ナワリヌイのレビュー・感想・評価
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肝のすわっているとはこういう事
とてもドキュメンタリーとは思えない人物像と内容だった。 日本の政治家ドキュメンタリーを数本みたが、この作品は一線を画し、本当に現状を変えてくれそうと思わせる。 特に今のあの国の現状が酷いからだけではない、頭がキレて、正義感があって、肝がすわっていて、話も面白い。 こんな映画の主人公みたいな人が現実にいるんだと驚く様な人なのだ。 そして収監、最後までリアルで終わりがない。 あの国のゾッとする部分をスクリーンで見せつけられた。
今後の狙いは、ネルソン・マンデラ路線?
いやあ〜
話には聞いていたが、FSBの関与を暴く件は、あまりにも痛快!
そしてあまりにクレムリンがアホ過ぎて(パスワード→モスクワ4!)生まれて初めてドキュメンタリー作品で連続的に爆笑してしまった。
しかし特に印象的だったのは、プーチンが言い放った「もし暗殺されるべき存在ならとっくに殺されている」という件。
プーチンに関しては、今年のウクライナへの侵攻が始まるまで、狡猾だが合理的で現実的。つまりバカでは無いと思ってたが、あんな発言を堂々とメディアの前で話すとは… そもそもが、やはり…
あるいは「どうせ、お前らには俺の正体なんかバレバレだろ!」という心の声だったか。
ナワリヌイが何故あえてロシアへ戻ろうとしたのか?
これが実は今回一番知りたいポイントだったのだが、最後まで出てこなくて、ここはチョット物足りなかった。
たぶんネルソン・マンデラ的な展開を狙っているのかもしれないが…
また或いは、彼は本気で「自分に出来た以上、他の人に出来ない訳がない」と、次なるフォロワーへと託しているのかもしれない。
実際、彼の逮捕後、若い女性たちが立ち上がった。
しかし、かなり前途は厳しいようだ(NHK+にて配信中)
出来れば、ロシアには戻らず、あのままべリングキャットと組んで、グイグイと外から揺さぶって欲しかった。
あれほどまで痛快でユーモラスに国家的な犯罪を暴くなんて、世界広しとは言えども、なかなか居そうで居ない存在だ。
今回の制作陣には是非とも続編を作って欲しい。
今年になってから観た数少ない新作映画の中では、今のところ間違いなくNo1!
晋三君の親友の犯罪
晋三君には外国にウラジミール君という同士がいました。 ウラジミール君と仲の悪かった主人公は何回か命の危険にさらされ今、収監されています。 ウラジミール君は国際的に非道といわれる犯罪を犯す前に国内でこんなことをやっていたのを知りました。 パンケーキのロシア版ですかね。
事実は小説よりナントカ
21世紀のある国のお話なんですよね。そして事実なんですよね。現在進行形なんですよね。いやぁ、映画以上に映画のような恐ろしい展開と現在を見せてくれます。そして・・・ナワリヌイ氏がどうにかしようとしている国はとその中枢の上層部連中は旧ソ連のままなんだと痛感しました。「DAU」で見た世界ですよ。恐ろしい。 いやぁ、こんな映像よくぞ残していましたね。本国ではもちろん上映されないでしょうし、今のウクライナ侵攻の手口と同じで、嘘ついて自身を肯定するし、情報も操作するから自国民達に真実が届くことはないのでしょうね。作品内で出てきた(国営放送なのかなぁ?)テレビの司会者やコメンテーターたちが思いっきり国寄りの発言していたのはびっくりしました。 ぜひ、元KGBの手口を本作で見てほしいです。 こんなことがあったんです・・・という作り方ではなく、事件の追求を含めナワリヌイ氏の密着ドキュメント作品なので臨場感が半端ないです。彼の日常の中にある「対政府(対プーチンか?)」がエグすぎます。独裁政府に楯突くってこういうことかって、嫌ってほど見せられます。そして、どんどんどんどんロシアという国に不信という気持ちだけが膨らんでいくのです。 新しいようで旧体制然としたロシア。サイバー的に足跡残しまくる関係者連中然り、その手法を選択する国の上層部然り、今どき何やってるだ?感がハンパないです。だからこそ、国も進歩できないんだろうなぁ、なんて思っちゃったりします。あぁ、最高権力者のために行政も軍も動いているんだろうなぁ・・・恐ろしさしかないです。 ナワリヌイ氏は現在投獄されています。彼に次ぐ誰かが沢山出てこないとどうしようもできないのでしょうね。国民がいくら賛同したところで、応援したところで、三権が牛耳られてるこの国ではどうしようもない。国内部に賛同者が出てこない限りは厳しい。でも、いつかは善人が悪人を凌駕してほしいと願うし、そうあるべきだと思います。 本作ラストのナワリヌイ氏の言葉が胸に刺さりました。 「諦めるな〜」で始まる言葉です。 (ネタバレなので書きません。) ナワリヌイ氏を釈放できる「何か」がないかぎり、ロシアはこのまんまだろうなぁ。
