劇場公開日 2024年1月26日

カムイのうたのレビュー・感想・評価

全37件中、21~37件目を表示

4.0魂の翻訳

2024年1月29日
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悲しい

難しい

幸せ

文字を持たないアイヌ民族が神々の神話や英雄の伝説を歌にして口頭伝承してきたユーカラを日本語約した女性、知里幸恵をモデルにした話。

成績優秀で女子職業学校に通い始めた北里テル(知里幸恵)と家族達を中心に、当時のアイヌと和人の関係やユーカラ翻訳についてみせていくストーリーで、鎌田教授のモデルは金田一京助ですね。

奴隷のように扱われたり、墓泥棒をされたり、壮絶なイジメがあったり、当時はそれが当たり前とされていたアイヌに対する問題をみせるけれど、蔑んでみている人は今でも一定数いるし、世界をみたって人種差別はあちこちでありますからね…。

根拠無く人を蔑み迫害して悦に浸る人達は、それこそ自分が無知で無能であることを曝け出す恥ずかしいことだと気付いて欲しいけれど、そんなことにも考えが及ばないからたちが悪い。これは映画と直接は関係ないですね(汗)

そんな状況下アイヌ語研究者の兼田教授が女学校を出た才女でユーカラを歌える叔母のイヌイェマツのもとにやって来て、テルに感心感嘆する様はみていて無性に涙が…。

実話ベースではあるけれど、ドラマとしても温かさあり哀しさありととても面白かったし、ユーカラやアイヌ文化、そして当時の差別に興味を抱かせるとても素晴らしい作品だった。

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Bacchus

4.0天命が言葉を紡ぎ、後世の基礎教養は、蓋された教育をこじ開けて生まれていく

2024年1月29日
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泣ける

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Dr.Hawk

5.0銀の滴(しずく)降る降るまわりに

2024年1月29日
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知的

幸せ

カムイのうた
大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2024年1月28日(日)
パンフレット入手
アイヌ人女性 知里幸恵(ちりゆきえ)(1903年(明治36年)6月8日-1922年(大正11年)9月18日)19歳)のドキュメンタリー
ユーカラ(英雄叙事詩)などの口承文芸作品を記録し、その日本語訳をアイヌ民族として初めて行った。
当作品では「北里テル(吉田美月宮)」

和人(わじん)によってアイヌ人差別と迫害の日々を余儀なくされていた。
生活の糧であった狩猟、サケ漁が禁止され、住んでいた土地が奪われたり、アイヌ語が禁止されていたのです。
同じ民族ではないという理由だけであった。
幼いころから和人と同じ学校に通うことを禁止され、土人学校と呼称される学校でアイヌ語を禁止され日本人として同化教育をうけてきたテル。
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学業が優秀であり女学校を受験し優秀な成績となるがアイヌということだけで不合格となる。
1917年(大正6年)、アイヌとして初めて和人と同じ女子職業学校に入学。しかし学校での日常は理不尽な差別といじめの日々であった。
幼い時から共に育ったアイヌの青年一三四(ひさし)(望月歩)は、テルの苦しみを自分のことのように感じ苛立ちを隠せない
「なんで俺たちが差別されなきゃいけないんだ。アイヌに生まれただけで」 テル「同じ人間なのにね」
テルの伯母(イヌイエマツ)はアイヌの口承文芸ユーカラを歌い聞かせ語った「お前の身体ん中にあるユーカラは、なんぴとも奪うことは出来んのだあ。みんなカムイが見てて下すってんだ」
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ある日東京からアイヌ語研究の第一人者である兼田教授(加藤雅也)がユーカラを聴きに伯母を訪ねてきた。
テルに兼田は「ユーカラはアイヌ文化の雄大な叙事詩で、優れた伝承文学です」と言った。差別と迫害の中で育ってきたテルにとってその言葉がテルに気づきをもたらす。
「アイヌであることを誇りに思っていいのですか?」兼田は大きく頷きながら、アイヌ語と日本語が流暢なテルに、ユーカラを文字で残す事を進めるのだった。

