カムイのうたのレビュー・感想・評価
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アイヌ語は、口承のみで、文字が無いもの。 東京の民俗学者に説得され...
アイヌ語は、口承のみで、文字が無いもの。
東京の民俗学者に説得され、記録に没頭する日々。
アイヌ神謡集を完成させたその夜に、心臓病で他界。
とても切なく重たい物語、初見だと動揺します。
迫害シーンが強烈で
書籍の成果、後世のアイヌ地位向上も、手厚い描写があれば...
アイヌ文化を後世に伝える意義のある作品
実は観るかどうかを当日になるまで悩みました。
それほどモチベーションがなかったというのが本音です。
ただ、私は中年な現在でも勉強不足で知らないことが
多々あり、映画で社会問題をちゃんと知ることが
あるので、本作もそこに期待して観る決心をしました。
冒頭からヘビーなアイヌの方々の置かれた状況を見るに
非常に心が痛み、また、沈むような描き方で
この救いのない感じでやるせない気持ちになったのですが
そこに現れたのが加藤雅也演じる兼田教授。
彼の熱いアイヌの人々や文化への想い・リスペクトが
吉田美月喜演じる主人公テルの心に響き、
物語を大きく動かしていきます。
かなり切ないラストではありますが、
アイヌへのリスペクトと文化を後世に伝えるという
軸はブレずに着地し、じんわりと心に沁みました。
島田歌穂じゃなければ演じられなかった役であることや
清水美沙の感情のこもった演技も素晴らしかったです。
私としては、楽器ムックリの音が良かったです。
今だとシンセサイザーで出すような音で
実にアナログにもかかわらず、デジタルっぽい音なのには
興味が惹かれましたね。
終始重い空気感が漂うので、
フィジカル的に元気なときに観ることを推奨します。
前半、ただただ苦しかった。
女学校(?)の場面など、もう目を背けたくて、ただただ苦しかった。
大学の先生夫婦がよい人で、ほんとによかった。
高校まで、日本は単一民族の国家とばかり思っていた。大学でそうでないことを知り、「そうなんだ」と、思ったことを思い出した。ただ、その頃、アイヌ問題に興味はなく、この映画を見るまで、アイヌの人たちのことを考えたこともなかった。
映画のでき云々を置いといて、この問題に気づかされただけでも見る価値があった。
さらに映画としての魅力を高めれば、若い人たちを含めて、もっといろいろな人たちにアピールできるのではないだろうか。
現国会議員にも、この問題の認識において、とんでもない人がいるが、いろいろな人が、もっとこの問題を知るべきだと痛感した。
見れてよかった。
金田一京助氏の姿勢は素晴らしいけれども、過激?
少し前に『大地よ』を観たせいか、冒頭の雄大な雪山の遠景から、ドキュメンタリーかと錯覚したが、物語が始まると、主人公が和人とともに通う学校のなかで受けた差別やいじめから、自分の育ってきた民族性に肩身の狭い思いを感じることになる。ムックリは、私が20代の頃、北海道に初めて旅行に行ったときにその響きに感動して土産に買い求めて全く弾くことができないでいた思い入れのある楽器だが、本作中では無残に壊されてしまっていた。『ゴールデンカムイ』が描いていない関係性がよく理解できる展開である。当事者俳優をできるだけ起用してほしかった。
対照的に、アイヌ文化の素晴らしさを説く大学教授が「兼田」を名乗って出てくる。学校の国語の教科書の解説で、金田一京助氏の名と、サハリンまで渡ってユーカラの調査を行ったことは知っていたけれども、その聴き取りの様子や、アイヌの人々との関係性はわかっていなかった。映画に描かれていたような解剖学の教授のように、研究のために対象者の民族性や人権の尊厳を顧みなかったという姿勢は、近年まで世界中に存続していたので、当時の金田一氏がそのような研究姿勢に抗議していたとしたら、驚くべきことである。その一方で、朝ドラ『らんまん』に描かれるような明治期の帝国大学の教授陣の態度や、現在でさえ、大学教員のプライドの高さを考えると、実力行使をした兼田には、法律上の刑罰や損害賠償、学内における懲戒処分が向けられるものではないかと心配し、少し過激な描写だと感じた。
酷い差別とイジメに耐え、アイヌの伝統文化を文字で残した