ロシアの平和の象徴
巨大権力に大きな後ろ盾もなくSNSを駆使して立ち向かう。 ロシア反体制派の毒殺未遂事件、そういやニュースで昔観たなぁ。何食わぬ顔でいるプーチンの恐ろしさを思い知らされたっけ。 そんな、被害者ナワリヌイがどんな人物か興味があった。 彼の勇敢さ、歯に衣着せぬ物言いに、家族を大切にする姿に魅力されている自分がいた。 彼とチームが明かした事実は映画じゃないかと衝撃が走り、この事実があってもクレムリンに居座り続ける絶対権力の強大さに絶望を感じた。 ただ、強大な悪の前に退かず戦い続けなくてはならない、ナワリヌイの意志は必ず影響を与えるだろうなと思った。
ナワリヌイ氏がロシアの大統領だったら…と思わずにいられませんでした。
現在進行形のロシアの闇を描くドキュメンタリー。 ロシアにまともな人たちがいることに安堵しました。 歴史は、今に近いほど面白いし、知る価値があるので、卑弥呼や室町時代より、近現代史を学校で子どもたちに教えて欲しいです。 独裁政権も、クーデターもデモもテロもない日本に住む私たちは、今のこの社会が当たり前ではなく、得難いものだと、ロシアや中国を見て気づく。 じゃあ、ノブレスオブリージュ、私たちは何をしなければならないのだろうか。 とりあえず、参院選挙の投票には、必ず行きます。
悪人が勝つのは、善人が何もしないからだ
ナワリヌイ暗殺未遂事件を、本人自身が事の真相を追求していきます。 ロシアでの暗殺事件といえば、過去にも反プーチンの新興財閥、政治家、記者らの殺害・殺害未遂および不審死があとを絶たちません。 「暗殺 リトビネンコ事件」という映画もあるので、合わせて見てはいかがでしょう。 「悪人が勝つのは、善人が何もしないからだ。諦めるな。」 ナワリヌイ氏が世界に向けてはなった言葉です。
「悪が勝つのは ひとえに 善が何もしないから」
ロシアの政治家アレクセイ・ナワリヌイのドキュメンタリーです。 プーチン政権にとって、ナワリヌイ氏は邪魔であり脅威であり、暗殺されかけたりします。 それでも、恐れずにプーチン政権と闘っていくわけですが… まだ記憶に新しい、2018年イギリスで起きたロシア人スパイ暗殺未遂などにも、触れられてます。 昔は好きだったな…プーチン… 勝手に美化して(笑) ロシア、プーチン政権の腐敗… でも、日本も腐敗してるんだよな… なかなか面白かったです。 あまり難しくないので、たぶん観やすいと思います。
ドキュメンタリーとは思えない‼️
反逆者にはどんな手段をとっても許されるところは、日本の警察も変わらない。 タダ毒殺までするのは…。北朝鮮も似ていることをするけど、民族カルチャーなんだろうか…。 でも、小さい時から教えられて来たら、教えられたとおりと思うだろうし、プーチン信者になると思う。 特に考えさせない教育(暗記教育)をさせてきた日本の罪は重い‼️考えさせることをさせないのは、重罪 です。思想 言論の自由は大切と改めて思いました‼️
20:22年、アメリカでの制作。 事実というより、創作にも見えてしまうドキュメンタリー。
軍事レベルの化学兵器ということだが、プロの手口にしては、ちょっとお粗末すぎる。 殺害に関わったという科学者の電話での音声が出てきたが、その科学者が試験して、殺害計画を作ったというのか? ナワリヌイ氏は死の境をさまよったにしては、後遺症もなく元気すぎる。闘病生活の映像も一切出てこない。 飛行機の機内で苦しむ映像もなく、機内から運び出される映像もなく、機内から救急車へ乗せられる様子を遠くから映す映像 のみ使われている。 このあたりは、ちょっと不自然ではないか? ロシア側の政治的な逮捕かもしれないが、映像を撮るスタッフがいるにも関わらず、肝心な部分の映像がない。 20:22年、アメリカ制作というのも気になる。反ロシアのプロパガンダとも受け取れる。 反ロシア、反プーチンはわかるが、かと言って、嘘をでっち上げていいという理屈にはならない。 ナワリヌイ氏も俳優顔負けだが、まわりの人達も俳優並の演技と言えなくもない。 この映画はドキュメンタリーだ。ロシアが犯罪を犯したなら、その事実を、証拠となる映像をともなって伝えれば、それで十分だろう。