「あなたが書けば、アイヌの心を伝ええることができる」
兼田から送られてきたノートにアイヌ語をローマ字でつづり、テルの感性で日本語に翻訳していく作業が始まった。
その出来栄えは、兼田が想像していたものを遥かに超えていた。本格的に出版物にしようと、テルを東京に呼び寄せる。
そんなテルを励ましながら心配そうに見つめる一三四は自分の将来をテルに打ち明けるのだった
「俺は差別されないアイヌになる。そしてアイヌの誇りを取り戻す」そして東京から戻ってきたら、一緒になろう想いを伝えた。
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ユーカラの翻訳は順調に進むが、19歳になったテルの心臓に病魔が襲い掛かる。
医師からは「結婚はできない」と言われ、涙を流しながら一三四に手紙を書く。
一三四は東京へ向かう。だが到着したときは、すでにテルは他界していた・・・
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追加情報 2024-5-21
この作品に登場する[兼田教授]は「金田一 京助」(1882-1949)です
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上映は終了となるが拍手喝采となっていて、舞台挨拶まで続いた
これは異例のことである!
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舞台挨拶
望月歩さん、菅原浩志監督、佐藤文泰さん(東川町副町長)
この作品は、3年かかったそうです。
北海道の風景や野生動物は、すべて撮影したものを使用しているとのこと
ユーカラの翻訳は今もやっている。
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映画館は満員となり「立ち見」まで
アイヌの話でここまで観客が集まるとは。
おそらくですが大反響の「ゴールデンカムイ」の漫画や映画に登場するアイヌの女の子「アシリパ」の影響かと(笑)
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じつは30年くらい前に、大学生だった頃に北海道へよく一人旅をしていました。最初の目的は登山でしたが、先住民族「アイヌ」に興味を抱くようになりました。
旭川郊外にある「アイヌコタン」へ訪問したことがございます。
50歳くらいの男性で、白いひげを蓄えておられて、やや堀の深い姿でした。笑い上戸な人。
予約せず、初対面なのに、とってもフレンドリーでびっくりしました。相手がどこのだれかがわからないのに。
気が付いたらアイヌの民族衣装を着ていて、記念写真!

知里幸恵著「アイヌ民謡集」読んだことがあります。
「銀の滴(しずく)降る降るまわりに 金の滴(しずく)降る降るまに」ではじまる・・・あまりにもその美しさといったら!

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大岸弦

3.5アイヌをもっと知りたくなる

2024年1月29日
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悲しい

知的

予告の切ない雰囲気に惹かれ、アイヌ民族への興味もあって公開2日目に鑑賞してきました。実は公開日には、舞台挨拶付き上映があったのですが、職場の都合で行けなくて本当に残念!監督のお話を聞きたかったです。

ストーリーは、大正期の北海道の学校で、理不尽な差別といじめに遭っていたアイヌの娘・北里テルが、アイヌ語研究の第一人者である東京の兼田教授と出会い、彼の強い勧めでアイヌの叙事詩ユーカラを文字に起こすことになり、その日本語訳に生涯を捧げる姿を描くというもの。

本作は、ユーカラを日本語訳した実在の人物・知里幸恵さんの人生を描いたものであることを鑑賞後に知りました。ユーカラというものも、恥ずかしながら本作で初めて知りました。その日本語訳作業がいまだに続けられていることから、その量の膨大さも推し量られ、長いものは何日もかけて語られるそうですが、文字をもたないアイヌがそれを口頭で伝承してきたことは驚愕です。

また、アイヌの人々が蔑まれ迫害を受け、いわれのない理不尽な扱いに辛酸をなめ続けてきたことの一端を垣間見ることができました。土地も言葉も奪われ、学校では差別といじめ、街では好奇と侮蔑の目に晒され、先祖の墓も荒らされ、人としての尊厳さえ奪われていたことに大きな憤りを感じます。それでもなお生きて、誇りを取り戻そうともがく姿が本当に切ないです。

そんなアイヌの人々に寄り添い、アイヌの誇りを力強く訴え、奪われた遺骨を力づくで取り戻す兼田教授の姿が熱いです。後で調べたら、これは金田一京助先生がモデルのようで、言葉に対する並々ならぬ思い入れに合点がいきました。

他にも、北海道の雄大さと自然の厳しさを感じられる美しい映像もよかったです。懐かしのロビンちゃんこと島田歌穂さんが情感豊かに謡いあげるユーカラも圧巻でした。先日の「ゴールデンカムイ」に続き、ますます北海道に行きたくなりました。