大正6年、北里テルはアイヌで初めて女子職業学校に入学したが、差別といじめに遭い、学業優秀で副級長だったのに級友に選挙で落とされ辞めさせられた。そんな時、アイヌ語研究の第一人者である東京の兼田教授が、テルの叔母イヌイェマツのもとへアイヌの叙事詩ユーカラを研究に来た。テルは教授からノートを送ってもらいユーカラをローマ字で書き写し、日本語訳にする事を勧められ、実践してそれを教授に送っていた。その素晴らしさに感動した教授はテルを東京に呼び、本格的に活動することになった。そして・・・という実話に基づく話。
アイヌ民族が文字の無い中、口頭で伝承してきたユーカラをアイヌ神謡集として日本語訳した実在の知里幸恵の人生を描いた作品との事。
当時、アイヌは人と犬の混血とか訳のわからない事を言われ差別されてきた様子が随所に見え、悲しくなった。
殴られ、服に石を詰めて川で死体となって発見された妹のように可愛がってた女の子が理不尽に殺されたシーンは涙が出た。
そんな差別を受け、和人に親族が酷い目に遭ってきた中で、努力して勉強し、ローマ字と日本語訳でアイヌの伝統文化を残したテルに感激した。
19歳で心臓の病により短い一生を終えたのは凄く残念だった。
知里幸恵の本を読んでみようと思った。
テル役の吉田美月喜が自然な感じで素晴らしかった。叔母イヌイェマツ役の島田歌穂は歌も上手くて演技も素晴らしかった。
恥ずことなどない
近頃の「破戒」や「福田村事件」などといった、100年程前の日本で実際にあった差別社会を扱った作品はどれも傑作で、これらと同等のレベル、更には斬新な切り口で物語を展開するというのは、かなりハードルが高かったと思う。しかも、観客の目も肥えているからより難しい。比べるのは酷だが、差別はあってはならない、を社会に訴えかける作品として、上記の映画に勝っているものは無かったように感じた。
でも、アイヌ民族の文化や伝統の素晴らしさをもっと知りたい。この映画を通じてそう思えたのには、とても意味があると思う。本作で語られているものはほんの一部に過ぎず、アイヌにはまだまだ沢山の魅力があるはず。きっと女学生たちもユーカラを聴いたら考えが変わる。だから、無知って怖いなって思わされる。いじめるなんて、自分が何も知らないと大声で言ってるようなもんじゃない。バカだね〜、私たちの文化はすごいんだから、とそんくらい強気にいかないとね。恥じることなんてない。
主人公のモデルは知里幸恵という、アイヌ民族の減少に伴いアイヌの伝統文化が絶滅してしまう危機を、自身が翻訳・執筆した本の出版によって救った実在の人物。19歳とあまりの若さでこの世を去ってしまったが、その功績は偉大だった。吉田美月喜の演技は「あつい胸さわぎ」に引き続き良かったが、そんな女性の伝記映画としては、色々と足りない。加藤雅也の教授には心温まったが、せっかくなら出版し、世に知れ渡ったところまで見たかったな。悲しい物語として終わってるのは、ちょっと勿体ない。
「アイヌ神謡集」を残し19才で夭折したアイヌの少女。その人生の軌跡が生き生きと、また力強さをもって伝わってくる作品です。アイヌを理解する上で是非一度ご鑑賞を。
「アイヌ神謡集」をこの世に残した知里幸恵。
その人生を描いたとのことで、注目してた作品です。最初
ドキュメンタリー作品かと思ったのですが、登場する人物
が実名ではないので、違っていたようです ・_・;
知里幸恵の人生を描いた本は何冊か読んでいるのですが
この作品の大筋はその人生をなぞったもので、話の展開も
概ね予想していた通りのものでした。 …なので
「和人からアイヌに対する差別・搾取・迫害の歴史」に
触れない訳は無いよなぁ と、覚悟しての鑑賞です。-_--;
鑑賞開始。 ああああ…
映像からの情報の量は、文章から得られる情報より膨大です。
なので、序盤のアイヌが虐げられている映像は辛かった…。*_*;
◆アイヌに対する差別用語・表現が作品中で使用されている
ことに驚きましたが、良く考えればこの作品の性格上必要
な事です。すぐに納得しました。
鑑賞終了 …ふぅ
さて、作品の内容に関して
主な登場人物(基本的にはモデルあり)
・北里テル(吉田美月喜) モデル:知里幸恵(アイヌ神謡集著者)
・兼田教授(加藤雅也) モデル:金田一京助(言語学者)
・イヌイェマツ(島田歌穂)モデル:金成マツ(知里幸恵の叔母)
・一三四(望月歩) モデル:不明(架空の人物か?)
