MEN 同じ顔の男たち

劇場公開日:

解説・あらすじ

「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、「ロスト・ドーター」のジェシー・バックリー主演で描くサスペンススリラー。

夫の死を目撃してしまったハーパーは、心の傷を癒すためイギリスの田舎町へやって来る。彼女は豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリーと出会うが、街へ出かけると少年や牧師、警官に至るまで出会う男すべてがジェフリーと全く同じ顔だった。さらに廃トンネルから謎の影がついてきたり、木から大量の林檎が落下したり、夫の死がフラッシュバックするなど不穏な出来事が続発。ハーパーを襲う得体の知れない恐怖は、徐々にその正体を現し始める。

ダニエル・クレイグ主演の「007」シリーズでビル・タナー役を務めたロリー・キニアが、同じ顔をした不気味な男たちを怪演。

2022年製作/100分/R15+/イギリス
原題または英題:Men
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2022年12月9日

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映画レビュー

4.0甘えてくる男どもに、一緒にうんざりしましょうという映画。たぶん。

2023年1月31日
PCから投稿
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共感した! 19件)
村山章

3.0ガーランドらしい美醜が混在した奇妙な世界

2022年12月29日
PCから投稿

何かを満たしたり癒したりするはずの空間を、たちまち居心地の悪い世界へ変貌させる奇才ガーランド。表向きは違う衣を羽織っているようでも、その芯の部分は今回もどこか似た形を踏襲しているように感じるのは僕だけか。ハートフォードの風景はどこも絵に描いたように美しく、舞台のカントリーハウスは設備は古くとも内装が豪華で広々としていて、何より自然の豊かさに勝るものはない。だがちょっとした散歩やトンネルの中での美しい声の反響ハーモニーに心奪われたかと思えば、次の瞬間、何気ない景色にふとおかしなものが映り込んでくるのだから困り物だ。奇妙な時間はひたすら続く。ジェシー・バックリーは無駄に悲鳴を上げることなく、多彩なリアクションでこの異常事態と対峙し続ける。本当にどこで何をするにしても蔦のように絡まりがんじがらめにする”男たち”の存在。彼女の恐怖というよりはほとほとウンザリした表情が本質を突いているように思えた。

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牛津厚信

3.5メタファー祭り

2025年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

出産シーンキモい

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共感した! 0件)
ゆうき

4.0なかなか難解

2025年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

この作品の解説にはサスペンススリラーとあったが、ホラーに近いような気もする。
最後にジェームズが登場したので、ハーパーが体験したのは彼女自身が作り出した幻想、またはジェームズによる心霊現象だと思われるが、「すべてあなたが選択したこと」というセリフが登場するので、この物語は正気ではないハーパーが見た幻想の方がより強いように思った。
しかし、この作品に対する評価は難しい。
単にホラーとして見ていいかもしれないが、象徴や含みがとても多く、冒頭と最後の歌にも「愛」「真実」「自由」という言葉でこの作品のテーマを歌っている。
二人の不仲の理由ははっきり語られないが、結果として死んでしまったジェームズがいる。
原因は「私にはない」と突っぱねているハーパー
しかし心の奥底には苦悩と後悔と嘆きがある。
男女間の喧嘩はよくあるが、どちらかが一方的に悪いというのは少ないのだろう。
概ね女性は男性より強い権利を持っていて、被害者意識があり、特に欧米ではそれが顕著で、だからこのような作品で「そうではないよ」ということを男側が主張したかったんだと思った。
最後に二人は会話する。
ハーパーの手に握られた斧 権利などの象徴
「私に何を求めているの?」
「愛だよ」
「そっか…」
二人の間の出来事が詳細化されないのは当然で、必ず論争になってしまうから。
そして女性側の傾向としては「決着」しようとする。
完全に線を引く。
「もうこれ以上たくさん」
謝罪など聞く耳を持たないし、聴くことそのものが「負け」のように感じるのだろうか?
ジェームズの落下
それを自殺だったのか事故だったのか判断できないハーパーだったが、あの顔は事故だったように感じた。
起きた「結果」
ハーパーの傷心旅行 イギリスの片田舎にあったカントリーハウス
そして奇怪なことの数々
さて、
男たちの妊娠と出産、そしてケガまでもが複製されるように次々に現れる。
最後に現れたジェームズに「やっぱり」と思ったが、あの男たちが示しているのが「異口同音」であり、多くの男たちが女性に対して良いたいことだったように思った。
また、タイトルの「同じ顔の男たち」だが、実際にはその「顔」というのは「言いたいこと」であり、「同じ気持ちを持つ男たち」なのではないだろうか?
日本ではあまりないが、イタリアなどでは男が失恋に嘆く歌がポピュラーだ。
その要因は女性の浮気による男のポイ捨てが圧倒的に多い。
しかし女性はいつも権利を盾に被害者ぶっている。
すべての原因を男に押し付ける。
この作品はそれを言いたいのだろう。
その事をほんの少しでも感じているハーパー
その嘆きにジェームズの霊が介入したのがこのホラーかもしれない。
朝になり、友人がようやく到着した。
壊れたハーパーの車と血痕
そして階段に佇むハーパー
思わせぶりなのが、友人が妊娠していることだ。
男たちの妊娠と出産と複製された怪我は、ずっと同じことが何世代も繰り返されてきたことを象徴している。
こんな風にならずに、幸せでありたいと願う男たちの気持ちが、妊婦の彼女に託されていた。
それを歌の歌詞によって明言している。
男女の喧嘩
女性の一方的なシャットアウトに対する男性陣の言いたいことがこの作品なのだろう。
おどろおどろしさや気持ち悪さ、そして生々しさはすべて「リアルな心の傷」を表現している。
つまりそれだけ男たちは傷ついているのだろう。
男性社会が根強い日本ではあまり見かけないが、女性が圧倒的強さを持った欧米の現状がこれなのだろう。
こんな作品を作り出してしまうほど、彼らは窮地に立っているのかもしれない。
おそろしい…

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