窓辺にて

劇場公開日:

解説

「愛がなんだ」の今泉力哉監督が稲垣吾郎を主演に迎え、オリジナル脚本で撮りあげたラブストーリー。

フリーライターの市川茂巳は、編集者である妻・紗衣が担当している人気若手作家と浮気していることに気づいていたが、それを妻に言い出すことができずにいた。その一方で、茂巳は浮気を知った時に自身の中に芽生えたある感情についても悩んでいた。そんなある日、文学賞の授賞式で高校生作家・久保留亜に出会った市川は、彼女の受賞作「ラ・フランス」の内容に惹かれ、その小説にモデルがいるのなら会わせてほしいと話す。

市川の妻・紗衣を中村ゆり、高校生作家・久保を玉城ティナ、市川の友人・有坂正嗣を若葉竜也、有坂の妻・ゆきのを志田未来、紗衣の浮気相手・荒川円を佐々木詩音が演じる。第35回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、観客賞を受賞した。

2022年製作/143分/G/日本
配給:東京テアトル
劇場公開日:2022年11月4日

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(C)2022「窓辺にて」製作委員会

映画レビュー

4.0今泉力哉監督の力量が発揮された一筋縄ではいかない「恋愛映画」。稲垣吾郎×玉城ティナの化学反応が特に面白い。

2022年11月5日
PCから投稿

今泉力哉監督らしい、一筋縄ではいかない「恋愛映画」ですが、脚本の登場人物の雰囲気が稲垣吾郎に合っていて、なかなか展開が面白く143分という時間を感じずに引き込まれていく作品となっていました。 今泉力哉監督は小説家の資質もあり、本作では、その要素を上手く自身のセンスで映像化できています。 タイトルの「窓辺にて」とは、カフェなどの窓辺でガラスのコップに手をかざすと、手に光が映り込むわけですが、その映り込む光は様々な形や温度に変わることを意味しているようです。 冒頭の稲垣吾郎がカフェの窓辺にいるシーンがラストシーンにつながることでタイトルの意味が、より理解できる仕組みになっていると思います。 ラストシーンの時系列はどうなっているのかを考えると、いろんな伏線がキチンと回収出来ていて、1本の映画として上手く完結しているのが分かります。 本作ではそれぞれのキャストも光っていて、中でも「フリーライターを自然体で演じた稲垣吾郎×17歳の小説家を演じた玉城ティナ」の化学反応が引き込む力を発揮していました。

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細野真宏

3.5目に映らないこの世界の空気感を表現してみせる。

2022年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

 やはり今泉力哉監督作品は、オリジナル脚本でこそより深く味わうことができることを改めて感じた。独特な会話劇、他者との間、物語世界を照らす陽光や抑制された生活音、そしてなんとも繊細な主人公の苦悩と恋人たちの心の揺らぎなどが、今泉的“リアルな恋愛観”で巧みに描かれる。  まるで異世界からやってきたかのようにも見える、渦巻く複雑な心を持った主人公の市川に、稲垣吾郎がその佇まいと眼差し、台詞の繊細な言いまわしによって説得力を与えている。そして今泉監督が紡ぎだす言葉や、カフェの窓辺や公園などで登場人物たちの顔や手を照らす陽光が、目に映らないものや、市川が見ているこの世界の空気感を表現してみせる。  人にはどこか欠落している部分があるもので、それで悩み苦しむこともあるが、それでもいいじゃないかと、静かに見る人の心を包み込んでくれるような作品だ。

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共感した! 13件)
和田隆

4.0監督の事後トークも含めて考えたこと

2024年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

難しい

寝られる

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てつ

4.0後悔は、人生を味わい深くする。

2024年7月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

* クスッとできる所と 考えさせられる所のバランスが絶妙だった 140分って長尺だなと思ったけど バランスがとれていると観られるもんですね * 茂巳は浮気されて怒れなかった自分に 落胆していたけど 怒り狂って自暴自棄になるより断然良い 嘘を付かず、付けず、 正直に話せる人でとても信頼できる 「僕にこの小説は必要ないと思った」 これが一番好きな台詞 * 人生には後悔がつきもの それでこそパフェ 味わいながら生きていこう *

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羊