久しぶりにゾクゾクした
プーチン大統領による毒殺計画から生還した弁護士アレクセイ・ナワリヌイ氏の「反プーチン運動」を映画化したドキュメンタリー映画。一番の見どころは毒殺に関わった研究者との電話で聞き取るシーンに鳥肌が立ちました。 ダメもとで工作員から聞き取り調査に挑戦し、見事にクレムリン直属の研究者から毒殺計画の裏をとれたことに成功し、その瞬間、ナワリヌイ氏の表情は歓喜に満ちていた。ドキュメンタリーでもあり、一本の映画としても成功していた。
国のために命を懸ける漢の物語
ナワリヌイが反体制派活動家で、ノビチョクで殺されかけ、今はロシアの刑務所に収監されていることは知っていた。しかし、この映画を見てはじめてナワリヌイという人間がどういう人間か分かった。ユーモアを保ちつつも熱いよ、この人。僕がロシア人なら絶対に支持する。それにしても、ベリングキャットすげー。まさに驚愕の展開で、「事実は小説よりも奇なり」を地でいく。今、絶対に見ておくべき映画。上映館をもっと増やすべき。
ナワリヌイ プーチンが最も恐れた男
ものすごい人ですね! 明るくて、カッコいい!妻を愛し、妻もナワリヌイを愛し家族愛が素晴らしい! 妻は、チェスがむちゃくちゃ強いらしい! 緊迫のドキュメンタリーでした。 今、刑務所に収監中みたいですが、ナワリヌイ大統領でしょうね! 大統領になってからの続編映画観てみたいです。 スゴい映画観ました❗️
公務員は指導者ではなく奉仕者である
ロバート・ラドラムやトム・クランシーのスパイ小説を読むと、ソ連は恐ろしい国だったというイメージである。KGBやGRUがどれほど容赦のない暴力的な組織であったかが事細かに描かれていて、西側のスパイに協力するソ連の小役人の恐怖の日々を我がことのように感じた。 しかしソ連崩壊後のロシアは、ゴルバチョフによる情報公開や自由化の流れで、規則でがんじがらめの社会主義国から、金儲け優先のギャング国家になったように感じた。ロシア人女性は若い頃はとても美しくて、国際結婚をした日本人男性が知り合いに何人かいた。恐ろしいソビエト連邦が開発途上国ロシアに変わった感じだった。 ところが元スパイであるプーチンのせいで、ロシアが再びソ連に戻りつつある。せっかくゴルバチョフが民主化への道筋を引いたのに、陰謀論者が国を牛耳ると、こんなふうに疑心暗鬼の国に逆戻りしてしまうのかと、再びスパイ小説で味わった恐怖が蘇る。 その恐怖をものともしないナワリヌイ氏とその家族の精神的な強さには恐れ入った。プーチンは役人や警察官に一定の権限を与える。それは役人や警察官にとって国家権力の行使そのものである。無防備の国民を弾圧しても罰せられないとわかれば、人間はどこまでも残虐になれるのだ。 日本国民の我々が注意しなければならないのは、プーチンと親しいアベシンゾーは、プーチンと同じ精神性の持ち主だということだ。「ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ている」と言ったのは脳足りんのお調子者の発言だとばかりは決めつけられない。ふたりとも国家主義者だし、不勉強な陰謀論者である。 何より恐ろしいのは、国会で100回以上も嘘を吐いた男が、未だに逮捕もされず、それどころか現政権に意見まで言っている状況と、それを許している国民だ。アベシンゾーとその一派がプーチンのような恐怖政治の実現を望んでいるのは間違いない。それが「同じ未来」だ。マスコミと検察を操作して圧力をかける。頭を押さえつけられたNHKは、いまや大本営発表に堕してしまった。 ひとたび国家主義に捉えられてしまうと、指導層にいる人間たちは全能感に酔いしれる。部活の後輩みたいに何でも言うことを聞かせられると勘違いする。だから言うことを聞かない人間がいると激怒する。 