北里テルと兼田教授を演じた役者さんの人選。
これが素晴らしかったと思います。登場した瞬間から、
” 知里幸恵 ” と ” 金田一博士 ” でした。
特に金田一博士の兼田教授を演じた加藤雅也(…ややこしい)が
私の頭にある金田一博士のイメージそのままに演じてくれたこと
がとても嬉しい。
アイヌの文化に敬意を持って接する姿には胸が熱くなります。
頭蓋骨を取り戻そうと奮戦する姿には力が入りました。
眼の前に博士がいたら、握手を求めるところです。(迷惑?)
実在の金田一博士は、アイヌ語研究の第一人者です。・_・ハイ
特に「口承文学」ユーカラの保存に力を注がれました。
金成マツの家を訪れた際に、知里幸恵と出会うのですが
・” ユーカラはアイヌの誇る文化です ” と熱く語る話
・知里幸恵が日本語もアイヌ語も話せると知り、ユーカラを貴方
の言葉で書き留めるよう薦める話
・そのためのノートを東京から送る話
・翻訳する上で、もっときめ細かな会話が必要となると、幸恵を
東京に呼び寄せる話
などなど。
これまで色々な本等を読んで、自分の頭に思い描いていた通りの
知里幸恵の人生がスクリーン上で描かれました。
19才の若さで心臓の病で亡くなることも、亡くなる前日にようやく
アイヌ神謡集の原稿が上がったことも、その通り描かれました。
まさに、知里幸恵の人生を描ききった作品かと思います。
見応え有りました。
覚悟を決めて観た作品でしたが、辛さだけが残る作品には
なっていなくて、良かった。
見逃さなくて良かった。
満足です。というよりは、やはり
” 観て良かった ” です。 ・_・ハイ
◇あれこれ
■「謡い」のリズム
ユーカラというのは「謡(うたい)」です。
言葉が音程とリズムを伴ってうたわれるもの。(のハズ)
ユーカラは文字になったことで、読むことができるように
なったのですが(これだけでも大変なことなのですが)、
音程やリズムがどんな感じなのかは今一つ不明瞭だったのですが
この作品で、音とリズムを伴った演奏がを聞くことが出来ました。
# 人びとが囲炉裏を囲むように座り、木の棒で炉端をたたいて
# リズムを刻む中、歌い手がリズムに乗ってユーカラを謡う
こんな感じだったのだ と分かり、個人的にはとても満足です。
■一三四青年
一つ疑問なのが、一三四の存在。
これまで読んだ本の中には、彼に相当する人物が出てきた記憶が無く、
実在の人物がモデルにいるのかどうか、分かりかねています。
もしかしたらこの作品オリジナルの登場人物なのでしょうか? はて?
