カムイのうた

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カムイのうた

解説

アイヌ民族が口頭伝承してきた叙事詩ユーカラを「アイヌ神謡集」として日本語訳した実在の人物・知里幸恵の人生を描いたドラマ。

大正6年、学業優秀な北里テルはアイヌとして初めて女子職業学校に入学するが、理不尽な差別といじめに遭う。ある日、アイヌ語研究の第一人者である東京の兼田教授が、テルの叔母イヌイェマツのもとへアイヌの叙事詩ユーカラを聞きに来る。テルは教授の強い勧めでユーカラを文字にして残すことに着手し、その日本語訳の素晴らしさから、東京で本格的に活動することに。同じアイヌの青年・一三四(ひさし)や叔母に見送られ、東京へと旅立つテルだったが……。

「あつい胸さわぎ」の吉田美月喜が主演を務め、テルに思いを寄せる一三四を「ソロモンの偽証」の望月歩、叔母イヌイェマツを島田歌穂、兼田教授を加藤雅也が演じる。監督・脚本は「ぼくらの七日間戦争」の菅原浩志。

2023年製作/126分/PG12/日本
配給:トリプルアップ
劇場公開日:2024年1月26日

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映画レビュー

北海道旧土人保護法

2024年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 明治時代、金田一京助氏の指導を得て、アイヌ民族に古くから伝わるユーカラ(神謡)の大和言葉への翻訳に力を尽くしながら、19歳で夭折した知里幸恵さんの物語です。

 「おそらくは・・」と、文部省推薦みたいな清く正しいお話を予想していたのですが、とんでもありませんでした。彼女が翻訳に打ち込んだのには、当時のアイヌ民族への圧政・文化搾取が時代背景にあった事をしっかり描いた作品でした。

 「これは彼女の事を知らなくては」と、知里さんの訳した「アイヌ神謡集」と日記・書簡集「銀のしずく 思いのまま」を読んだ。日本語として豊かな文章であるだけでなく、その真摯な取り組みに背筋が伸びる思いがした。また、映画の最後にも紹介される生前の彼女の写真を見ると、本当に可愛らしいお嬢さんなんですよね。生死は人知の及ばぬ事とは言え、切ないなぁ。

 また、アイヌ民族の大和同化への法的根拠となる「北海道旧土人保護法」という差別感丸出しの法は1997年まで残っていたというのですから、アイヌの人々が如何に忍従を強いられていたのかが分かります。それは、沖縄と本土の関係のカーボンコピーにも見えるのでした。

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La Strada

4.5アイヌの誇り

2024年7月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

どうしても観たい映画だったので
公開しているインディーズ館へ行ってきました。

私は十代の頃からアイヌの文化·歴史に興味があり
当然ながらアイヌ神謡集も持っていまして、
この映画はアイヌの事、知里幸惠さんの事について描かれる作品だったから観たかったのです。

主人公の北里テル(知里幸惠)役の吉田美月喜さんをはじめ、キャストの皆さんの演技も素晴らしく
島田歌穂さんの歌もとても魅力的です。

鑑賞して良かった。
心に残る映画でした。

この映画は、もっとたくさんの劇場で上映され、たくさんの人に鑑賞してほしい作品です。

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ぴぃや

5.0無知から生まれた偏見

2024年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

合ってるかな?セリフの中で印象的だった。
アイヌ文化についてテレビ番組が放送倫理問題されたり、政治家が馬鹿にした書き込みをしたなどで一時期炎上したりしてたが、よくわからないままだった。
漫画では「ゴールデンカムイ」が大人気で映画化になったのを見たが、偏見や差別はなかったと思う。
平等を掲げている日本にもこんな黒歴史があったということを、わかりやすく伝えてくれた作品。
エンディングの「カムイのうた」は悲しくてきれいな歌だった。

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Olivia

5.0アイヌ語は、口承のみで、文字が無いもの。 東京の民俗学者に説得され...

2024年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

アイヌ語は、口承のみで、文字が無いもの。
東京の民俗学者に説得され、記録に没頭する日々。
アイヌ神謡集を完成させたその夜に、心臓病で他界。
とても切なく重たい物語、初見だと動揺します。

迫害シーンが強烈で
書籍の成果、後世のアイヌ地位向上も、手厚い描写があれば...

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woodstock