ヴィレッジのレビュー・感想・評価
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能の面に塞がれた感情が一辺に溢れ出たとき!! 蘇る悪夢と消し去りたい過去が混じり合う作品
美しい村の風景に相応しくない産業廃棄物
ゴミの不法投棄され、埋立地となった場所。
母親のギャンブルにより、借金を抱えて
孤独に生きる優くん、横浜流星さんを
悲しい気持ちで見ていました。
やりたくない仕事をしなければいけない境遇
村おこしとの名目で、マスコミの取材
小学生の案内人、説明をしていた優くんを
妬みのような感情で見ていた透くんが
何となく美咲を乱暴しそうな予感がしていました。
抜け出したくても、村から抜け出すことの
出来ない呪縛を感じました。
優くんの父親が10年前に起こした事件!
自分に都合の悪いことは、無かったことに
しようとした大橋に、人間の非道さがありました。
屋敷に放たれた火、亡くなっていく人間は
能面の顔のように冷たく、乏しい表情に
見えました。
カエルの子はカエル
これが村か?
藤井道人監督と言う事で期待し過ぎたのかもしれない。
村と言う閉鎖的な環境の社会問題をあぶり出すのかと思ったけど、これは都会で暮らしてる人の村の悪いイメージでしかないのかなと思った。
ゴミ処理場を作った事で起こる大気汚染やら水質汚染の
問題に若者が苦しむ展開かと思ったら、
家族や仕事場の権力者に苦しむ主人公に
都会が舞台でも同じような事が出来たんじゃないかと
思いました。
能の件も話にあまり関わりがなかったように思う。
昔は優秀だった主人公を見せるためのものだったのか?
「新聞記者」をや張り手思い浮かべてしまうので、
見方を間違えてしまったかな…
横浜流星くんのラストカットは「悪魔を見た」の
イ・ビョンホンを彷彿とさせました。
出て行きたくても出て行けない
『あんたゴミだな』って、良く言えたものだ。
過疎の村に対して『生きにくい』と称して、ただでさえ若者は居付かないのに、それに拍車をかけてしまう。つまり『PLAN75』と同じ手法。そして、多分、救われずに終わる。どんな終わり方になっても、日本社会が続けば良いが、汚染が残されて、見た目が美しくとも、人が住めないなんて言う社会が来るかもしれない。実際にそう言った場所が日本やウクライナにはある。
村と言う閉鎖された同調圧力に屈してしまう日本人の大多数に対して、何故こう言った表現しか出来ないのか?
日本は民主主義国家だ。同調圧力に屈せず、逆の力を行使すべきなのだ。
俳優のイメージを崩さぬ様にストーリーは展開している。しかし、どう見でもマザコン男性に見えてしまうが。また、イケメンが善良な市民とは限らないし、イケメンの起こす行動が全て正しいとは限らない。
能楽が何流かは兎も角、能楽とこの薄気味悪い話を繋げて、この流派には利点があるのだろうか。能楽にしても歌舞伎にしても、善悪は関係なく自分だけの欲望で『殺人』と言う犯罪は実行される。例えば『娘道成寺』は自分の性欲だけで実行される。また、『人の為に殺す』理由には『忠臣』と言った避けられぬ『上下関係』があったが、何一つ躊躇なく『殺人』は実行される。従って、その『忠臣』の為の行為には何一つ反省は無い。日本にも古来から、そう言った『狂った面』があるとは思うが、近年、その殺人に『他人に対する情』を取り入れ、正当化する傾向がある。しかし、殺人は殺人でしか無い。
もっとも『心中』と言う習慣が日本にはあるが、物凄く無様で醜い行為で、決して正当化されるべきではない。江戸時代の『落語』にそう言った話が多いが『笑い』で表現している事に注目すべきだ。この映画ては『涙』で終了させて、終始笑う場面がない。暗く重苦しく終わる。さてなんか『PLAN75』に似ていないか?
後味わる〜
配信鑑賞で正解でした^^;
自宅レイトショーNetflix『ヴィレッジ』
先日まで劇場公開されてたこの作品〜もう配信でやってました。
藤井道人監督作品だけに外さないと思いつつも公開時スルーしてたので鑑賞
横浜流星さん含めて、役者の皆さんの演技は素晴らしい。
ただ半分くらいで全ての筋が読めて、目新しさはない展開と結末でした。
サンクチュアリで注目の一ノ瀬ワタルさんは、やっぱりこういうクズグレ役に合うね!