しかし部活に入るのは、学校生活を充実させるためだったはずだ。部活のために学校生活を台無しにしたのでは、本末転倒である。国と国民の関係も同じで、国民のために国があるのであって、国のために国民があるのではない。国民は部活の後輩ではないし、政治家は先輩でもない。 日本国憲法に書いてある通り、政治家を含む公務員は、指導者ではなく奉仕者である。それを勘違いするとプーチンみたいな化け物が生まれる。そして世界はいま、確実に化け物が増えつつある。個人が自由と権利のために戦い続けなければ、あっという間に前世紀に逆戻りだ。本作品はその警告でもあるように思えた。
次回作は「ウラジミールの空に」かな? ネバギバ❗
アレクセイ・ナワリヌイ。 奥さんのユリアと娘のドーシャがめちゃキレイ🤩 ナワリヌイ自身もカッコいい。 まるでハリウッドのセレブ一家じゃないか。 YouTube の広告収入も気になって仕方ない。 ナマヌルイぞ プーちん 俺がプーちんだったら、まず娘と嫁さんを誘拐して、母娘ナワ地獄を味わわせてやる。それから、ナワリヌイ自身を捕らえて、マインドコントロールして、007シリーズのジェームスボンドに仕立てあげ、しこたま儲けてやる。ナワリヌイの報酬はもちろん、慰め程度だ。 アレクセイだからレッド・ガーディアンでもいいかな。 ロシアにこんな用意周到な切れ者が出てきたら、西側にはかえって脅威かも。今のままでいいよって思う自分もいるのよ。 半分、やっかみだけどね。 ドイツの病院に輸送したユリアたち。 カッコいい。 うちのかみさんは絶対してくれない。 いいなぁ。いい女だな~ 参謀の男は数学者でもあるピーター・フランクルに似てたような。絶対CIAだと思うよな~ 写真の男たちはどうもデジャブ感ありすぎで、どこかの映画でみんな見たような気がする。ホントにドキュメンタリー映画? モスクワ 4 筋肉バカ! 大爆笑! それからの怒濤のロングカット。 すごいアドリブ。会話の妙。 やっ、やっ、役者やのぅ~ 可笑しくて、胸がすく。 これが全部、映画用の猿芝居(フェイク)だったら、ホント最高に面白い映画なんだけどね。 コンスタンチン?しゃべり過ぎたあの科学者はあのあとどうなったのかな?可哀想といいながらも・・・・嬉しそうなナワリヌイの取り巻きたち。 どっちにしても、ロシアは怖い。
最前で戦う人からのメッセージ
事実は小説より奇なり、と言うが、 本作は事実は映画より奇なり、と伝えたい。 ロシアの反体制派、ナワリヌイ氏の 毒殺未遂から今日に至るまでの密着ドキュメンタリー。 趣味でロシア語を学んでいる身として、ここ数年のロシアの動向は気になる所であり、 ナワリヌイ氏も毒殺未遂以前から注目する人物だった。 とはいえ作中の内容まで知るはずもなく、 まったくもって映画ではないのか、と疑うような展開にひたすら驚く。 事実かどうかは脇においておいても、これだけでも見る価値はあると言いたい。 そして一縷の狂いもない事実だとすれば、 今なお続く戦争ともどこか通じているようで、さもありなんと納得できるだろう。 本作はナワリヌイ氏の主張を広めるための映画であるため 氏への批判的視点はほぼない。 ただそうしてヒーロー的に記録されているとしても 相手の大きさを思えば個人でこれだけ立ち回れるのか、 しかも清々しいほど軽やかなのだから尊敬の念しかない。 そしてどうして映画を必要としたかを改めて振り返ったとき、 ナワリヌイ氏の諦めない情熱と、だからこその苦難に胸がいっぱいになった。 これはロシア国内の出来事だが、 最後の氏からのメッセージに他人事ではないものを感じている。 まさに今、起きている事。 善悪は置いて置いて、「知る」ためにも見るべし良作。 また、共に戦うチームと家族も、強くクレバーでたまらんのだな。
ロシアの腐り方がよくわかる