ただ、この作品において一三四青年の役割は重要・必要なもので、
この作品のストーリー上欠かせない人物だったと思っています。
※と書いておきながら色々と調べていたら
どうもモデルになった青年がいるような感じが…・_・; キャー
■知里幸恵の叔母
知里幸恵が亡くなった後、彼女の遺志を継ぐように上京し
金田一博士の研究に協力、ユーカラの保存に尽力します。
金成マツが金田一博士のためにユーカラを書き残した、いわゆる
「金成マツノート」というものがあり、2006年までは翻訳作業が
続いていたのだそうです。
翻訳事業に予算がつかなくなり、活動が中断(中止では無いと
思いたい)したそうです。全82話のうち33話翻訳完了とか。
うーん。まだ半分も翻訳完了していない…。
◇最後に
心臓の病気で亡くなった知里幸恵。
心臓弁膜症(と言っていた気が)という病気は当時治療法が無く
安静にして生活するくらいしかなかった …ということ
なのでしょうね…。 しくしく。
現代医療なら手術すれば助かる病気かと思います。
そう考えると、なんか悔しい。
考えても仕方のない話とは分かってますが…。
それにしても
心臓に病気があると「結婚不可」と医者が判断する …って
そんな時代だったのか と驚きました。
作中、兼田先生が怒っていた場面が強く記憶に残ってます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
【今作は和人達からの差別、偏見の中、屈せずにアイヌの尊厳を持ちアイヌ民族の歴史を口頭伝承で伝えて来たユーカㇻをローマ字に変換し、そして美しき日本語に訳した若きアイヌ人女性の半生を描いた作品である。】
■学業優秀なテル(吉田美月喜)は、女学校への進学を希望するが、アイヌ人と言う理由で不合格となる。
女子職業学校に入学するも、他の和人の女生徒たちから差別、嫌がらせを受ける。
そんな時、東京帝国大学からアイヌ語研究者の第一人者兼田教授(加藤雅也)がテルの叔母のイヌイェマツ(島田歌穂)の家にやって来て、叔母が謡うように語るユーカㇻを必死に書き留める姿を見て、テルはアイヌ民族の誇りある文化のユーカㇻを後世に残す事を決心する。
◆感想
・テルが、アイヌの楽器ムックリを同級生達に壊されたり、”臭い”と言われたり、序盤は観ていてキツイ。
■テルの叔母のイヌイェマツを演じた島田歌穂がユーカㇻを囲炉裏の前で兼田教授に請われて謳うシーンは、流石の声量もあり、圧巻のシーンである。
文字を持たないアイヌ民族が、叙事詩として民族の歴史を歌い継いできた事が良く分かるシーンでもある。
・彼女が東京の兼田教授の家に行く際に、幼馴染のヒサシ(望月歩)から”戻ってきたら結婚してくれ。”と告白されるシーン。
ー このシーンが、最後半に哀しく効いてくるのである。又、兼田教授を演じる加藤雅也の演技がこの作品のレベルを上げている。
同じ東京帝国大学の愚かしき教授が、和人に金を払って土葬が文化のアイヌ人の墓を彫らせて、骸骨を集めている姿との対比。-
・テルは、日夜ユーカㇻを後世に残すために、ローマ字に変換し日本語にして行くシーン。
ー 墨で流暢に書かれて行く文字の美しさ。-
■だが、テルは志半ばで心臓の病で倒れる。兼田の妻(清水美沙)等の懸命の看病もむなしく僅か19歳で世を去る。そこに駆け付けたヒサシが”二人にして下さい。”と言い、亡骸を抱きかかえるシーンは、沁みてしまった・・。
<今作は、和人達からの、謂れなき差別、偏見の中、屈せずにアイヌの尊厳を持ちアイヌ民族の歴史を口頭伝承で伝えて来たユーカㇻをローマ字に変換し、そして美しき日本語に訳した若きアイヌ人女性の半生を描いた作品である。>
<2024年3月2日 刈谷日劇にて鑑賞>
惜しい!
東川町を推しているので鑑賞した。館内は満席という人気ぶり。
アイヌに対する偏見差別の展開は予想通りであったが、対照的に映し出される旭岳や冬の北海道の自然を爽やかに描写しているので感情移入がなかなかできない。旭岳があまりにも美し過ぎるのだ!
この映画のテーマで敢えて言うなら吹雪のシーンをもっと入れるとか、晴れよりも曇り空を多めにするなどの陰鬱さが欲しい。また、あれだけ周りから汚いと罵られた割には常に綺麗な服を着ている主人公には多少の疑問も沸いた、せっかく良い演技をしているのに残念。
私が思うに島田歌穂の存在感が大きく、おいしいところをごっそり持っていったという点で助演女優賞もんだと思う。
東川町のPRであれば写真甲子園 0.5秒の夏の方が佳作、今作は惜しい出来栄えだった。
人伝に聞きました事が・・・
北海道で入浴場に行った時にアイヌの人がと毛深いな~と
思い出しました?頬があったり眉が濃かったり等々、男優はアイヌ人種ポッイなと見た感じ似てると?