って事で配信で正解だったという見解です。
人は能面を被っている
ある村。
周囲を美しい自然に囲まれ、神秘的な“薪能”が伝統として受け継がれている。
それだけなら魅力的だが、村の実態は…
閉塞的で、息が詰まるほど重苦しく…。住人たちも生気が無い。
村の生計を支えているのは、巨大ゴミ処理場。
過酷な労働現場のみならず、パワハラや賭け対象の暴行が蔓延り…。
深夜には違法投棄を請け負う。
村長や村長の息子、ヤクザ、一部の者が権力を握る…。
この村で暮らす青年・優。
昼はゴミ処理場で働く。村長の息子・透に目を付けられ、徹底的に標的になっている。
夜は違法投棄を手伝う。ギャンブル狂の母親の借金の肩代わり。
優が村の商店に買い物に出掛けたり、行事に参加するだけで、住人たちはあからさまに陰口。
「どうして居るの?」「よく居られる」「居なくなって欲しい」…。
優は何をしたのか…?
いや厳密には、優は何もしていない。したのは、優の父親。
ゴミ処理場建設時反対運動が起き、その急先鋒だったのが優の父親。賛成派の人を殺し、家に火を付けて自殺…。
犯罪者の子供が!
当人に罪は無くとも、周囲はそうレッテルを貼る。こんな閉塞的な村なら尚更。
職場でのイジメ。周囲からの差別。日々受ける不条理、理不尽。
死んでるようにただ生き、孤独に堪え忍び…。
行き場の無い叫びは枕に顔を押し付けて喚くしか…。
何故優はそれでもこの村を出ていかないのか。
行く当てが無い。例え村を出たってどうせ…。
このままこの村で朽ち果てていくしか…。
そんな優の人生が一変する出来事が。
幼馴染みの美咲が村に帰ってきた。
村役場で働く。ゴミ処理場を活かし、村のイメージアップPRに努める。
そのガイドに優を抜擢。
根暗な性格の優の抜擢を透らは嘲笑する。優も当初は断る。
が、美咲の後押しを受けて引き受ける。
すると、大好評。再びツアーガイドの申し込みがあり、TV取材や観光客も増え…。
村にツキが向いてきた。
優の人生も上向きに。名物ガイドとして人気者になり、ゴミ処理場での過酷な労働や深夜の違法投棄にも携わなくなり。
垢抜け、生気の無かった表情に輝きが。
村の若者たちの羨望の的ともなり、美咲の弟・恵一は優を“ヒーロー”と。
何より、美咲と恋人関係に。あの時彼女が信頼してくれ、支えてくれたから。
どん底だった人生が一転、順風満帆。
…これで終わって欲しかった。
成功すれば、それを妬む者も。
透。
以前にも増して優を目の敵に。
以前から美咲に好いていて、ある時強引に…。
助けに入る優。
透の挑発に堪えていたが、それも限界。
遂に取っ組み合いになるが、透の方が体格も力も圧倒的。
ボコボコに殴られまくる。
その時…
透が行方不明に。
それを尻目に活性化の村興しが続く。
今や全国有数の注目スポットに。
村に伝わる能の演目の如く、その栄華はほんの一時。
ゴミ処理場から違法投棄物が見つかる。
村長からその揉み消しを命じられる。
さらに処理場の地中から、腐敗した透の遺体が…。
殺し。村を出、刑事になった村長の弟が遺留品から容疑者として目を付けたのは…。
優は事の収束に奔走。かつては犯罪者の子供として理不尽なレッテルを貼られていただけだったが、今度は本当に過ちを犯してしまう…。
『新聞記者』『ヤクザと家族』の藤井道人監督×スターサンズ製作。
名プロデューサーだった故・河村光庸の最後のプロデュース作。
社会に切り込んだ意欲作を発表し続け、本作もまた。
人間社会の業、地方の闇、逃れられない己の運命…。
悪循環とでも言うべき負のスパイラル。
それらを炙り出す。
この監督、このプロデューサー、このスタジオならでのダーク・サスペンス。
個人的には昨年の『流浪の月』で大開花。本作でもまた横浜流星が見事な熱演。
前半の虚ろな目、生気の無い佇まい。
後半の垢抜けて、爽やかな好青年。
その演じ分けと、追い詰められ一線を越えてしまう焦燥感と緊迫感…。
ラストカットの表情が忘れ難い。
演技力や存在感はもはや頼もしいくらい。
今若手実力派で気になるのは、松坂桃李と彼だ。
一ノ瀬ワタルが『宮本から君へ』に続き、凄みとムカつきで見る者を圧迫。
古田新太もさすがの威圧感たっぷり。杉本哲太、西田尚美、木野花ら住人皆、クセ者。
中村獅童が魅せる理性と複雑と苦渋の眼差し…。歌舞伎役者の本領を発揮する能の美しさ。
ベテランや実力派の中、奥平大兼と作間龍斗の若手が印象的。
そんな中、黒木華に救われる。
透を殺したのは…。
優はある人物を追い詰め傷付けてしまう。不条理と理不尽を押し付けられていた優が、今度は自分がそれを押し付け…。
村が最優先。また不祥事を揉み消そうとする村長。その時言い放った冷徹な言葉。
罪深いのは誰か…?
愚かなのは誰か…?
