ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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とにかくきれいな作品
言うことなし。とても丁寧できれいな作品でした。
主人公の語りの内容。
沼地の自然の写し方。
ストーリーの進行。
原作を知らないのですが、きっと原作の雰囲気をそのまま表現しているのではないでしょうか?
ストーリーもラブストーリーであり、サスペンスであり、自伝であり、とてつもなく密度が高かったです。
自分の元から人は去っていき、社会からは侮蔑され、それでも誰かとは繋がっていたい。
孤独になることの恐怖と社会の恐怖。その二つについて考えさせられました。
また、広告のポスターを見た人は、主人公の女性を怖いと感じたと思いますが、そこもまた本作のポイントである偏見を表してるようで良いですよね。
原作が買いたくなる作品でした。
ラストはちょっと鳥肌
予告編にまんまと騙された、良い意味で。本編とは若干違っていて、ミスリードが上手。
もう終わりかぁ、面白かったけど予想していたラストとは違ったなぁ、と思っていたら続きが。
ごめんなさい、面白かったです。
はじまりは1950年代、差別なんて日常茶飯事な時代だろうから、そういう背景を考えると、いろいろ理不尽とも思える事がちょいちょい出てくる。
雑貨屋の黒人夫婦も、金持ち白人相手だと、あまり強く咎めることも難しそうだし。
周りから差別され、白い目で見られながらも、カイアは強く生き抜いた。
そして、しれっと天寿を全うした。
それはある意味、父親と町の人たちのおかげだろう。
それにしても検事は、もう少し物的証拠を集められなかったものか?憶測だけで裁判に臨んでいたから、カイアの弁護人にことごとく覆されてたじゃないか。
チェイス嫌いだわぁ、あの感じ。『キングスマン』では良い息子だったのに。
救いがある
世界中に湿地の少女と同じ苦しみを抱えている子供達が沢山存在していると思いながら、鑑賞しました。彼女は、湿地に生きる生物を観察し自らも湿地に生きる生物をお手本にして生きていたから、あの正しい選択ができたのだと思います。
貧困や暴力の描写がある反面、湿地を映すカメラはとても美しく圧巻でした。やはり、アメリカは広いですね。暴力に苦しんでいる人に届いて欲しい救われる作品でした。原作面白そうですね。
ミステリーと思いきやメッチャ素敵なラブストーリーだった洋画。 本年度ベスト!
予告編で面白そうなミステリー映画と思って鑑賞。
ちょっと都合が良い感じだったけど素敵なラブストーリーだった。
湿地帯に住むカイヤ。
事情により子供の頃から一人で暮らし、殺人事件の被告人として裁判にかけられる展開。
裁判とカイヤの幼少期からのストーリーが同時進行。
出だしの風景に引き込まれる。
とにかく湿地帯の風景が美しい。
学校にも行けず絵を書くことが趣味のカイヤ。
知り合った男性から文字の書き方などを教わりながら良い感じに。
殺人犯と疑われる法廷のシーンとラブストーリーが同時進行する展開が新鮮で引き込まれる。
雑貨屋の夫婦が優しい反面、殺された男がクソ過ぎる。
カイヤの生涯を表現したストーリーで壮絶な人生だった感じ。
ザリガニがどの様に鳴くのか?
気にしながら鑑賞してました( ´∀`)
原作もお薦めだが映画もよかった(^o^)
面白い、4.3ぐらい。
ホラー?ミステリー?サスペンス?とか思ったら違った。一つ間違えれば寝そうなのに、全然眠くならないというか、あっという間でした。
大自然の美しさとCGの上手さ。CGですって使い方ではなく、効果的な補助的な使い方が大自然の美しさを引き立てる。
ラストは衝撃的とまではいかなかったけど、そうなのか!って感じでしたが…後から考えると色々な捉え方があるなぁと感じ、犯人は誰とは言えないと思いました。
ちょっと疑問だったのは彼女の家族。いくらなんでも、そりゃなくないか?聖書の件までは血がつながってないのか?とさえ思ったわ。
可愛い人は..
小型船舶2級
イイ!!
何がイイって、主人公のカイア=湿地帯の娘が目離せないくらい魅力的!!
小型船舶(エンジン付きボート)を生活基準でスイスイ扱ってるのってカッコ可愛くない?
ボートのカーブって難しいんですよ、思ったトコに船は止まらないんです。
ても彼女はただの道具として片手運転。
もう俺らで言う自転車コンビニレベルですよ。
プレゼントが点火プラグで喜んじゃうとかもうね、素朴キャワ!
