ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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湿地が教えてくれたこと
1969年、ノースカロライナの湿原で金持ちの息子チェイスの遺体が発見される。容疑者は、『湿地の少女』と呼ばれるカイヤ。そして裁判で明らかになってくるカイヤの過去と湿地の暮らし。
父親の暴力によって母親や兄弟が次々に去り、一人置き去りになった少女に、町の人々は手を差し伸べることなく、わずかな理解者の手助けだけで生きてきた少女。貝を売り、湿地の生き物を観察し、スケッチするカイヤ。
主演のデイジー・エドガー=ジョーンズの表情が素晴らしく、感情を爆発させる姿に胸を打たれました。
ミステリーとして完璧とは言えませんが、丁寧に観ていくと、あれはこういうことだったのかとわかります。
湿地には多様な生物が棲んでいて、自然が美しいです。
湿地と沼地は違うのだそうです。湿地を進んでいくとたまに現れるのが沼地で、陽の当たる湿地と違い、沼地の水は暗くて中が見えないんです。沼地にもまた違った生き物がいますが、よく見えません。あの鳴き声はザリガニなんでしょうか。
映画のテンポ、画、トーン、演技=総てに魅了された 人里離れた自然の中の湿地帯の一軒家でDVされ、一般社会風土からは阻害され孤独となった少女が生きる術を備えていく姿を、裁判をとおし顕に・・・
ミステリーモノと思い鑑賞してましたが、映像と共に物語に引き込まれました。
主たる登場人物は、少女カイア、子供時代よりのテイト、遺体で発見されたチェイス、雑貨屋夫婦、弁護士。
物語は、裁判を通じ少女の関わったものを見せていく
(人柄、人格、家族、社会)
誰にも心許さないように教えられ生きていて心許したテイトとチェイス。が青春のよくある苦難に遭遇しながらも湿地帯の自然で癒やし、自らの才能と助言で苦境を・・。
この映画のトーン(流れ)が私的にハマってしまいました。
映像(自然の生態系)(カメラワーク、映像のテンポ、描写)、絵、ドラマテンポ、人物描写、音楽など。
描いているのは1960年代時代のアメリカ社会、アメリカの闇ともいえる事柄、マイノリティ、人種差別、DV、格差社会、戦争帰還兵、陪審員裁判制度の危うさ・・・。
が、しかし、そんな暗いドラマの中に、少女と共に共感出来る【救いの映像】湿地帯の自然、生態系(鳥、虫、貝)と少女の絵。外の世界では雑貨屋夫婦の自分の立場がありながらも応援する姿勢。徐々にわかってくる弁護士の動機と姿勢などえがかれ、苦難が何度とも訪れる度に美しい映像と共にリセット。それをのりこえ、たくましくもなっていく生きざま。
最後の展開は、ある部分よりドウそれを出してくるかに・・考えを巡らせながら見るに至りました。
⭐久々の秀逸な作品
単純にホラーとかサスペンスとか青春も入りの、人間ドラマ、社会はドラマ、生涯モノとか 枠に入らない・・入れたくない・・
出版社との食事時のカイアの昆虫と同じ行動行動をとったで、「そこに 善悪はない。ただ生きるために必要なことをするだけ」のエピソードが、大自然の湿地帯でDVや社会から阻害された中育った少女の、
【生態系の保身術を使っただけ】
がこの映画ドラマを構成する真髄の要素をしめているように感じました。
★Digital5.1CH鑑賞
★重低音 ─
★音圧 ─
★移動音 △
★分離度 ○
★サイド(左右、後、活躍度) △
★サラウンド △
スクリーン画面側は、左、中、右、それぞれに音を振っています。湿地帯、密林で、密林の自然音(環境音)
ほぼ全編、スクリーン側がメイン
美人でないと成立しない物語が好きではない。
ミステリアスな予告編の一方で、ある女性の半生をロマンス要素多めに描いていた本作。
湿地でのリアルな生活(本にするレベルでの生き物や自然との触れ合いなど)が見られなかったからか、ずっと彼女の存在がファンタジックに見えてしまった。さすがに貝だけでは生活への説得力が乏しく感じる(ボートの扱いはやたらと上手そうにみえたが)。結果的に大部分の湿地シーンよりも、合間の法廷シーンが面白く感じたのは惜しいところ。
原作は未読だが、恋愛描写が割としつこめに描かれているのも気になった。キスをするだろうなというシーンでしっかりキスをして、ロマンティックに演出する。湿地をやたらと美しく描こうとしている感じがやはりどうしてもファンタジーのように見えるのだ。
決して気分がいい話でもなく、そもそも美人でなければ成立しない物語。時代柄もあるが、“湿地に一人で暮らす美人な女性”になにかしてあげたいと近づく男性たちは薄気味悪い。
しかし、そんな中、作中でとても好きだったシーンがある。それは、やぐらに上がって湿地を見渡すシーン。
「いつも横顔だけ見てた友達の全体を見た気分」
この表現はとても胸に刺さっている。そんな彼女の豊かな感性を、映画の中でもっと知れたらよかった。そこに作られた美しさではない内面の美が見えたから。
静かな、大自然に染まり行く映画
一人の孤独だった女性の映画、というのが全てです
オチについてはあるシーンのセリフで想像が付いちゃいましたが、ただ、オチを成立させるためのミステリ的な考え方をしだしたら、
1.どうやって誘い出した?