観光タクシーの人から聞きました、まだ繋がりがある人達はおじいさん世代から色々聞いてると
エンディングの島田歌穂さんの唄も凄すぎる
アイヌ民族への差別、悲しい過去、初めて見聞きすることも多かったです。役者の演技、凄い。思い返しても、圧倒されるばかり。ユーカラのこと、初めて知れて良かった。訳本を買って読んでみたいです。
島田歌穂さんの唄も参った。凄すぎる。エンディングソングも素晴らしい。映画館で聞けて良かった。感動のピークでした。
尚、映画の始まりは北海道の素晴らしい大自然の映像が次々の流れ、その素晴らしさに見惚れて、大切な語りの大部分を聞きそびれてしまったのが、私の失敗。気をつけろー。
19才😭
大正6年。
北海道の高等女学校は軍人の子女しか入れなかった。女子職業学校で首席。大正6年って、105年前。当時、東京でも旧制高等学校に入れる男子だって1%以下だったと思うから、すごい努力したんですね。差別と貧乏を克服する手段は男は軍隊に入ることしかなかった。酷いいじめが待っているのに。
差別、差別と言うけれど、侵略と迫害そのもの。
江戸時代にはドイツプロイセンが北海道の植民地化をすでに狙っていたらしい。明治になって、対ロシアの富国強兵政策。激動の時代とはいえ、アイヌのことは残念としか言いようがない。明治に制定された「北海道旧土人保護法」は分離隔離政策を正当化する悪法。「土人」ですよ。それがついこの前まで廃止されなかった事実をもっと知ってほしい。土地を奪われ、生業は民芸品のみ。中2のとき(50年前)に訪れた白老町の施設にいたアイヌの人たちはとてももの悲しそうだった。とても気楽に声を掛けられなかった。
東大の民俗学者も国威をバックに収集欲まるだしのえげつなさ。
それに比べて、文学部教授の純な熱心さには頭が下がる。
ターコイズブルーのアクセサリー。ネイティブ・アメリカンのそれを連想してしまいました。
カタクリの花がきれいでした。
島田歌穂さんの既婚女性の口のメイク。ちょっと笑うセールスマンみたいで怖かったけど、ちゃんとしているアイヌ人の厳しい貞操觀念の現れなんでしょうね。
島田さんの歌はさすがでした。
主演女優吉田美月喜さんは「あつい胸さわぎ」のときよりすごい存在感でした。よかったです。
19才でなんて。
大雪後の渋谷で鑑賞。
上映館少ない。
ゴールデンカムイ公開の半年前ぐらいに公開すればよかったのにねぇ
ちなみにウチのカミさんは耳垢がネバネバしている縄文人です。
島田歌穂、最高 歌う役だから出てきたんだろうけど、 歌わない役でも...
島田歌穂、最高
歌う役だから出てきたんだろうけど、
歌わない役でもたくさん引き受けて、もっと出てきて欲しい
ふとした表情とか、そんなところからして別格
一度は見て欲しい映画です。
久しぶりに映画館まで足を運んで劇場で観た映画。観れて、知れて良かった。
今後の北海道旅行では、海産物やスィーツだけではなく、そこに住む人々の歴史や文化背景、先住民族であるアイヌの方たちへの敬意をもって探訪したいと思いました。
生きる為に言語や文化を捨てなければならなかった、差別や苦しい労働環境など、胸がギュッとなる様なシリアスなシーンが多くありますが、心で受け止めたいと思いました。
自然豊かな北海道と民族と日本の歴史と
この映画は映画館で見ることができてよかった作品です。今時の映画館は音響もいいのですね!鳥がすぐそこにいるような声。
北海道に旅したことがあると、一層身近に感じられ、その自然美を残してくれてありがとう!な作品です。 旭川空港の近くでもヒョンと出てきたキタキツネにびっくりしたことがあったっけ、とか、朝夕の山並みの美しさに感動したことを思い出してワクワクしたり。(北海道にはそんなにすぐに行けないし、映画でもう一度観ようかなと、、、、、)
冬は現代人にとってさえ、厳しいけれど、今のような設備がない中知恵を絞って自然と共存してきたアイヌの方はどんな工夫をして生活をしていたのかしらん。。。。と鑑賞後にまた素朴な疑問。もちろん映画の中で生活風景は出てきますが、そこまではわからないので。
もう少し知りたいと興味が出てきました。 そういうことにも興味が出ます。
ストーリーは一人のアイヌの女性の苦難の多い人生、また民族自体が和人の支配の中でどう扱われたか。その中でも自分の使命を果たそうという気高い知里幸恵さんという実在していた女性に感動しました。
俳優さん方は皆さん素晴らしかったです。島田歌穂さんの歌も吉田さんの歌も良いですね。
独特の言葉がなぞなぞみたいな音で楽しかった。
実際には金田一京助先生だったという先生もよかったです。
清水美沙さんと加藤雅也さんの掛け合いがクスッとしてしまうところがあって和めました。
色々な見方ができそうな作品ですので、また見たいと思いますし、もう少し近くでも上映してくれないかしら???