ただ、知里幸恵さんの功績を讃えるという点では意義があり、とても勉強になる作品ではありますが、感動に涙するという場面はあまりなかったです。これは勝手な推測ですが、実際にはもっと酷い差別や迫害があり、アイヌの怒りや悲しみや苦しみはこんなものではなかったのではないかと思います。そうであるならば、それをもっと生々しく描き、この事実が歴史に埋もれることのないように、私のような無知な人間に強く訴えかけてほしかったです。

主演は吉田美月喜さんで、目に力のある演技が印象的です。脇を固めるのは、望月歩くん、島田歌穂さん、清水美砂さん、加藤雅也さん、天宮良さんら。中でも、加藤雅也さんの熱い思いが伝わる演技が素敵です。

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おじゃる

3.5ゴールデンカムイでは無い方のカムイ

2024年1月28日
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悲しい

幸せ

子供の頃、北海道に住んでいたので、アイヌ民族や屯田兵とか、子供の頃に学校でも習いました。
アイヌの方々は、自然と共に生きて、ネイティブアメリカンと同じようにカッコいいイメージです。

差別があったことは知識として知っていますが、映像になるとかなりキツいですね。本当はもっときつかったかもしれませんが。

所々、ちょっと無理な演出過多という所もありますが、北海道の自然や動物など、映像美も良かったです。

映画全体としては、ちょっと古臭い演出はありますが、全体的に良かったです。
BGMとエンディングががもっとアイヌっぽいと良いのですが。

聞いた事のないお名前でこの映画のみのクチコミ★5がありますので、愛されている作品なのだと思います。
★4か3.5か迷いつつ、バランスを見て3.5とします。

ゴールデンカムイと同時期に公開は意図的なのか、偶然か、ゴールデンカムイの時代から10年後の話でした。公開されている映画館が遠いいので観るか迷いましたが、ゴールデンカムイの直後なので鑑賞を決めました。まったく違う作風ですが、北海道愛はありますね。

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だるまん

4.5いろいろと描写不足ではないかというそしりは免れないものの…

2024年1月28日
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今年45本目(合計1,137本目/今月(2024年1月度)45本目)。
(ひとつ前の作品「サイレントラブ」、次の作品は「ミッション・ジョイ 困難な時に幸せを見出す方法」)

 ナナゲイさんで見てきました。満席かつ立見席も満席(舞台挨拶がある回は概してこうなりやすい)というのが印象的でした。

 史実通りの展開を取りつつもなぜか氏名は変わっている(ご遺族の方の許可をいただけなかったか、取れなかった?)ものの、実質的な意味において史実ものという解釈でよいのだろうと思います。

 その立場に立つと、この映画で述べたかったことであろう「当該主人公の生い立ちから没するまでの功績など」に関しては完全に描写されているものの、それ以外の部分、つまり、アイヌ民族に対する直接的・間接的差別についての描写がなく(なお、この映画はなぜかしら国土交通省が後援という変な映画)、何に気を使ったのか(配慮したのか)というのが不明な部分が多々あります。

 もっとも「当該主人公の生い立ちを描く」という観点で見る限り傷はないに等しいので、どう見るかは個々個人かなり判断が分かれると思います。ただ、数少ない「アイヌ民族を扱う映画」として、こうした「直接・間接的差別の実態」についての描写が少なかった点については、それもそれで配慮を欠いているのではなかろうか…といったところです。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.3/映画の描写ではアイヌ民族がなぜ北海道(蝦夷)に住むようになったのか理解しがたい)

 ・ この描写では、あたかも明治維新以降の富国強兵の一環で強制移住させられた等の解釈が取れそうですが、実際にはかなり前から在住しており、和人(日本人)との戦闘もそれよりも前には起きていることです(コシャマインの戦い(1457)、シャクシャインの戦いほか)。

 (減点0.2/北海道旧土人保護法に対する解釈が何も存在しない)

 ・ アイヌ民族に対する直接的、間接的差別は色々な形で存在しましたが、間接的差別として存在した法として「北海道旧土人保護法」があります(完全廃止されたのも平成1桁というかなり最近のこと)。

 この法は差別的な内容を含んでいたのみならず、そもそも論として日本民法と矛盾するような謎の規定が存在し、この部分については何らか触れてほしかったです(後述)。

 (減点なし/参考/舞台挨拶でのトークショー)