2.証拠はどうやって拭い去った?
みたいな細部がやや気になってしまう感じですね
後、最初のシーンも急にボートによる逃走とか、トリック成立のための要素かもですがイマジナリーラインを踏み越えててかなり気になりましたね
まあ、てな感じでミステリとしては微妙ですが、一人の人生、静かな湿原の生活は、ターシャ・テューダーを想起させる穏やかさと厳しさがある、大自然がとにかく美しい映画になっていたと思います
正直、殺人に係る話を丸々カットで、湿原で暮らした女性の物語として見るだけでも全然アリだった気がしてます
その意味でも、情景とその生き方を見るだけでも、価値ある映画だと思います
あ、ラブシーンはちょっとくどい気がしましたね
人生に入り込んできた男達に振り回されて…
幼い頃、父の暴力により家族がバラバラになり、
湿地に1人残された少女は
そこでたくましく、1人、生きる。
もし、
かまってくる男性達がいなければ、
カイアは1人、
それなりに幸せに生き抜いたのかも…
カイアの人生に
入り込んできた男性達によって、カイアの人生は
乱された…
あれは正当防衛にならないの??
そうじゃないといつか、
逆に殺されてたかもしれないよ…
理不尽だわ…
良くやった、
最後まで逃げ切った‼️
ずっと待ってたお母さんが
最期は迎えにきてくれたね。
やっと解放されたね。
安らかに。
ミステリーではありつつも、彼女の人生の物語。
湿地帯で発見された変死体、容疑者はそこで孤独に暮らす若い女性…
重たいけど傑作でした。裁判の進行とともに明らかになるのは彼女の人生そのもの。重い内容に反して、それを包み込む大自然、水や緑や生き物たちの本当に美しいこと。オチに賛否あるみたいだけど、わたしは途中で予想できたものの良い結末だと思います。
ただ、テイトや雑貨屋夫妻は事実を知っていた…の方が良かった気がする。せめて、雑貨屋夫妻だけでも。誰か、「知ってはいるが彼女を許し、守る」人がいて欲しかったし、彼女も「すべての人を偽っていた」人にはなってほしくなかった気も…。
とはいえ、あの深い緑、幻想的な湿地帯には秘密が似合うのかもしれないですね。
ちなみにわたしがいちばんひどいと思ったシーンは、モーテルの部屋でチェイスが、カイアの服すら脱がせず、前戯もせず、いきなり挿入し性行為を行ったシーンです。あれは紛れもなく性暴力であり、レイプです。殴る、蹴る、と変わらない。あれでチェイスが最低な暴力男だとわかる、見ててほんとにつらいけど、説明せずに見せる上手いシーンでもあると思いました。
素晴らしいミステリー
3日連続映画鑑賞を楽しんでおりました
本日3日目
思い切って洋画みてきました
しかも字幕やったけど
すごいミステリーだわ
少しネタバレ含みます
てっきり元彼の犯行かと思ってたら
事故だったんだー
途中から彼女が疑われてることに
おかしいと思えてくる
弁護士の言葉どおり
今まで彼女に手を差し伸べたのは雑貨屋の夫婦だけだった
自分を含め全ての人が彼女を見て見ぬふりをした
陪審員に話しかける
映画を観てる自分もそう思ってた
途中色々と差別ではなく区別してしまう感情も出たのは確か。
なので尚更彼女は幸せになってほしい。と望んだ。
自分も含めた傍観者達の無責任さを乗り越えて
結果的に彼女は自分の手で幸せを掴んだんだな
最後の最後が衝撃のミステリーでした!