ファッションも可愛いくて嬉しい!くてくてのワンピースとか、時にオーバーオール、おめかしん時に柔らかピンクのドレスとかキュンキュンしちゃったわ、がんばれー!
絵もイイですよ。アートとかじゃ無い写実主義なんも素朴感有って堪らん!
しかも時間の経過と共に技術向上してんのね、ベタ塗りから、筆のタッチなんか覚えちゃったりして。
もう、絵好きなんじゃん!
感情だけじゃ無くて、キッチリ理性と論理で思考出来るのもステキだし、学問を愛せる知性が自体がステキ!!
もうね、好き!応援したい!味方になりたい!!!
って、映画なんですよ。
彼女の事をいかに知り、いかに理解するのか。
ってリトマス紙なんですよ。
いいんですよ、あの美しくも触れられそうにない湿地帯と共に生きる彼女の味方になりたいと思わせた時点で大成功なんですよこの映画。
俺は最高です。
ただ惜しむらくは
ある少女の女への成長物語…
全世界で1500万部の大ベストセラーとなり、日本の本屋大賞の海外部門小説で大賞に輝いた、同名小説の映画化。海外小説は苦手な自分が面白くて、のめり込んだ作品だっただけに、映画化を待ち焦がれていた。500ページの長編小説を、オリビア・ニューマン監督が、2時間の枠に上手にまとめて仕上げている。
1950~60年代のアメリカ・ノースカロライナの湿地帯を舞台にした、ヒューマン・サスペンス。決して、派手な演出があるわけでもなく、登場人物も限られた中でのストーリー。しかし、広大な湿地帯の木々や草花、動物、虫等の色彩や匂い、音、温度等が息づくように伝わってくる。
そんな湿地帯の中で暮らす少女を主人公に、切なさや痛み、感動、そして驚愕の真実のどんでん返しを兼ね備えた、映画ファンが好みそうな作品となっている。
当時、貧困問題、人種差別などはアメリカの黒歴史でもあり、そんな時代背景の中で、両親、兄弟から見放され、何もない湿地の粗末な家に、一人取り残された6歳の少女・カイアが主人公。学校に通えず、文字の読み書きもできない、家族もいない。唯々、母の帰りを待って生きてきた悲運のカイアが、いったい何をしたというのだろう…。
そんな幼かった彼女が、凄まじい苦境を乗り越え、『生』にしがみついて生きようとする様や、思春期の芽生えからの淡いラブ・ストーリーを中心に、少女が美しい女として成長していく様を描いていく。
一方で、湿地帯で変死体で発見されたカイヤの2人目の恋人の真相を巡って、彼女への偏見から事件の容疑者とされ、裁判で無罪を勝ち取るための法廷ドラマとして、サスペンスの要素も高まっていく。
主演のカイヤを務めたのは、デイジー・エドガー=ジョーンズ。テレビドラマでは出演していたようだが、スクリーンではお初の女優さん。世間からは隔絶され、6歳から一人で生きてきた、汚れのない無垢な少女から、恋を知り、女性としての輝きを放ちだし、魅力的な女性へと変貌を遂げていく演技に魅了された。その美しさも演技も素晴らしく、これから、アン・ハサウェイの様な魅力ある女優への期待を、十分に備えていると感じた。
原作も既読で、内容も結末も分かってはいたが、それでも、デイジーの魅力的な演技もあり、個人的には、今年のベスト3に入る作品となった。映画の余韻に浸りながら、原作をもう一度読んでみたくなった。
ミステリーというより一人の女性の自伝
ポスターがすごく不穏なミステリー!て感じだけど実際は一人の強く賢い女性の半生を、美しい自然と共に描いた映画って印象だった。
もちろん彼女の過去を語る中で謎が解き明かされていくけど、事件の真相がメインというよりも彼女自身の話がメイン。
けれどダラダラとつまらないものではなくて、厳しい環境でも決して腐らず知性と品位、信念を保ち続けて唯一の存在として生き続けた女性が描かれていた。
いやあの環境で生きてて肌とか髪とか美しすぎるんだけどね笑
でも悪意の中にも善意があって、孤独と愛があって、やっぱり目頭が熱くなったよ〜〜いい映画でした!
最後のテイラースウィフトの歌が味わい深くて良かったですね!