 ・ この映画は東川市(旭川市に接する)の協力があり、その関係者の方もトークショーに出ておられたのですが、限られた時間(15~20分)という中で細かい話をするのは難しいとしても、東川市への移住促進の話やお誘いなどをするのは「場違い」に思えます(1時間もあるなら話は別だが、こうした理由もあいまって「質問コーナーがなくなる」という状態になるのは変)。
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 (減点なし/参考/北海道旧土人保護法と旧民法(帝国民法)の矛盾)

 ・ 同法は、建前上はアイヌ民族に対する差別意識、差別的政策があった一方で、実際にそれを推し進めた結果、土地を失ったり経済的に詰まる当事者が続出したためにできた法律です(明治32年成立)。

 この法は土地の無償給与などを定めた法ですが、一方で当事者がそれを売ったり賃貸したりという「利益をあげる行為」を防ぐため、民法の物権の大半を除外する特別法の位置づけで「留置権、先取特権の目的となることなし」(原文のまま、現在の漢字表記に修正)といった記述があった法です。

 しかし留置権、先取特権は「法定担保物件」といって条件を満たせば当事者の意思と関係なく成立するものです(この意味で質権や抵当権と異なる)。当然、当時のこんなマニアックな行政法規を知っている国民などごく少数なので、当事者との土地のやり取りは一定数存在したと思われるところ、同法に触れます。この点、特別法であり強行法規と解される同法が優先適用されるのか、当事者との真の同意があればそれが優先されるのかが怪しく(判例はまるで存在しない)、また、当然このようなマニアックな行政法規を知っている人が当時どれだけいたのかも怪しいため、錯誤無効(当時。現在は取消し。95条)が(条件を満たせば)主張できるのか等、民法上怪しい点がかなりあり、こうした点に何ら触れていない点は、アイヌ民族が「経済的差別をどれだけ受けていたのか」という点が不明であり、こうした点に140分近い尺を取りつつ何も触れていないのは、ちょっとそれもそれでどうなのか、という気がします。

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yukispica

3.0アイヌ

2024年1月28日
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差別を受けてきた。

学校でも差別

アイヌ語の先生

心臓の病気で19歳でなくなった。

実話

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完

4.0ゴールデンカムイの星【3・5】を考慮するとこの星なのだ❗️【個人的感想にすぎない】

2024年1月27日
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泣ける

知的

幸せ

イヤイヤ ゴールデンカムイも本作も 両方とも 良い作品です それは相違ない
ただ ゴールデンカムイが娯楽に振り切っている良さ
に比し こちらは 人間ドラマ 苦難の歴史

アイヌの方々にとっては両作とも 好感カモ🦆です。表裏一体作品。こちらはヒューマンドラマ
骨太。若干名画座上映系統ではあるけども、新作一般映画館上映にも十分耐えうる普及作品 力作
頑張れぇ、負けるなよ と・・

実在の人物 知里幸惠さん 1903 1922

学校に入れず、辛うじて入れた学校でも理不尽な・・
そして 本土から来た 和人の酷さ 歴史

あっ❗️風景の描写に関しては 本作の方が ゴールデン より 雄大で正確な北海道です。

アイヌの叙事詩というか口承文学の 文書化 よく頑張ったねぇ❗️

主人公役の吉田美月喜さん
素晴らしい 2つの歌声を披露した お久しぶり 島田歌穂さん【単に私が演劇ミュージカル観ないだけです】
コレまたお久しぶりの清水美砂さん【昔ワシの好み😍面影が懐かしい】
が盛り上げて 人間ドラマを昇華させてくれている

しかしワシ的には 主人公の幼馴染で密かな恋心の ひさし 役の望月歩さんの リアル無念感が胸を打った❗️

でもね 個人的な感想にすぎないけど
結局 全部持ってったのは 帝国大学教授兼田教授【実際には金田一京助】役の 加藤雅也さんの熱血漢ぶりだった❗️

だって偏見と差別に満ちた 和人 の中で 唯一のアイヌ理解者 決して自らの価値観を曲げず
主人公を後押し は 観ていて 大共感なのだった。偏屈だけども 偏見なく本質を捉えられるある意味人格者
「ワシもこういう人になりたかった」って観ててマジ思った❗️

