MEN 同じ顔の男たち
劇場公開日:2022年12月9日
解説
「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、「ロスト・ドーター」のジェシー・バックリー主演で描くサスペンススリラー。
夫の死を目撃してしまったハーパーは、心の傷を癒すためイギリスの田舎町へやって来る。彼女は豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリーと出会うが、街へ出かけると少年や牧師、警官に至るまで出会う男すべてがジェフリーと全く同じ顔だった。さらに廃トンネルから謎の影がついてきたり、木から大量の林檎が落下したり、夫の死がフラッシュバックするなど不穏な出来事が続発。ハーパーを襲う得体の知れない恐怖は、徐々にその正体を現し始める。
ダニエル・クレイグ主演の「007」シリーズでビル・タナー役を務めたロリー・キニアが、同じ顔をした不気味な男たちを怪演。
2022年製作/100分/R15+/イギリス
原題:Men
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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これはもう明確な意図を持って観客を戸惑わせる作りだと思う。なんならボケっぱなしのまま話が進んでいって、最後にはさらにバカデカいボケがやってくる。三池崇史の『牛頭』を彷彿とさせるマトリューシカ出産シーンにいたっては、なんだこりゃと笑うしかなくて、そこに意味を見出すことすら無粋な気がしてくる。
全体としては、男性の存在そのものが女性に与える恐怖やストレスを描いているんだと思っていて、男どもはとにかく女性に母性を見出そうとして勝手に甘えてくる。それをジェシー・バックリーの苦虫を噛み潰したような表情で一刀両断にする。という解釈でいますけど、実際のところどうなんだろう。
劇場パンフや世に出ている記事のインタビューを読んでも、監督もジェシー・バックリーもぜんぜん具体的な話をしていないこともなるほどなと思わせる、解釈するより一緒にうんざりしましょうというメッセージを勝手に受け取りました。ああ面白かった。
何かを満たしたり癒したりするはずの空間を、たちまち居心地の悪い世界へ変貌させる奇才ガーランド。表向きは違う衣を羽織っているようでも、その芯の部分は今回もどこか似た形を踏襲しているように感じるのは僕だけか。ハートフォードの風景はどこも絵に描いたように美しく、舞台のカントリーハウスは設備は古くとも内装が豪華で広々としていて、何より自然の豊かさに勝るものはない。だがちょっとした散歩やトンネルの中での美しい声の反響ハーモニーに心奪われたかと思えば、次の瞬間、何気ない景色にふとおかしなものが映り込んでくるのだから困り物だ。奇妙な時間はひたすら続く。ジェシー・バックリーは無駄に悲鳴を上げることなく、多彩なリアクションでこの異常事態と対峙し続ける。本当にどこで何をするにしても蔦のように絡まりがんじがらめにする”男たち”の存在。彼女の恐怖というよりはほとほとウンザリした表情が本質を突いているように思えた。
2023年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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夫の投身自殺を目の当たりにしてしまった妻ハーパー(ジェシー・バックリー)。
心の傷を癒すため、英国・田舎町の郊外にある一軒家に滞在することになるのだけれど、出逢う人々は管理人のジェフリー(ロリー・キニア)のよく似た人々だった。
ジェフリーの年齢に近いひとだけでなく、少年の顔も同じように見えるのだ。
そして、庭先には、悪魔のような奇妙な彫刻のある敷石が・・・
といった内容で、ま、簡単に言うと、よくわからない映画。
でね、個人的な解釈としては、ニューロスティック+フォークロア(多分にラブクラフト的)といったところなんだけれど、あっているかどうかどうでもよろしい。
作り手もよくわからないなかで作った映画、とみると楽しめる類の映画なのよ。
さて、独自解釈なのだが、
ハーパーは夫の自殺の要因もわからず、心に傷を抱えている。
訪れた田舎町は、これが曲者で、いわゆる自然の輪廻転生の地であった・・・と解釈したい。
さらに、輪廻転生の世といっても、自然の草木が一年で生まれ変わるように、それが動物的な生殖がなくとも繁殖できる地であったとしたら・・・
人間が生まれる前の奥深い自然の地、といわけ。
雌雄がなくても子孫を残すことができる世界、そこで、そこに棲まう生き物(管理人を筆頭にした)と出逢ったなかで、夫を深く愛していたことを自覚する物語・・・
と解釈すると、まぁ、わかりやすかったかな。
岩に刻まれた悪魔じみた顔つきで女性器を持ったイコンは、人間から見た、植物的な生殖を繰り返す自然のメタファー。
よくわからないなりにも面白い類の映画として記憶しておいていい作品なのだが、ハーパーが暮らした田舎町の成り立ちなどを説明すると、東映の『〇〇村』のようになっちゃうので、それはそれで評価が落ちそう。
こういう映画は、白黒はっきりさせたい観客向きではないんだよねえ。
連想した映画は、東映の一連の『○○村』の他に、70年代前半のニューロティック映画や『ウッィッカーマン』『ザ・シャウト』、最近の作品だと『ミッドサマー』。
小説だと、ラブクラフトの初期作『ダゴン』あたりです。
2023年5月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
見て良かったです!ただ後半からグロいですね、、この映画観たら他の映画グロい作品見れますよ。それぐらいグロイシーンありました。
あの出演者の少なさでかつ自然な土地、よくあの不気味な作品が作れたのはとても興味深いし尊敬する。
この手の映画は点数付けられないです。なので?(はてな)にしておきます。
このシーンいらない所はないです。全てが意味のあるシーンです。脚本もよく作られていると思います!