北海道の自然はそのままの姿で。
文字を持たず文化を独特の節で歌うユーカラなどを用い口頭伝承してきたアイヌ民族。そのユーカラを初めて文字として残した実在の女性の物語。
この作品でユーカラの持つ意味や意義を知りました。島田歌穂さんのユーカラが素晴らしかったです。主人公のモデルとなった知里幸恵さんは差別を受けながらも、学びたいという気持ちを持ち続け後世に素晴らしい財産を遺した強くて聡明な女性で、演じた吉田美月喜さんの凛とした姿がとても合ってました。
ただ雄大な自然や動物の映像がなんかファンタジーみたいな世界観でこの作品には合わなかったと思います。ここはちょっと残念でした。
さてアイヌ民族と言えば同化政策によって結果的に数を減らしてしまったというのが一般的な見解で、私もそうだと思っていたし、そう習ったと思うんですけど、一方では数を減らしてしまったのは感染症が原因で、同化政策によってむしろ近代的な生活を送れるようになったという考えもあるってことをこの作品がきっかけで初めて知りました。北海道に行くことがあれば資料館とか足を運んでみたいなと思います。
多くの人に観てほしい素晴らしい作品
月曜の午前中の上映でしたがクチコミの高さの為か広めの席はほぼ満席でした。菅原浩志監督が手がけたアイヌをめぐる素晴らしい歴史劇です。アイヌ民族というだけで理不尽な扱いを受ける中、アイヌ民族の伝承文学を翻訳して後世に残した知里幸恵をモデルとした実話ベースの作品です。オープニングから北海道の美しく厳しい大自然が素晴らしい。悲しい事ですが開拓という名の侵略。先住民からの略奪と搾取、言語や文化を廃止させ民族同一化を図る。世界の歴史は略奪と征服の歴史であり文明の発展とともに世界規模で行われ、今でも一部の非民主主義国では行われています。日本でも北海道のアイヌや沖縄の琉球民族で行われてきました。本作でもこういった史実を元に悲しくも文化と民族に誇りを持って生きる人達とそれを助けようとする素晴らしい人々が描かれています。吉田美月喜 さん、望月歩 さん、島田歌穂 さん、清水美砂 さん、加藤雅也さん、皆さんとても素晴らしいお芝居でした。少しだけ不満はテルの状況時の駅のホームのシーンと兼田教授と小嶋教授の揉み合いのシーンの映像的演出は安っぽくて不要でした。
”カムイ”映画で知るアイヌの歴史
先日観た「ゴールデンカムイ」に続いて、”カムイ”繋がりで本作「カムイのうた」を鑑賞。ゴルカムはアイヌ文化を詳細に取材した上でエンタメに仕上げているけど、本作は実在のアイヌ民族の女性である知里幸恵をモデルに、彼女の19年という短い人生をドラマ化したものでした。時代的にも、ゴルカムは日露戦争直後の1900年代後半以降のお話を描いていましたが、知里幸恵は1903年生まれで1922年に亡くなっているので、ほぼ同時期のお話ということになります。
ただ映画の主人公は、知里幸恵という名前ではなく、”北里テル”と名付けられており、また「ユーカラの研究」や「アイヌ文学」などの著作があるアイヌ文化研究の第一人者であり、知里幸恵を東京に呼び寄せた言語学者の金田一京助も、”兼田教授”として登場していました。この辺り本名を使わなかったのは、フィクションを交えているという部分もあるでしょうが、知里幸恵の弟で、後に言語学者となり北海道大学の教授にもなった知里真志保が登場していないことや、作中アイヌの墓を荒らして遺骨や装飾品を盗掘させ、研究材料にしていた登場人物である東京帝大の”小嶋教授”や、アイヌ差別をする教師や軍人にも、恐らくはモデルとなった実在の人物がいるであろうことが影響しているものと勝手に推測したところです。