悪しきなのは誰か…?
己の弱さか、それともこの“村”がそうさせているのか…?
閉塞的な村で起こる惨事。
まるで横溝ミステリーのような渦巻くドス黒い人間関係、古めかしい因習…。
舞台は現代。今、こんな事が起こり得るのか…?
実際に村八分の事件も起きている。
村とか都会とか関係ない。
罪、闇、悲しみ、苦しみを作り出してしまうのは、人だ。
本作の象徴とでも言うべき能。
人は能面を被っている。
能面の下に全てを隠して…。
一見、美しい能を舞う。
能面と向き合うと己が見えてくる。
隠した本当の顔が露になっていく…。
それはまるで、人個人個人やこの村、本作そのものを表しているかのよう。
村意識、閉塞感は…
あるけど、ステレオタイプというか、見終わったと、何も残らなかった。補助金を貰いながら不法投棄を隠蔽している村がいきなり観光地となって(何で急に観光地になれるのかが全くリアリティなし)、やがてはそれが明るみになり、死体まで出てきてしまう話。衝撃的ラストがあるわけでもなく、拍子抜けした。
横浜流星の代表作
ゴミ焼却炉を巡って過去に起きた事件と、現在その焼却炉によって村の暮らしが成り立っている。その事件の犯人とされる人物の息子、優が必死に生きる姿と彼を支えようとする人物、引き摺り下ろそうとする人物、村の活性化を考える長老らが引き起こす新たな事件。なかなか面白い構成。
昔から優と仲の良かった美咲は久しぶりに村に戻って(美咲が東京で何があったのかがもう少しわかると良かった)優に優しく接する。同級生で焼却炉の責任者の同級生の息子透は優に敵意むき出し、嫌な仕事をさせ、何かと引き摺り下ろそうとする。観ていてとても不愉快で嫌な奴。焼却炉で働く人たちをきっと小馬鹿にしているんだろう態度や、喧嘩をさせたり、不法投棄の闇仕事をさせたりと、とにかく悪い奴。その親父は優の努力を認めてくれているようにも見えるが、どうも腹黒であり。
美咲と優と透の間で起こる事件、予想通りの結末だけど、確かにあんな奴はゴミとして捨てられてもしょうがない。でも、そりゃあ見つかるよね。
最後、美咲はどうしたのか?弟が街を出ていくところがラストって、とても上手い演出。
櫛木理宇の「鵜頭川村事件」。wowowでドラマになったが、村、ゴミ焼却炉をめぐってのいざこざ、不法投棄、村の伝統など少し似ていると思った。松田龍平主演。
今作、横浜流星がとても良かった。ゴミで汚れ汗に塗れて働く佇まいから、ネクタイ締めてこざっぱりした佇まい、どちらも素敵。悲しげな表情も、憎しみの表情もとても上手い。今後とても楽しみですね。
難しいところ
閉鎖された村を舞台に自由とは、何か?問いかけている作品なのかなと感じた。
この作品が作れる前には、爆発的なコロナウィルスの感染の影響で架空の村では、あるのだけど、今の世界に生きる人達がそれぞれ孤独で閉鎖された社会に生きているんじゃないの?と言われてるような気がした。
狭い社会だからこそ自分達とは、違うという事だけで自分の都合のいい言葉や人達を集めて、自分達が正しいと誇示しているなと感じた。
リアルな世界というよりももっと内面の部分を投影しているような気もする。
スマホの普及によって、誰かとコミュニケーションを取るのも目と目を合わせて、対話するのではなく、スマホでのやり取りばかり。
主人公の父親は、村社会の為に反対の行動に出ていたのにも関わらず村八分にされてしまった。
それによって、事件を起こして、犯罪者になる。
その事がきっかけで主人公も地元では、村八分にされている。
これは、ちゃんと向き合うべき事を誤魔化して、生きていけば都合よく生きていけるのに余計な事をしやがってみたいな感じを思われているのだろうと感じた。
なので、最後の主人公の行動もどんどんそれが正しいと言わんばかりに、今までの自分とは、全く違った行動に出るようになってしまったんだろうなと思った。
この作品は、村社会を忠実に描いた作品というよりも比喩的な見方をすると色んな見え方のする作品だと思って面白いなと思いました。
横浜流星さんの演技で成り立ってます…かね
脚本への評価は残念ながら。
横浜流星さんの演技は、素晴らしかったです。ストーリーに疑問を持ちつつも目が離せなく、最後まで見てしまいました。
残念な部分ですが、私には能と面の重要さがよく理解できませんでした。
最後のシーンで面をつけて…?と期待していたけどそうでもなくて、アイテムの重要性も低かったですね。
この様な環境で起こりえる人間の本性というか醜さのような部分が、表現としてはちょっと浅いなぁと思いました。人間味を感じるまでキャラクターを深掘りできてないというか。
観に行っといてなんですが・・・
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