オスカー・シンドラー 杉原千畝 的な・・【ただし 全然別の話ですよ❗️あくまで例示】

ユーカラはよくわからないけど 厳しいけど 優しい大自然の中で育まれた素晴らしい伝統👍と思う

よくわからないけど 北海道においてはアイヌの方々の方が先輩なのだから 敬意があって然るべきだと思うよ。
と滅多にない優等生ヅラするジジイであった。

俺も北海道住んでた割に アイヌの方々への理解が浅いの反省した。実際 地名とか アイヌ由来のが多いからね

映画公開を記念して コミック発売中 本物の「アイヌ神謡集」は高尚かもしれないけどコミックなら・・
【基本 ネタ元は 有料🈶パンフです。】写真文化首都 旭川近くの東川町が 力こぶ💪

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満塁本塁打

4.0あぁ無情…

2024年1月27日
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知的

難しい

実話を基に作られた話。
ざっくり100年ぐらい前の話で、日本に限らず欧米でも人種差別があったのだろうが、今観ると、すごくいたたまれる。
そういう気持ちになるのは、社会が成熟して、それだけ教育が行き届いたことで、差別は悪だという感情を醸成できた結果なのだろうか?
当時に生きたとして、劇中の兼田教授の言に耳を傾け、同じ感覚になれたかのだろうか?
同じように差別をしていたかも…?
学校の教育者が積極的ではないにしろ、平等に扱おうとしていたことが、少しだけ安心したが…。
アイヌに限らず、古来からの文化が継承・保存されることを願わずにいられない。

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kawauso

3.0評価の分かれる映画だと思います

2024年1月20日
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難しい

アイヌ語は文字を持っていない、持たなかったのでアイヌ語は近代化に適応することが出来ず消滅してしまうのは仕方が無いことだと思っています。映画の中で「ユーカラは素晴らしい、後世に残さねばならない」と主張されますが、文字として記録を残せなかったために消滅したものは、ユーカラの他にも多数あったでしょう。「だから何なのよ」で終わってしまいます。それを「言葉を奪われた」などと言われても、ちゃんちゃら可笑しい。亡びくべきして亡んだだけです。

でも、評価の分かれる映画を作ると言うことは素晴らしいことだと思います。この映画を作ったと言うことだけは評価します。観客も結構入っていました。

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PAK UNTIK

3.5知里幸恵の文章の美しさ

2023年11月30日
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「アイヌ神謡集」を著し、19歳の若さで亡くなった知里幸恵の生涯を描いた作品。知里幸恵のことは、いつか映画化されないものかと思っていたが、今回、写真の町・東川町が中心となってついに実現したことを、素直に讃えたい。
映画の中では、「土人・臭い」といった差別や偏見、和人への同化政策、墓泥棒まがいの遺骨収集、さらには厳寒の漁場での強制労働など、アイヌ民族が被った、目を背けたくなるような苛烈な差別と過酷な境遇が、しっかり描かれている。今更ながら、平成の時代まで「旧土人保護法」という差別的名称の法律があったことを思い起こす。
そうした中で、知里幸恵(作中では北里テル)が金田一京助(作中では兼田教授)と出会い、アイヌ文化がいかに優れているかを聞かされ、アイヌ民族としての誇りを取り戻すシーンには、胸が熱くなる。映画のプロローグとエピローグで朗読される、幸恵が「アイヌ神謡集」に書いた美しい序文が、幸恵の命をかけた願いと、この映画のテーマを、すべて言い尽くしているように思う。
出演者では、島田歌穂が光る。劇中のユーカラやエンディングテーマの美しさは、彼女ならでは。加藤雅也も研究一途な感じが出ている。
主人公と幼なじみの若手二人の演技は今ひとつで、二人の関係性の描写や展開もぎこちなく感じられるなど、作品としての完成度は十分とは言えないが、こうした作品が制作され、広く一般劇場で公開されるのは素晴らしいこと。多くの人に観てもらいたい。

