そんな中、作中でとても好きだったシーンがある。それは、やぐらに上がって湿地を見渡すシーン。
「いつも横顔だけ見てた友達の全体を見た気分」
この表現はとても胸に刺さっている。そんな彼女の豊かな感性を、映画の中でもっと知れたらよかった。そこに作られた美しさではない内面の美が見えたから。
さぁ次どうなる⁉️
よかったです。
自らを裁いてるの!
いい映画だった
いきなりですが、いい映画を見たな・・・
この手の映画を久しぶりに見たような気がするな・・・
有名な小説の映画化らしいですが、私はあまり小説を読まないので、先入観なく見れました。
小説の映画化って小説に想い入れがある人は、自身のイメージがあるだろうから、賛否両論になるとは思いますが、私自身、小説を読んでいないので、初めから最後まで楽しんで見る事が出来ました。
主演のデイジー・エドガー・ジョーンズも細かい演技が上手だと思います。
親に育てられず、自分自身の力だけで生きてきた少女の少女らしくない表情、怒った時の態度など、何か普通じゃないと言う細かい表情や態度をしっかり出し切っていました。
本作品も撮り上げたオリビア・ニューマン監督って新人でしょ?これだけのモノが撮れるのなら、本当に今後期待出来そうな監督ですね。
この映画のお話って小説であり、実話ではないですが、本作品の内容、色々と考えさせられます。
親がいなくても子供は育つ、しかし、結局、人は独りでは生きていけない、全ては繋がりで生きている事など、本作品を通して人の生き方や差別など色々と考えさせられたかな・・・
また、本作品、お話のテーマになる裁判の行方ですが、ラストにちょっとだけ、見ているこちらに投げかけるシーンがあります。
原作者が、本作品の真相は見ているこちらで想像すればいいと言う感じでこうしたのかなと思っています。
しかし、邦題はこれでいいのかな・・・
くどいようですが、久しぶりに見応えのあるいい映画を見ました。
色々な人に見て貰いたい1本です。
ミステリーではなくて恋愛映画
タイトルを聞いて「え!?ザリガニって鳴くの?」って疑問を持つ人もいるでしょうがそもそも話にザリガニは深く関わってきません…なぜこのようなタイトルにしたのか?ストーリーのはじめに殺人事件なのか、事故なのか分からない事件が起こりそれの容疑者に主人公が…という流れなので基本的にはミステリーなんですけど、その大半が家族に見捨てられ自然と共に過ごす女性の半生と、彼女のラブストーリー中心で話が進んでいくちょっと変わった感じの映画。なので、ミステリーを期待して観ると肩透かしを食らうかも?というかミステリーの部分がかなり作りが甘い(法廷劇として迫力やリアリティがなさすぎる)ので正直ミステリーの部分いらないのでは…?純粋に主人公の女性の回想メインでストーリーを進めて行った方が彼女の魅力ももっと分かってよかったと思うんだけどなぁ。そもそもなぜチェイスは死んだのかという肝心な部分は全然描かれていないし、ラストの描写も「だとしたらアリバイは何だったの…?」となるし、ミステリー部分は期待しない方がいいです。というかミステリーではなく恋愛映画です!自然の美しい描写もよかったので美しい自然と美しい女性を映画館で観たい方にはオススメ(つまりストーリーはイマイチ!)
ザリガニは出てきません
「Oh Calorina knows カロライナは知っている」
エンドタイトルで流れるテイラースウィフトの歌が心に染みる。
この映画はミステリーとされているがちょっと毛色が違うね。
1960年代という時代背景。
美しいカロライナの湿地の風景。
湿地の娘と揶揄される少女の裁判の中で語られる成長譚。
酷いやつら(DVオヤジと死んだ元恋人、街の奴ら)と裁判。
ところで、最後まで冒頭の殺人事件の犯人の描写は無い。
貝殻のペンダントで薄く提示されるのみで、果たして何があったのかは分からないままだ。でも、語らないことで余白が生まれ、「カロライナは知っている」に繋がる。実に巧みで美しい結末だった。映画を見て3日経つがしみじみと思いにふけっている。
全然タイプが違うが、イーストウッドの名作「マディソン郡の橋」を思い出したよ。かつてフリンをした妻の想いに死んでから気づく夫と家族。
それこそ、「マディソン郡の橋は知っている~」うーん下手すぎる。
見てそんのない映画だが、同時期に「すずめの戸締り」をやっているので観客は少ないのが残念だ。映画の正統は廃れゆくのみなのかなあ?若い人にこそ見てほしいと思うけどねえ。
デイジーエドガージョーンズは、この役を自身のことのように演じている。実に印象的な演技だった。推し⸜❤︎⸝
視聴者が有罪か無罪を問う映画
とにかくきれいな作品
言うことなし。とても丁寧できれいな作品でした。
主人公の語りの内容。
沼地の自然の写し方。
ストーリーの進行。
原作を知らないのですが、きっと原作の雰囲気をそのまま表現しているのではないでしょうか?
ストーリーもラブストーリーであり、サスペンスであり、自伝であり、とてつもなく密度が高かったです。
自分の元から人は去っていき、社会からは侮蔑され、それでも誰かとは繋がっていたい。
孤独になることの恐怖と社会の恐怖。その二つについて考えさせられました。
また、広告のポスターを見た人は、主人公の女性を怖いと感じたと思いますが、そこもまた本作のポイントである偏見を表してるようで良いですよね。
原作が買いたくなる作品でした。
ラストはちょっと鳥肌
予告編にまんまと騙された、良い意味で。本編とは若干違っていて、ミスリードが上手。
もう終わりかぁ、面白かったけど予想していたラストとは違ったなぁ、と思っていたら続きが。
ごめんなさい、面白かったです。
はじまりは1950年代、差別なんて日常茶飯事な時代だろうから、そういう背景を考えると、いろいろ理不尽とも思える事がちょいちょい出てくる。
雑貨屋の黒人夫婦も、金持ち白人相手だと、あまり強く咎めることも難しそうだし。
周りから差別され、白い目で見られながらも、カイアは強く生き抜いた。
そして、しれっと天寿を全うした。
それはある意味、父親と町の人たちのおかげだろう。
それにしても検事は、もう少し物的証拠を集められなかったものか?憶測だけで裁判に臨んでいたから、カイアの弁護人にことごとく覆されてたじゃないか。
チェイス嫌いだわぁ、あの感じ。『キングスマン』では良い息子だったのに。
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