興奮した。 前半はロシアの政治家・活動家のナワリヌイ氏のこれまでで、正直普通のドキュメント。 どんな人物なのか、というあたりに焦点を当てていたが、過去の記録映像を編集したにすぎず、通り一遍で眠くなった。 ところが、中盤の毒殺未遂事件から一転、(失礼かつ不謹慎だが)めちゃくちゃ面白い! 警察から旅行会社から通信会社まで、全ての情報をネットなどで売っている、モラルなきロシア。 そのデータを解析して、データおたくのジャーナリストとナワリヌイ氏自身、ナワリヌイ氏のスタッフ数名で犯人たちの特定とデータを(=毒薬製造の全化学者と、暗殺者の住所と携帯番号も)全て入手。 その様子を動画サイトやSNSに全て公開。 「これ、イギリスでパイソンズ、またはアメリカで『サウスパーク』のコメディセントラルが作ったんじゃないよね?」 という疑問がわいたくらい。 ギャグかフェイクニュースじゃないなら、これはロシアって国自体の愚か具合、劣化具合がすさまじく、お粗末で馬鹿ばかり。 プーチンとともに、あの国の政治家・官僚から、軍から警察から、企業から何から、みんな腐りきっているのがよくわかる。 アメリカ制作で、日本を含めた反ロシアの国々では観られるけれども、ロシアの人々にこそこの映画は観てもらいたいと思った。 まぁ、フェイクだ、プロパガンダだなんだ難癖つけて、見せないようにする国ではあるのだが。
今だからこそ
新宿ピカデリー、平日午前中の回はサービスデイということもあり「ほぼフルハウス」な客入り。 「ロシア(プーチン)によるウクライナ侵略」に加え、日本でも知名度が高まりつつあるサンダンス映画祭受賞作品ということで観逃せません。 さて、昨今の「ウクライナ侵略に関する報道」で見る機会が増えたプーチンという人物。彼の理解不能な論理と、あの開き直った態度はこの映画でも揺らぐことはありません。むしろ我々からしたらその人物像について確信します。 何しろ、逆らえば毒を盛られ、その証拠を突きつければ国内メディアを自在に操り「フェイクだ」「CIAによる陰謀だ」と反論にもなっていない一点張りで、しまいにはナワリヌイ氏を有罪にして懲役刑を貸す始末。恐ろしい。 しかしナワリヌイ氏は言います、「諦めるな」と。 ドキュメンタリー映画の神髄は知らないことを知ろうとする足がかりです。そして、そのことを他人事と思わず自分に置き換えてみてこそ価値があります。 考えてみましょう。果たしてこれは、ロシアという日本とは全く違う国のことなのだろうか? いや、日本にもつい最近まで、どれだけ証拠を並べて質問をしても「その指摘は当たらない」「全く問題ない」と切って捨てる官房長官、そして質問妨害をする司会担当の官邸報道室長や、周りにいても全く意に介さない記者クラブの面々。同じ構造だ、、恐ろしい。。。 すっかり話が逸れましたが。 ナワリヌイ氏とその家族、そして仲間、支援者、皆、恐怖に晒されつつも抗い、そして行動を起こし続けます。この映画もその「行動」の一つです。 下手なスパイ映画よりもよっぽどスリルがあります。残念なことに証拠を見つけてもなお爽快感に届かないのですが、、でも見応え十分です。 さぁ、日本もそろそろ参院選ですね。きちんと投票に行きましょう。
何が陰謀なのか、何がフェイクなのか
ナワリヌイ暗殺計画に関わった人間の特定に最大の功績のあったクリスト・グローゼフですら、始めはナワリヌイの存在をロシアの最大の敵を演じるフェイクかもしれないと思ったと語っている。何のために?なぜ?とにかく何でもありなのだ。世の中に「陰謀」と「フェイク」が蔓延り、そして不利な状況になればすべてを「陰謀だ、フェイクだ」と主張する。プーチンはナワリヌイをCIAから送り込まれた存在そのものが陰謀だと主張する。またナワリヌイがナワリヌイ暗殺計画の首謀者としてプーチンを批判すれば、プーチンはその証拠となる映像を始め、何もかもがフェイクだと平然と開き直る。 しかし一連の騒動と暗殺計画を暴露したSNSによってナワリヌイはロシアの正義と民主化の象徴としてさらに広く強く認められる。ナワリヌイは語る。「存在が大きくなればなるほどプーチンは手を出しにくくなる」と。そういう理屈もあるのか。 今ナワリヌイはロシアの塀の中に。プーチンは相変わらず政権に居座り、そしてウクライナ侵略へ。 ナワリヌイは最後に語る。「悪が勝つのは善人が何もしないからだ」。 ナワリヌイとプーチンの戦いはまだまだ続く。ロシア国民よどうする? こういう言い方は不謹慎かもしれない。が、敢えて言おう。とにかく興味深く面白い! 上映館が増え、この映像が多くの人々の目に触れることを期待したい。
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