じわじわと沈殿していくような余韻に満たされる
不遇な人生を送ったカイアに深い同情を感じると共に、ほんの少し突き放されたような気持ち。観賞後に互いの感覚が私を引っ張り、不思議な後味となって残った。
でもやはり、最後に母を求める小さなカイアの眼差しが忘れられず、じわじわと哀しみで胸が浸たされていった。成長しても「小さなカイア」は彼女の心の中にずっと住み着いていて、その傷は癒えることはなかったのではと思うと、涙が出てきしてまう…。
暴力的だった父が一時みせた優しさの象徴である鞄を、成長してもずっと使っていたいじらしさ。皆に捨てられても誰かが帰ってくるのではと細い可能性にすがるいじらしさ。
「軍でもらった」という鞄。父親も戦争で傷つき、国に棄てられた元兵士なのだろうか。人を信用するななどの台詞から、彼もまた、気を病み、人に疎まれ無理解に苦しんでいた様子が窺える。
この映画が特別な魅力を放っているのは、移ろいゆく自然と湿地の美しさに、人間の心の移ろいやすさも同時に描かれ残酷さが加わっていることだろう。
カイアは、町の人々からは恐ろしい湿地に住んでいる世捨て人として拒絶され、ティトやチェイスにとっては童話のように美しい世界のお姫様でもある。しかし、チェイスの態度は希少な動物を狩るハンターそのものであり、カイアを所有物と勘違いし、力でねじ伏せようとする。
カイアがテイトにも黒人夫婦にも頼らず自力で恐怖に立ち向かうことを決意したのは、それまでも湿地で生き延びてきた強(したた)かさを身につけたからでもあり、人に何度も裏切られてきたことによる心の防衛でもあり、自然の成り行きだったと思う。
人として法で裁かれるなら罪になる。しかし人間も動物であるのならば、彼女は本能に従ったまでである。カイアが言ったように、そこに善悪というものはない。動物は縄張りを守るため、同じ種と戦う。捕食者がやってくるのならば、全力で抵抗する。
彼女を癒し支えになった動植物たちが、最終的に、生きるなら戦いなさい、と彼女の背中を押したのかもしれない。
裁判後にテイトの手を一瞬離したのは、罪悪感からだろうか。それともまた傷つくことを恐れたからだろうか?
カイアの心の淵と、人知れず小さな幸せを守り抜いた人生に思いを馳せる。小さなカイアの魂はあの沼地で、安らかに眠っているだろうか。
時代背景も重要で、スマホがある現代ではこれほど魅力的なストーリーにはならなかっだろうし、まだ社会的弱者であったであろう黒人夫妻が味方になるのも違和感がなく、自然の流れであった。白人であるカイアの父親に緊張し警戒する様子など、細かな演技もこの作品に複雑さを与えていると思う。
良作
手放しで最高とは言い難いが、良作だと思います。
ミステリー要素というか、オチというか、このあたりは正直良くあるものといえば良くあるもの。
現実と回想をザッピングさせながらの展開も、新しさは正直無い。
なので目新しさや意外性などはそんなにでも無いです。
最後の展開も読めたし。
ただ、話の流れや展開の仕方、映像などは、話的に明るいものでも無いが、十分に見入ってしまえるレベル。
キャラクターも良かった。
多分、今作の魅力としてはそれぞれのキャラ設定だったんじゃ無いかな、と思う。
不自由がないからこその野生感への憧れや、その逆で何も知らないからこその都会への憧れ、そして純粋性など。
それぞれが絡み合って起きる人間ドラマが今作の良いところなのかな、と。
だから、ミステリー部分は弱くても面白かったと言えるのかな。
女の一生
巨大ザリガニを捕らえる為、禁断の湿地帯を目指す!
そんな映画では全くなかった。それどころかザリガニは一瞬も映りません。
爆発ヒットしたミステリー小説が原作で、2021年の本屋大賞も受賞して、この短期間で映画化にまで至った経緯から話の面白さはお墨付きということでしょう。
作者自身が保護活動をしているというノースカロライナの湿地帯の自然、動物、虫達の映像が美しい!
音楽は「ライフ・オブ・パイ トラと漂流〜」のマイケル・ダナ!君に決めた!
そして主人公が暮らす湿地帯の家の実在感が半端ない。舞台美術がすごい!宮崎駿もビックリ。ジブリパークにこれが本物だと見せつけたい!この時点で映像化して良かったと思った。
そして撮影監督は「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のポリー・モーガン!
恐怖に対峙する子供の成長を捉えるキャメラ!B級ホラー映画で鍛えられた無駄な金を掛けない工夫を凝らしたワンショットのカメラワークで決めてきます。かっこいい!
配役も完璧。本作の為に書き起こされたテイラー・スイフトの主題歌「キャロライナ」も、ラストの余韻に浸りながら歌詞が全てを補完する素晴らしい主題歌だった。ちゃんと歌詞を翻訳して流した配給会社!素晴らしい!
原作のクライマックスにあった巨大ザリガニとのバトルシーンがカットされていた(嘘)ので、★マイナス0.5
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