ところでゴルカムと本作を立て続けに観て思った疑問が、アイヌの人たちの名前って、いつから日本式になったんだろうか、ということ。1903年生まれの知里幸恵にしても、本作の主人公である北里テルにしても、日本式の「苗字+名前」となっていますが、アイヌの口承文芸の伝承者であり、北里テルの育ての親である彼女の叔母は、”イヌイェマツ”として登場しました。因みに”イヌイェマツ”のモデルとなり、1875年生まれの知里幸恵の叔母の名前は金成マツ、アイヌ名・イメカヌというそうです。アイヌ名がイメカヌ、日本名が金成マツなので、本作ではイヌイェマツにしたんですね。
で、ちょっとネットで調べてみると、明治政府がいわゆる”壬申戸籍”制度を施行した1872年以降、アイヌの人達も戸籍に編入されて行き、その過程で氏姓のないアイヌの人達に対して”創氏改名”が推進(強制というべきかな)されたようです。なので、金成マツ(イメカヌ)が生まれた1875年頃は、まずはアイヌ式の命名がなされ、その後戸籍を作ったために金成マツという名前が出来たのではないかと推察されます。ただ本作の登場人物であるイヌイェマツは、あくまでイヌイェマツであり、日本式の名前は登場しませんでした。創氏改名前後の端境期に生きたアイヌの人達は、アイヌ名で呼ばれることが多かったんでしょうかね?
因みにゴルカムのヒロインであるアシリパは、”不死身の杉元”に出会った1900年代後半において10歳から12歳くらいの年齢なので、1890年代後半の生まれと推測されます。従って、イヌイェマツと違って完全に戸籍制度が広まってから生まれたと思われる訳ですが、依然としてアシリパという名前でした。これまたネットで調べると、彼女の日本名(戸籍名)は”小蝶辺明日子”というのだそうで、そういう意味では戸籍制度が広まった後も、アイヌ名を名付ける習慣が一定程度続いたということなのでしょうか。
ただ1903年生まれの知里幸恵には、(ネットで調べた限り)アイヌ名がないようなので、徐々にそうした習慣がなくなっていったと解釈するのが妥当なのでしょうかね。
長々と映画の本筋から離れたことばかり書きましたが、勉強が出来た北里テルは、”土人学校”と呼ばれたアイヌ民族のための学校から女子職業学校に進学しますが、周りの差別にも遭って大変な苦労を強いられます。そんな中、アイヌ研究をする兼田教授がテルの下を訪れ、口承で伝えられた「ユーカラ」などの詩を文字に起こし、さらには和文に翻訳する作業を行います。幼馴染の一三四と恋心が芽生えるも、やがて東京の兼田教授の家に招かれて執筆を続けるテル。ようやく原稿が仕上がり、本の出版が決まった直後にテルは病死してしまうという悲しいお話でもありました。
本作の主題としては、アイヌ民族にこういう人がいたんだという記録映画的な側面を土台に、アイヌへの言われなき差別の実態を訴えた社会派的要素もあるものでした。また、作中イヌイェマツが唄う「ユーカラ」は、島田歌穂の歌唱力もあって非常に美しい曲であり、そうしたアイヌ文化を紹介する役割も担っていたと思います。
そうした点において、本作の意義は高く評価するものですが、肝心の物語性において、今ひとつ平板だったかなとも感じたところ。折角実名ではなく作品オリジナルの名前を使い、ある意味フィクションも織り交ぜていることを明示しているのだから、例えばテルと一三四との恋バナをもっとクローズアップして膨らませるなどしたら、もっと幅のある作品になっていたんじゃないかなと思いました。
さらに付け加えるとすれば、せっかくアイヌの話を映画化したのだから、アイヌ出身の役者さんを起用したらもっと良かったんじゃないかと感じたところですが、適役となる方がいらっしゃらないんですかね?
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
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