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山の手ロック

5.0カムイのうた

2023年11月29日
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泣ける

映画を観るまでは、知里幸恵さんのお名前とアイヌ神謡集を書かれた方という認識しかありませんでした。
しかし、この映画を観て彼女たちアイヌの知識の豊かさ尊さそして苦しみの一部分をを知りました。
美しい雄大な北海道の景色とその中で生きるアイヌ。同じ人間として祖先が犯した罪に心が痛みます。この映画は難しい壁を乗り越え作られた作品だと感じます。
これは、北海道に住む、いや、世界の全ての方々にお勧めしたい映画です。
初日、映画館に溢れる人を見てこんなにも多くの方々の待ち望んでいた映画なのだと深く感銘致しました。素晴らしい映画でした。

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アイシャ

5.0カムイのうたを観た感想

2023年11月28日
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泣ける

悲しい

知的

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オオムラ

5.0たくさんの人に見てほしい映画です。

2023年11月27日
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泣ける

知的

「私たちは何も許されなかった」
そのキャッチコピーの意味が映画を通して、いろいろな場面で伝わりました。
アイヌ民族について、知っているつもりでいたこと、差別や同化政策とはどんなものなのかということ‥‥改めて考えさせられる映画でした。
無知が生む偏見や差別は現代にも通じる課題です。どの年代の人にも知ってもらいたい、見てもらいたい映画だと思いました。

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ナノハナ

5.0日本映画史に残る作品

2023年11月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

美しく、素晴らしい映画でした。
この映画を観てそのあとの感想は千差万別になることは間違いないでしょう。

なぜならこの映画に収められているテーマは多岐に渡るからです。

差別や貧困、紛争、人類愛、師弟愛、家族愛、人間愛、映像美、喜怒哀楽、言語文学、自然愛、教育、数えたらきりがない。

文化的価値の高い作品だということは現状の海外での受賞状況をしれば納得です。
劇場のパンフレットに記載されていた海外での受賞数をみて驚嘆しました。

是非、上映期間中に映画館に足を運んでもらいたいと思います。

なぜなら、あなたがこの映画を見に行ったならば、いたるところの観客席から小さくすすり泣く声、微笑む声、物思いにふける音無き声を聴くことができるからです。それは、かけがえのない素敵な時間を共有することができ、この映画はそのような体験ができる数少ない映画のひとつだと思います。
何せ映像が美しいので
小さなお子様と一緒でも、ご高齢の方と一緒でも友人とでも、一人で行っても映画を楽しめることは間違いないです。
同じ時間と記憶を共有できるチャンスです。

このような映画に出会えて感動、感謝です。
とても良い時間を過ごすことができました。
ありがとうございます。

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gぱん

4.0少女の生き様

2023年11月23日
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朱菜パパ

3.0民族としての矜持

2023年11月13日
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観ていて、自然と頭が下がる思いでした。
徹底した和人(シャモ)への同化政策の荒波のなかでも、民族の尊厳を失わず、文字を持たなかった自らの民族の文化を後世に伝承する事業に、文字どおり心血を注いだ彼女の生きざまに。

涙こそ流れませんでしたが、それは、作品の完成度の問題ではなく、彼女のアイヌとしての矜持の高さに、胸はいっぱいにはなるものの、泣く余裕、暇(いとま)すら与えられなかったというのが、正直なところでしょうか。

決して「演技派」と称されるような著名な俳優さんばかりが結集して製作されている訳ではないのですけれども。
しかし、上映に先だってあった菅原監督の舞台挨拶にもあった通り、民族の問題を取り上げた作品の故に、当初に監督が想定していた人物からは出演の辞退が相次ぎ、その一方で、アイヌの方々からは「和人(シャモ)のお前に何が分かって、どれ程の作品が撮れるのか」と、これまた相次ぐ取材の門前払いを食わされるなど、幾多の困難を乗り越えて撮影が続けられ、遂に完成にまでこぎ着けた作品であるためか、どの俳優さんも、それぞれの役柄を一生懸命に演じる気持ちがスクリーンから溢れて伝わるようで、とても好印象がありました。

アイヌ文化の発掘・振興に19歳の(文字どおりに短い)生涯を捧げた知里幸恵を描いた一本として、彼女と縁(ゆかり)の深い近隣市が、作品の完成を記念して開催した特別試写会の選に当たったので、劇場公開に先駆けて鑑賞することができた一本になります。

試写会の「特別」の冠に決して負けていない、素晴らしい作品(佳作)であったと思います。評論子は。

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talkie