劇場公開日 2022年11月18日

「日本でやるなら斉藤由貴(尾崎豊→川崎麻世の頃)で」ザリガニの鳴くところ ababiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5日本でやるなら斉藤由貴(尾崎豊→川崎麻世の頃)で

2022年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

割とドロドロした映画ですね??

最初から最後まで主人公のナレーションで、
センチメンタルに終わる感じだけど、そこで見せてるのは、
カイアの絵日記を見つけて驚愕する夫。
「おっそろしい女じゃった〜〜〜!」とでも字幕入れますか。
でも、そこ、すっげーサラっと描いてテイラー・スウィフト流しちゃう。

原作者は動物学者って事で、主人公にも善悪の観念のない動物を据え置きました。てか?
お父さん暴力ふるう人だったって事だけど、
カイアにもその精神受け継がれてますね??
それがDVホイホイとなって、男たちに暴力ふるわせてる向きもあるかと。

チェイス、って可哀想な人だと思うよ。
本音で話せるのが、カイアだけ。
世間体とかいろんな社会のしがらみの中で、
制約の中で生きてるから。だから、フィアンセも本当に建前なのだと思った。
(例えばここを同性愛とかの設定にしたら、もっと分かりやすくなったのかも。
本当は同性の事が好きだけど、建前で異性と結婚せざるを得ない、みたいな。
りゅうちぇるかよ)

もうちょっと動物的な部分を強調しないと何を言いたい映画なのか分からない感じが。
単なる「かわいそうな女性映画」にする事は、全女性を馬鹿にしている事にもなるのでは。

チェイスが「クソ野郎」なら、カイアもクソ女。
動物に善悪がないのなら、チェイスにもカイアにも、お父さんにも善悪ない。
それぞれが必死でサバイブしているだけなんだ。って?

もういなくなった家族の事を思い出して流した涙は、最後のオチでカピカピに乾いたのだった。

ababi