私は湿地帯では暮らせない
ザリガニが鳴くところ
ノースカロライナ州、湿地帯
森の奥に一人で生きてきたカイア。
アメリカでベストセラーになったミステリー小説
物語は紐解くと
初恋の切なさが胸に刺さる。
嫌な男はどの時代ににもいる。
最後のラストの結末は
ドキッとしたが、それはまさにあの塔から見た広大な湿地帯に
その罪は隠されてしまうのでしょう。
さぁ次どうなる⁉️
夢小説か
うーん、女性が書いた話だなぁというのが最初の感想。
サスペンス要素は皆無。
オタク女子が書いた夢小説。
二人の男の間で揺れるワタシ。
暴力をふるう元軍人の父、出ていく母、大人になってから戻ってきて味方になる兄、理解があるがちょっとしたきっかけで別れる恋人、寂しいときに付け入るクズ男(良家のボンボンで婚約者あり)、心配し世話を焼いてくれる善人の夫婦、等々…
どこかで見たことのある設定の寄せ集め。
サスペンスだと思っていたので犯人を推理しながら観ていたけれど、なんのひねりもなかった。
弁護士が最初から挙動が怪しかったので、てっきり彼が真犯人か、もしくは元彼兄貴善人夫婦が協力して始末したとか考えていたのに。
あと、沼地で暮らしてる割に綺麗過ぎる。
綺麗過ぎて、街で嫌われてる設定が薄まる。
キスシーン多めのサスペン・・・いや、恋愛映画
メスのカマキリだったか、ホタルの話で犯人が誰か確信しました。
「きっとあいつが犯人だ!」という決めつけで彼女は裁判にかけられているが、
映画を観ている側は「あんな自然で生きている純粋な若い女性が殺人なんてするわけない」という決めつけ視点でどこか見ていて、
「あんな娘を裁判にかけるなんて偏見に満ちた愚かな大衆たちだな」と思っていた自分たちにラストでブーメランが返ってくる。自分たちも勝手な思い込みで彼女を見ていたことに気付かされる。
そこが面白い。
内容は恋愛中心で、ミステリー、暴力、孤独、貧困、魔女狩り、田舎のあーだこーだなど、色んな要素が入ってる。
法廷ものかと思いきや、細かいところは雑っぽい。
女性が望む幸せというか、女性が好きそうな、共感しそうな要素が詰まってて、そりゃヒットするわと納得。面白かったです。
それにしても女性は「作家で成功」「男に求められる私」って設定ホント好きだな。
黒人の売店のおっちゃんの演技が何気に最高だったりする。
主人公視点の見せ方、感情の見せ方がうまいと思う。ただ貧困の湿地帯なんだからもっと汚く、みすぼらしい感じがあったほうがリアリティ増すと思うので説得力に欠けて残念。
誰が部屋を片付けたのだろう?
まったく事前情報ゼロで鑑賞。ベストセラーのミステリー小説が原作だそうだ。そのとおり、殺人があり、犯人と目される女性が捕まり、後半は法廷ドラマとなって、犯行の真相が、彼女の生い立ちや恋愛遍歴を再現するかたちで、明らかにされていく。とまあ、無数にある事件物ではあるが、舞台がノースカロライナの湿地帯という魅力的な場所。ヒロインは親に棄てられた妖精のような美少女。というビジュアルの強みで、観客にアピールしているようだ。
事件の真相は、ほぼ予想通りだし、動機も共感はできる。そこは、事件物映画の文脈の教科書通り。といっても、まあ原作がそうなのだろうから。
邦題は原作の原題通り。これはタイトルマッチで悩んだろうなあ。意味不明だもの、一見したら。逆に『謎めいた』タイトルで客を呼んでいるかも。
深読みすれば「Where the Crawdads Sing」というオリジナルタイトルは、Crawdadsをcrawとdadsの間に補助線を引かせているのかもしれない。
よかったです。
ムール貝
いちばんびっくりしたのはムール貝🤣
最初、球根でも収穫してるのかと思った!!!
ムール貝食べるたびこの映画を思い出す
あと別れてからもずっとあの手作りの貝のネックレスしてるって結構引きずってるよねえ🤣
ボンボンゆえ、自然で逞しく生きる彼女に惹かれたのかなあ🤔そう思うとなんか可哀想な男だな
足跡消したりアリバイつくるくらい頭回るのにネックレス回収したのも意味不明🥹
自らを裁いてるの!
いい映画だった
いきなりですが、いい映画を見たな・・・
この手の映画を久しぶりに見たような気がするな・・・
有名な小説の映画化らしいですが、私はあまり小説を読まないので、先入観なく見れました。
小説の映画化って小説に想い入れがある人は、自身のイメージがあるだろうから、賛否両論になるとは思いますが、私自身、小説を読んでいないので、初めから最後まで楽しんで見る事が出来ました。
主演のデイジー・エドガー・ジョーンズも細かい演技が上手だと思います。
親に育てられず、自分自身の力だけで生きてきた少女の少女らしくない表情、怒った時の態度など、何か普通じゃないと言う細かい表情や態度をしっかり出し切っていました。
本作品も撮り上げたオリビア・ニューマン監督って新人でしょ?これだけのモノが撮れるのなら、本当に今後期待出来そうな監督ですね。
この映画のお話って小説であり、実話ではないですが、本作品の内容、色々と考えさせられます。
親がいなくても子供は育つ、しかし、結局、人は独りでは生きていけない、全ては繋がりで生きている事など、本作品を通して人の生き方や差別など色々と考えさせられたかな・・・
また、本作品、お話のテーマになる裁判の行方ですが、ラストにちょっとだけ、見ているこちらに投げかけるシーンがあります。
原作者が、本作品の真相は見ているこちらで想像すればいいと言う感じでこうしたのかなと思っています。
しかし、邦題はこれでいいのかな・・・
くどいようですが、久しぶりに見応えのあるいい映画を見ました。
色々な人に見て貰いたい1本です。
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